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のらカレー屋にカレー作れる?(5)のらねこ、カレーの材料が分からない

問題です!!
“これから出てくる料理を全てカレーにしろ” という課題が出たとします。
あなたの手元にあるのはカレー粉だけ。
これをとにかく全部の料理に入れまくったら、全部の料理がカレーになったと言えるでしょうか?

当然ですがノーですね。
出てきた料理が例えばお好み焼きだったら、どれだけカレー粉を入れてもカレーには変化しません。
それはどこまでいっても カレー味のお好み焼き であって、決してカレーではないのです。
飛んでも豚が豚であるようにね。

単にカレー味にすればカレーになるわけじゃないとしたら、他に何と何の条件を満たせばカレーと呼べるようになるのでしょうか。
カレーがカレーたる所以はいったい何で、そして最強カレーのゴールはどこなのでしょう?

皆さんこんにちは。
もしくは初めましての方、この記事を見つけてくださりありがとうございます。

僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。

毎日を楽しく生きていたいのになぜか楽しめない、人生なんでもツラいことばかり。そんな人達の暮らしがどこまで行っても好転しないのは、目標管理ができていないからです。
この のらねこに何ができる? では、目標管理さえできていれば世の中スーパーハッピーに何でも巧くいくということを証明すべく、僕自身が今まで取り組んできた様々なことをなるだけ面白く執筆しております。

現在は “のらカレー屋にカレー作れる?” と題し、僕が考えた最強カレーを作るべく、レシピ制作を行っています。

全体の執筆計画はこちら:
1. 美味しいカレーってどんなカレー?
2. カレーにはどんなスパイスを使うの?
3. あてずっぽうで作ってみる
4. 味覚において“辛さ”って大事なの?
5. スパイス以外で大事なものは?(今回)
6. 理論上で理想のカレーを設計する
7. 理論だけでは足りない部分を探す

過去のバックナンバーはこちらからどうぞ)。

1. カレーとカレー粉の違い

当たり前ですが、出来上がった完成品のカレーと、材料の状態のカレー粉は全然違いますよね。
カレーはそのまま食べられるものですが、カレー粉は食べられません。
粉なんて食べたら、メッチャむせてげほげほ咳して、部屋中カレー粉だらけになってしまいます。

であるとすれば、カレーとカレー粉の何が違うのか。
その違いの部分が、カレー粉以外でカレーに入れるべき材料です。

一般にカレーに使うことが多いスパイス類を調べていると、“酸味” を司るスパイスがやけに多いことに気づきます。
クミン、ターメリック、クローブ、カルダモン、フェンネルなどなどなど。
主要なスパイスの大部分は酸っぱい匂いがするんです。

それから、単体で食べてもただ苦いだけのスパイスや、鼻抜け感ばかり強いスパイスなんてのもあります。
コリアンダーなど甘味系のスパイスもあるにはありますが、カレースパイスそれ自体には甘味はほとんどありません。
あと塩味も旨味も当然ないです。

つまりカレー粉とは、物凄く大雑把にいえば “料理に酸味・苦味・鼻抜け感を加える粉” と言えるわけですね。

ですが料理は 酸味・苦味・鼻抜け感 の3つで完結するわけではありません。
それ以外にも、旨味・塩味・甘味・辛味・コク・のどごし といった味覚があります。

そしてそれらの味覚はカレー粉のみではほとんど再現できず、スパイス以外の材料が司っています。
なおかつ、それらがきちんと全部そろっていなければ、食べた人はカレーだとは認識してくれません。

つまり、カレーはカレー粉を入れれば何でもカレーになるわけじゃないんです。
だとするとカレーっぽさを司る食材で、とりわけ重要なのはなんでしょうね?

