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#幸せ

KUZU3

KUZU3

この寂しさに気付かなければ良かったのかもしれない…

私の日常は、夫が起きてくる前にお湯を沸かし、コーヒーを入れる。

トーストを用意する。

クシャクシャの髪で、二階からのっそり降りてくる夫。

「おはよう」

私が声をかける。

しかし、それは独り言になる。

夫の横で、私の声とTVの音だけが響く…

夫は淡々と歯を磨き、服を着て、朝食を食べて出て行く。

私は慌てて後から追うように、重たい気

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