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民藝(みんげい)って? #4 ゲテモノの美

「下手物(げてもの)」

ゲテモノといえば、昆虫食などのグロテスクなものを想像します。

漢字で書くと「下手物」。

おおよそ、「下等(かとう)なもの」「外道(げどう)なもの」の2つの意味があるみたいですが、今日では「外道=グロテスク」としての意味合いが強いのかなと思います。

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横浜にある「珍獣屋」という居酒屋で、とにかくヤバい料理が食べられます(閲覧注意)。


下手物、本来は「粗雑な作りの素朴で大衆的な器物」。いわゆる、”どこにでもある安い物”として一般的に使われていました。

それこそが、民藝のルーツなのです。

かなり遠回しになりましたが、「民藝」そのものに触れていきます。


ゲテモノから民藝へ

大正の末ごろ、木喰仏(もくじきぶつ)の研究で全国を旅していた男が3人いました。

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木喰仏、かわいい見た目のものが多いです。

男たちが京都の朝市で、”ゲテモノ”と呼ばれる骨董品をかなり熱心に漁っていたのですが、その頃すでに”ゲテモノ”にグロテスクな意味合いも強くなってきていたので、代わりの言葉が必要だ!となって「民藝」の言葉が生まれたのです。


ゲテモノの美

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京都で骨董品を漁っていた内のひとりに、柳宗悦(やなぎむねよし以降ムネヨシ)という人がいます。この人こそ民藝の生みの親であり、民藝=ムネヨシといっても過言じゃない重要な人。

この人が、「極めて地方的な郷土的な民間的なもの、自然のなかから湧き上がる作為なき製品に、真の美があり法則がある」と言い始めたのです。

すなわち、日常で当たり前に使われているモノにこそ真の美が宿る。ということ。

日本人が昔から持っている、「わびさび」の感覚に近いのかもしれません。


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