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他人の目を気にしない生き方へ:アドラーの教えが私を変えた①


1. はじめに:変わったのは「見えないルール」からの解放


私はいつも周囲の目を気にしていました。
保育園の送り迎えでは、「保育士さんにいい親だと思われたい」と思うし、走り回る息子を連れている私が「しつけができていない親」だと周りの人に見られているんじゃないかと不安でした。
同じクラスのママたちに、「あの人、まだ子どもを連れて帰れないでいる…」と思われているんじゃないかと恥ずかしく感じることもありました。

仕事では店長経験があるから、「売り上げを上げなければいけない」「お客様とうまく会話ができなかった私はダメだ」といつも落ち込んでいました。『こうあるべき』という見えないルールに縛られ、それが当たり前だと思っていたんです。他人の評価に敏感で、常に「できる人だと思われたい」という気持ちに囚われていました。

でも、アドラーの『共同体感覚』を知ってから、驚くほど心が軽くなったんです。

2. 共同体感覚とは?


アドラーが提唱する『共同体感覚』は、他人とのつながりを大切にし、評価ではなく共感を重視する考え方です。簡単に言うと、「私たちは社会の中で自分の役割を見つけ、誰かのために貢献できたときに安心感や満足感を得る」というもの。自分や他人、そして社会全体を大切に思うことが、この『共同体感覚』なのです。

アドラーはまた、「自分中心の考え方から抜け出すためには、他の人を愛することが必要」と教えています。誰かを支えることで、自立し、共同体感覚を育てていくことができるのです。
だからこそ、毎日誰かの役に立つ行動を心がけることが大切。でも、その時に「感謝されたい」とか「褒められたい」と期待するのではなく、見返りを求めずに自分から始める。それが本当の幸せにつながります。

3. 他人の評価にとらわれていた自分との決別


長い間、「他人にとって価値のある人だと思われたい」と思っていました。だからこそ、周りと自分を比べて、勝ち負けを意識してしまうことも多かったんです。
本当にしょうもないことですが、駅で「私のほうが早くついた」とか、レジで「私のほうが早く会計を終わらせた」とか、そんな小さなことまで競っていました。
また、子育てや仕事でも他のママや同僚と自分を比べて、「私はもっと子どもを愛している」「私はもっと年次が多いから頑張らないといけない」と思い込んでいました。でも今では、それがどれだけ無意味だったかに気づいたんです。

4. 「自分が思うほど、他人は自分を気にしていない」という気づき


ある時、ふと思ったんです。「昨日私がどんな服を着ていたかなんて、誰も覚えていないよね」と。他人のことを気にしすぎていたのは、自分自身だったんだと気づいたんです。実際には、ほとんどの人は他人のことをそこまで気にしていないんだと。そう思ったら、他人の評価に縛られる必要がなくなり、すごく楽になりました。

5. 慈悲の心と共同体感覚を通じて得た視点


アドラーの共同体感覚や、仏教の慈悲の教えを通じて、他人を助けることが自分の幸せにもつながるんだと実感しました。「私たちは皆、同じだ」という視点が持てるようになったんです。誰もが苦しみも喜びも持っているから、他人を評価する必要も、自分を評価する必要もない。こうして私は、他人と比較することが少なくなり、自分を受け入れられるようになりました。

6. プレッシャーとその解放


子育て世代に対する社会の目は厳しいと感じていました。迷惑をかけないように、いつも1人で頑張らなくちゃいけないと思い込んでいたんです。でも、共同体感覚を知ってからは「助けてもらってもいいんだ」「協力して生きていけばいいんだ」と思えるようになりました。

7. 「私の役目は他にある」と気づく


以前は、他人に認められることが自分の役目だと思い込んでいました。仕事でも「店長経験があるのに、後輩より売り上げが低い」と落ち込んでいました。

でも今は、他人と競争することではなく、周りと協力しながら自分らしく生きることこそが、私の役目だと気づいたんです。
そう気づいたら、以前嫌でたまらなかった仕事にも楽しさを見いだせるようになりました。
同じクラスのママたちとも、自然に挨拶ができるようになりましたし、駅で困っている人がいたら迷わず手を差し伸べることができるようになったんです。

9. アドラーの教えを取り入れることで得られるもの


アドラーの教えを知ることで、私のように悩みや不安から少しずつ解放されて、自分らしく生きる力を得られるかもしれません。
子育てや仕事、そして日常生活の中で他人の目を気にしすぎたり、自分を過小評価してしまうことは誰にでもあります。
でも、アドラーの『共同体感覚』を通して、自分自身と他人を同じように大切にし、評価よりも共感を重視する生き方ができるようになると、心が本当に軽くなります。

他人の評価に囚われるのではなく、今の自分をそのまま認めて、周りと協力し合って生きていくことで、日々が少しずつ楽しくなるはずです。

8.まとめ


本を読んだだけでは、すぐに世界が変わるわけではありませんでした。「世界が変わって見えた」という感想を読むと、「そんなにすぐには変わらないよね?」と思っていたんです。でも、じわじわと少しずつ変わっていきました。
今では、アドラーの教えを知らなかった時期を思い出せないほど、日々の生活が楽になっています。
レジで順番を抜かされても、「減るものはないし」と思えるし、息子が保育園に行きたくなくて泣き叫んでも、「落ち着くまで待てばいい」と思えるんです。

アドラーの教えは、私たちの生活をより豊かに、そして前向きにしてくれるヒントがたくさん詰まっています。もし、今の生活に息苦しさや悩みを感じているなら、一度アドラーの考え方を取り入れてみると、少しずつ変わるかもしれません。

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