見出し画像

韓国のアパートは日本でいうマンション?それとも団地?〜韓国の住宅事情

韓国に訪れると、人々の暮らしの場である高層の共同住宅をあちこちで目にするだろう。日本ではあまり見られない20階以上の建物が立ち並んでいる。これは日本でいうマンションといったところだろうか。

ちなみに「マンション(mansion)」という言葉は、本来は英語では「豪邸」という意味だ。共同住宅を高級なイメージで販売するためにそう呼ばれているだけであって、国際的には通じない。韓国では法的に5階以上の集合住宅を「アパート(アパトゥ)」と呼んでいる。

東部二村洞(高層のアパート街)

韓国に出かけたことがある人はもちろん、飛行機で空港上空を通過していればお分かりかと思うが、こうしたアパートが1棟単体で存在することもあるにはあるが、多くは数棟が一団となって固まり、計画的に建設されている。その点では「団地」であり、アパート団地(아파트단지)という言葉も存在する。

そうしたアパートは民間、公営のものがあり、分譲もあれば、賃貸もある。民間も公営も平均的な物件は形がよく似ており、建物のシルエットでは判断はしにくいが、そのなかには公営の低所得者向けのアパートも含まれる。

アパートは部屋を購入することもできるが、賃貸の場合は家賃は「チョンセ」という韓国独特の支払い方式があり、これは家主にまとまった保証金を預け、家主が運用する仕組みだ。この保証金で賄えない場合は「ウォルセ」という月々の家賃で払う。

アパートの間取りは様々だが、外観で特徴的なのは窓付きのバルコニーだ。冬場は洗濯物が凍るため外に干すことができないこともあるが、窓付きにすることで防寒の役割も果たす。

画像3

富裕層や成功した芸能人が暮らす高級アパートでは内部の間取りはまた異なるが、均一化されたアパートでは部屋の中央部に居間が配置され、それを囲むように各部屋が置かれている。

韓国はこうした「アパート(アパトゥ)」が平均的な住居であり、むしろ一軒家よりも好まれる傾向がある。

ロコタビ運営の「海外ZINE」では韓国の住宅事情に触れる中で、伝統的な床暖房であるオンドルについて触れた。日本家屋、古民家のように「韓屋(한옥、ハノク)」といわれる家があるが、現代住宅にも形を変えてオンドルがある。

https://locotabi.jp/kaigaizine/house-korea  【韓国の家には古今に渡り床暖房、「オンドル」がつなぐ変わらぬ温もり(「海外ZINE」)】

韓国系新聞「統一日報」の連載では書籍「ソウル25区=東京23区』をもとに「ソウルを東京に擬える アパートと団地 違いと変遷」という記事を書いた。

こちらは戦後(韓国では光復後などの語を用いる)の団地・アパート開発という視点で、その違いを明らかにしたものだ。

少々堅苦しく思われるかもしれないが、ソウルを東京を対比して解説し「ソウルの街歩き」という視点を加えた点がこの記事のオリジナルである。

統一日報

また書籍『ソウル25区=東京23区』では、韓国・ソウルの都心部だけではない住宅地域にも触れており、アパート団地、半地下、さらにはスラム街などにも触れている。

ソウル25区=東京23区

ソウルという都市の全体像を把握し、実際にソウルを歩く際にも使えるような読みものとしてのガイドブックで、巻頭カラーでは写真もふんだんに使用している。こちらも併せてご覧いただければ幸いだ。

書籍『ソウル25区=東京23区』
https://www.amazon.co.jp/dp/4908468478 (Amazon)
https://books.rakuten.co.jp/rb/16592722/(楽天ブックス)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?