『被災疲れ』という現象

日本列島を相次いで襲った災害から少し経った。

水に浸かる空港、剥げ落ちる山々。

報道の映像でしか確認してないが、まるでCGを見てるような非現実的感覚になった。


現地の方は、どんな日々を過ごしているのだろう。

そう思って見た今日のニュースでは、驚くことに日常と変わらない光景が映し出されていた。


札幌の映像だ。

街頭で節電を呼びかける人、その横を歩くのは背広を着たサラリーマン。

5日前に大地が揺れた都市とは思えない。


慣れすぎなのではないかと思う。

東日本大震災以来、私たちは大きな災害に遭いすぎた。

その度に、人々は手を取り合い、再び復興の歩を進めた。

確かにそれは素晴らしいことだ。

しかしその打たれ強さは誇るべきものではない。


感覚の麻痺、というのも表現が違う気がする。

災害におけるリスク低減の対応策に誤りがなかったか、検証を求めたいわけでもない。

ただ、なんとなく、何事もなく生活する映像に恐ろしさを感じた。

異常事態を呑み込んでしまう鈍感さに、恐ろしさを感じた。


みんなちょっと疲れてるみたいだ。

これを私は、『被災疲れ』と名付けたい。

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