【まとめ】『苦しかったときの話をしようか 森岡毅』
いま時代は、「やりたいことをやろう!」という気運であふれています。しかし多くの人にとって、自分のやりたいことってなんだろう?という状態ではないでしょうか。
本書には、自分のやりたいことをどう見つけていけばいいのか、キャリアをどう築いていけばいいのか、そのヒントが多く詰まっています。
これから就職活動をする人、社会人になりたてで将来を不安に思っている人、これらの若手にとって本書が役に立つことは、まず間違い無いでしょう。
この本を読んで欲しい人
・これから就活が始まるけど、自分がどんな仕事をしたいか分からない人
・新社会人になったけど、自分の将来がこれでいいのか不安な人
とにかく20代の若い人に読んでもらいたい一冊です!
この本から何が得られるのか
・自分がどんな仕事に就けばいいのかを考えるためのノウハウが身に付く
・自分のキャリアをどう形作っていけばいいのか、を考えるためのノウハウが身に付く
なぜこの本が役に立つのか
著者は森岡毅さんという、USJをV字回復させることに成功した、伝説のマーケターです。
森岡さんが着任した2010年頃のUSJは、2001年の開園当初は1,100万人だった来場者数が、730万人に落ち込んでいました。そんな危機的状況であったUSJを、森岡さんはマーケティングの力を使って復活させ、2014年には年間来場者数1,270万人と、驚異的なV字回復を達成したのです。
そんな森岡さんがマーケティングの手法を使って自身をブランディングした方法を、本書では余すことなく伝えてくれています。というのも、本書の内容は元々就活を直前に控えた娘さんのために書きためていたものを書籍化したもので、娘さんのためを思って書かれたこともあり、文章の本気度が半端ではないのです。
この社会の残酷すぎる現実についても、隠すことなく書かれてあります。
それほど本気で書かれた文章を、我々一般人も読めるのですから、本当に感謝しかありません。
自分のキャリアをどう形成していくのか
①目的をはっきりとさせる
キャリアを形成するに当たって、自分がどのような状態なら成功と言えるのかをはっきりとさせなければなりません。自分がどのような状態になっていればハッピーかを考えてみましょう。億万長者になって世界中を旅することなのか、田舎で自然と戯れながら悠々と過ごすことなのか、それは人によって違うはずです。目的がはっきりしたら、そのためにはどうしたらいいのかをどんどん落とし込んでいくのです。そうすれば、いま何をすべきかが見えてきます。
②自分の強みを知る
社会人になった人なら分かると思いますが、社会に出てから評価対象になるのは、自分の強みだけです。弱みで評価されることはありません。学校では苦手科目も頑張ろう、と指導されますが、実際に世の中に出てから必要になるのは、どれだけある分野で秀でているかどうかです。例えば野球選手なら野球だけ上手ければよく、サッカーまで上手い必要はないですよね。なんでも満遍なくできるに越したことはないのですが、それだと器用貧乏におちいってしまう可能性があります。世の中で必要とされるのは、自分の強みだけなのです。では、どのようにして自分の強みを見つければ良いのでしょうか?
社会との関わりで気持ちよかったこと(楽しかったこと)を書き出す
自分がこれまでしてきた中で、楽しかったと思えることを書き出して行きます。
例えば人前で研究の発表をした時とか、ある人物について徹底的に調べた時とか、「〜した時」という動詞を集めて行きます。
それができたら、次にそれぞれを3種類に分けていきます。
3種類とは、T(Thinking)、C(Communication)、L(Leadership)です。
Tは考えること、分析すること、Cは人と関わること、Lはリーダーシップを発揮することです。その中で最も多かったタイプが、あなたのタイプになります。
自分のタイプに合った仕事を選ぶことで、自分の強みを発揮することが可能になるのです。大事なのは、自分がナスビなのか、キュウリなのかを知ることです。ナスビなら、ナスビとして生きるのです。ナスビなのに無理してキュウリのフリをして生きていたら、すごくしんどいですよね。まずは自分が何なのかを知ることです。
③自信をマーケティングせよ
「ブランド・エクイティー・ピラミッド」本書165ページより
戦う場所を決めたら、次は自分のブランディングをしていかなくてはなりません。
つまり、誰に(Who)、何を(What)、どうやって(How)売り出していくのか、ということです。これは社内であっても、就活であっても同じ枠組みが使えると思います。自分をブランディングするためのフォーマットが、上に引用させていただいた、「ブランド・エクイティー・ピラミッド」になります。これが本書の核となるノウハウだと私は思っています。
森岡さんが長年培ってきたマーケティングの考え方を、自分のキャリア形成に応用するのです。つまり、ものを売るときのようにして、自分を売り出すのです。
まず誰に売るのか、会社員なら上司、就活生なら採用担当者ですね。
次に自分がどのような便益があるのか、どんな価値を提供できるのか。
そして最後に、その便益をどうやって提供できるのか。
ここをしっかりと考えた上で行動することが大事になってきます。
(実は私もこの記事を書くときに、この手法をこっそり使っています。
何にでも汎用性の効くフォーマットだと思います。)
苦しかったときの話をしようか
苦しかったときの話をしようかー本書のタイトルでもあり、終盤に書かれたこの章では、森岡さんがキャリアの中で本当に苦しかったときの話が赤裸々に書かれています。最初に入ったP&Gで、電話の音が怖くなるほど追い込まれたときの話、アメリカに行った時に激しい差別にあったときの話など‥森岡さんほどの人でも死にたくなるくらいの苦しい目に会ってきたというのです。この章はぜひとも直接読んでいただきたいと思います。どんな人でも苦しい時はある、でもそこを乗り越えたら必ず成長できるーとても勇気をもらえるはずです。
最後に
自分のキャリアを考える上で、絶対に読んで損はないと断言できます。
もし良ければ読んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
とみた
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