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島とつむぐリトリートによせて

ヨガセラピストのあゆみちゃんとチームを組んだ島とつむぐリトリート、あゆみちゃんのゲストさん向けに書いた文章。
-2021年の春-
そのはじまりの文章をこちらにもシェアさせていただきました。

-島とつむぐアーユルヴェーダ食-

巡る季節の中の壱岐島の旬のいきいきとしたプラーナをいただく夕食

旬の食材にはいきいきとしたプラーナ、さまざまな豊かな味わいが在ります。
壱岐島、未来派カゾク農園さんの畑や津の神山の野草、
壱岐産の野菜、その時に旬を迎えている食材からインスピレーションを
いただいて作ります。
口にした方が壱岐島の食材の味わいを、ありのままに感じられることや、より深みを感じられるようにつくっていきます。アーマを残さないように、お野菜中心の構成になっています。

メニュー例(写真の内容)

○島の旬をいただくスープ
(春キャベツの豆乳をつかったポタージュ。
未来派さんの畑の中でいきいきと育った春キャベツ。ふつうはすてられてしまうかたい外葉と芯の部分がとても美しかったのでギーといっしょに蒸し煮にし、ポタージュに仕上げました。

○島のめぐみ、六味を一皿に
(島の旬野菜、黄にんじんと、苺のソース、カマスの炙り
壱岐島の食材の味わいを素直に味わっていただくことに気をくばっておつくりします。
、調味料をなるべく使わず、素材の味わいを感じていただくために、フレッシュ、茹で、焼き、蒸し、ピュレ、さまざまなカタチで盛り込みました。)

○玄米養生食
壱岐産の玄米を柔らかく焚き、壱岐の豊かな土壌の中で作られた、消化を助けるターメリックや生姜といっしょに身体にやさしい養生食にしました。

どんな思いで創られたか。

あゆみちゃんとは、壱岐島の小さな町のご近所さん。
お家は違うけれど、暮らしを一緒に作っているような感覚があります。
暮らしを共にしている感覚の中で、
あゆみちゃんの在り方、暮らし方から、日々、そのままの自分で、調和の下に生きる
生き方のヒントを受け取っています。
あゆみちゃんの持つ、アーユルヴェーダの知識や理念。
『食べることは、プラーナ(生命エネルギー)を自分の身体に結ぶこと。』
という、在り方と、
自分自身が料理をする時に、大切にしている、
『料理することは命を繋ぎ、結ぶこと』
という思いが重なり合って、この「島とつむぐ」リトリートでご一緒させていただくことに
なりました。
お食事を通して本来の自分、自分の軸に戻る、お手伝いを。
素直に、しみじみとおいしく、こころをほどき、食材ひとつひとつの
味わいを感じていただくことで、ご自身の感覚をより強く感じられるような一皿になるよう
おつくりいたします。

あゆみちゃん、ありがとう。

料理人としての思いや大切にしていること

わたしが料理人として仕事をする上で、幸せだと感じる瞬間。

おいしいものを食べたときの、ゲストさんのこころがほどけていくような感じ。安心感。
驚きと喜び。そして新しい気分や気持ちが生まれ、新しい風景が会話が生まれていく感じ。
調理場に立って、お店の空気が喜びに変わっていくのを静かに感じる瞬間。
目には見えないけれど、確かにある瞬間や感覚、風景。
それを感じることが、やりがいや、料理人という仕事に対する情熱になっています。
『おいしい!』とお言葉をいただくのも、ももちろんすなおに嬉しいです笑笑

料理をとうして、目には見えないけれど、確かにお皿の中に在るものを見つめて、
そして忘れないようにしてきました。
食材がお皿にのるまでの、命の循環や、生産される方の想い、時間。
自分の手仕事や想い。
お皿の中に内包されているたくさんのことを喜びにして手渡すこと。
食べていただく方の時間、体験。
そのたくさんのことに感謝して、これからも料理していきたいと思います。

これを読んでいただいた方に、いつかどこかでささやかな喜びを手渡すことができたら幸いです。

小野富美子(tommy)


この文章は、2021年の春。
はじまりの時に書いたもので、わたしの純粋な気持ちが詰まっているなぁと、いまでも思う。
食事を通して、ひとを癒やしたい、なにか糧になるものであって欲しいという願いとともに、風土を表すもの、壱岐をありのまま食を通して表現したいという気持ちと、テロワールを活き活きと描き、料理人の在り方を変えた偉大なシェフ、ミシェルブラスへの、単純な憧れと。届くかわからないけど手を伸ばして見たいんだという、挑戦でもあった。
そして、その無骨な挑戦に対して、全面的に信頼をして、わたしのクリエイションを形にしてみるチャンスをくれたあゆみちゃんに改めて感謝を示したい。

わたしたちの挑戦は始まったばかりだ。
たぶんこれからも精一杯悩み、ゲストさんや壱岐島に、じぶんたちに寄り添いながら活動を続けていくんだと思っている。

アーユルヴェーダ食の時間、ゲストさんと、あゆみちゃんと、わたしと、丁寧に問いかけ、対話する時間、世界に3人だけになってしまったみたいな対話の時間が、わたし自身の人生の栄養になって宝物になっていった。
ゲストさんにとってもそのような時間となって欲しいと願い、活動していきます。

ご協力いただいているみなさま、ありがとうございます。これからも、よろしくおねがい致します。

#食 #アーユルヴェーダ
#風土
photo by yu_atari



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