街づくりの知識を得たくて読んだ本のご紹介
エクスペリエンスデザイン部のTOMIOKAです。
こんにちは。
突然ですがみなさん本を読んでいるでしょうか。ニュースでもなんでもいいです。私は本というか活字を読むのがめちゃくちゃ好きでいろんなジャンルの本を読み漁っています。
関わっていたプロジェクトから「街づくり」というジャンルに興味が出て、インターネットで色々調べたりしてデスクトップリサーチをしていたりもしたのですが、やはりまとまった情報としては本が一番で、今日その際に読んだ本をご紹介したいと思います。
01 北欧のスマートシティ
かねてよりさまざまなタイプの都市開発について調べてきましたが、北欧自体を訪れたことがなく、イメージの中でウェルビーイングが高そうだというのはありましたが、テクノロジー?とひっかかり読んでみました。
北欧諸国では50年以上も前から行政のデジタル化が進んでいると書かれていてまずそこに驚いてしまいました。
またノルウェーがEVの最も普及している国の一つとは知っていましたが、なぜ普及が進んだのかというのに、元々寒い国でエンジンを痛める心配があるため、エンジンヒーターを装備している車が一般的。車に乗る前に事前にヒーターをつけることを推奨されていた結果、個人宅や集合住宅に屋外用電源があるものが一般的ということからEVの普及が進みやすかったという背景がある。しかも、その電力の元は96%再生可能エネルギーである水源からというからさらに驚きました。
他にも北欧はスタートアップ創出の多い国々が多く、それにはFAblaboというアメリカのハッカー文化を起源とするとにかく作って実験してみようという文化も盛んで、IKEAの運営する未来ラボなども紹介されていました。
文化の背景から実際の市民の行動やデジタル化について事細かに書かれており、特に市民巻き込み型の行政のあり方など非常に参考になります。
02 POP URBANISM
これはまた毛色が違う感じなのですが、屋台を中心とした街づくりについて書かれています。写真の事例が豊富でこの町ではこの屋台を中心にどのように都市が発展していったのかという視点でかかれていたのがとてつもなく面白くて読みやすかったです。
単純に海外旅行で市場を回ったような楽しさが溢れる書籍でした。
03 WaaS
ちょっと全体的に堅めの文章で書かれていて、行政の文章のようなところがあるのですが、とても具体的に地方の二次交通の問題の話や、SDGsにまつわるカーボンニュートラルなまちづくりのことや、駅から健康になるまちづくりとは?というどういうこと?というような内容も具体的に書かれています。
まちづくりとはテクニカルな都市OSをインストールするということではなく、スマートシティという言葉に惑わされることなくさまざまな文脈から検討を重ねて実装していくものだというような総括もあり、住民や観光客などのその場にいる人々の居心地の良さの追求というものをより一層していかないとならないなと感じました。
04 カーボンニュートラル 前編
これはそもそも前編というのが、最初は本のことかと思っていたんですが、本ではなく、カーボンニュートラルという活動には前編と後編があるという説をこの本では語られていました。
カーボンニュートラルの前編は基本的には達成できることであり、すべての資源が電力に移行していくべきだと書かれています。カーボンニュートラル後編は前編が完了してから進むものではなく、並行して進んでいくようなものであるとも書かれていました。
特に印象深かったのが、省エネとかいう次元ではもうないということ。
カーボンニュートラルというのは温暖化対策のことではないことという部分です。単純に化石燃料を使わず自然燃料に置き換えていくことによって経済的にコストが下がるという話でした。
大体こういう本の内容のイメージとしては、こうやってカーボンニュートラルにしていこう!という文脈で終わっていることが多い印象でしたが、経済的な部分をメインに据えて書かれていることによって、実現可能性の部分が説得力を持って訴求されていたように思いました。
05 北欧のパブリックスペース
01の北欧のスマートシティを読んだ後に、北欧についてもっと調べてみたくなって購入した本です。
一番いいなあと思ったのが、デンマークのコペンハーゲンには自転車のスーパーハイウェイという概念の道があるという事例でした。日本の都市部では現在自転車道が整備されつつありますが、車道の隅っこに自転車道があるのも自転車に乗る人からしたら危ないという事実です。原動機付き自転車をよく乗っていた時も感じましたが、法定速度の30km/時で走っていると、自動車のスピードと差が大きすぎて大きなトラックなどが横を通る際にはいつも危ないなあと思っていたものです。
このスーパーハイウェイでは常に青信号で20kmの速度で走り続けることができるそうです。まさにハイウェイですね。しかもこの道ができはじめたのは2012年で10年以上も前です。現在では850kmにわたって整備されようとしているところらしく、世界から注目されているとかかれていました。
専用道路があるからこそ、自転車もさまざまなタイプのものがあり、日本では見慣れないような前後にカーゴが付いているものや、基本的に大型なものも多かったように思います。
あと面白いなと思ったのが、事例紹介で出ている写真の市民の方々ががみんな水着で、たまたま水辺の事例が多かったり、写真を撮影した時期が夏なのかなと思っていたところ、日本でも流行りのサウナ文化が昔から根付いていて、ロウリュなどの施設で人々がくつろいでいたりするということで冬の写真もあったようでした笑
まとめ
今回は以上5冊のご紹介でしたが、まちづくりに関わる方、関わらない方でも知識としてお勧めできるすべて面白い本でした。特に行ったことのない国の話が読めるのは実際に体験はできていないものの、事例を知るだけでもとても勉強になります。
それでは良いサービスデザインライフを。
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