2. カレー粉だけでは再現できない味覚

カレー粉を入れただけでは出てこない味。
主に 旨味・塩味・甘味・辛味 の4種です。
これらを、カレー粉以外から巧く引き出すことが、カレー作りでは重要になります。

1. 旨味

旨味とは、この世の栄養素の中で唯一 グルタミン酸 のみが出す味です。
グルタミン酸を特異に美味しいと感じる味蕾細胞のことを、旨味細胞といいます。

旨味を出す食材ならグルタミン酸以外にも絶対あんだろと思って調べたけど、どうもホントにないっぽいです。
今回はこの味を出すためにインスタントの素を使います。

2. 塩味

こちらも数ある栄養素の中で、唯一 塩化ナトリウム のみが発生させる味覚です。
なので塩味を司る食材は、食塩 または 食塩を含む食品 のどちらかしか存在しません。

かつて中国にあった 商 という国で発見されるまで、人類は食品に元から含まれる塩分のみで健康を維持していました。
だから人類は、ごくわずかな塩分で十分に健康的に生きられるように進化したし、貴重だったこそ美味しいと感じるのです。

商の国の人々という意味の “商人” という言葉が現在でも一般的に使われているところを見ても、料理史において塩の発見がどれだけ重要なターニングポイントになったかが分かろうというものですね。

3. 甘味

それから甘味を司る物質もまた、1種類しかありません。
甘味とは、世界で唯一 グルコース からのみ感じる味覚です。
ただしグルコースそのものは数多くの亜種があるため、甘味を司る栄養素それ自体は数が多いです。

また最近ではグルコースに由来しない代替甘味料なんてものもあって、個人的にはその発明は塩の発見に次ぐレベルの大きな成果だと思います。

4. 辛味

辛味は味蕾細胞に由来する味覚ではないため、辛味を発生させる物質はたくさんあります。
クラゲの神経毒なんかは、食べたらおそらく物凄く辛いでしょうね。
でも日々の料理に安全に使える辛味成分は少数です。

一般にはカプサイシンがもっとも多く用いられ、日本では他にアリルイソチオシアネート(からしの辛味)なんかも使われますが、辛味成分そのものはそんなに莫大な種類はありません。

ちなみに、チリペッパーは本来はスパイスの一種という扱いですが、今回に限りスパイスに含めないものとします。
なぜなら、前回 すでに適切な分量を調べているからです。
今回もその分量に従って調整します。

3. 試作

はい、てなわけで今回は、旨味・塩味・甘味・辛味 の4要素を満たす料理を作ることによって、“カレー抜きカレー” を作ってみようと思いますっ!
ちょっとナニ言ってるか分からないと思うけど、自分でもナニ言ってるんだか分かりません!!😏

イメージとしては、あとはカレースパイスを入れればカレーになるはずの料理、といった感じかな。

カレー粉のないカレー

材料(4人前):
- 豚こま肉 400g
- カレー用の野菜セット1袋
- 水 800cc

【調味料】
- 旨味: 鶏がらスープの素 小さじ1
- 塩味: 塩 8つまみ
- 甘味: 砂糖 。。。?
- 辛味: チリペッパー 小さじ1

。。。ところでふと思った。
砂糖はどれくらい入れたらいいんじゃろね?
上記の材料であれば、塩の代わりに醤油を使うか、または砂糖の代わりに味醂を使えば美味しくはなるでしょう。

でも今回はあくまで “カレー粉が足りないだけのカレー” なので、和食材は使えません。
もちろん使っても全然いいんだけど、僕のイメージ的に目指す方向性が和風カレーじゃないので、できれば使いたくありません。

なので今回は醤油も味醂も(あとソースも)使わず、あくまで素の砂糖のみで甘味を出すことにこだわってみることにします。

えーと、、、そしたら、普段作る 肉じゃが くらいの甘さを基準にしようかな。
肉じゃが は醤油と味醂で味を付けますが、このときの甘味の強さを計算で割り出します。

まず醤油は、だいたいザックリ小さじ1杯で塩1つまみ(0.8g)の塩分量。
と同時に、塩分の80%相当量くらいの糖分が含まれています。
ここでは仮に 醤油小さじ1杯につき 0.6g の砂糖が入っているものと仮定します。

で、僕の場合、肉じゃが には醤油と同量の味醂を入れるのが定番です。
冷蔵庫を開けて味醂のパッケージを見ると、炭水化物 15ml あたり 7.5g と表記されています。
炭水化物ってのが多分グルコースでしょう。
なので、味醂は小さじ1杯あたり 2.5g の糖分ってことになる。

わお。味醂ってかなり甘いんだね。

そんで、僕が料理を作るときの塩分量は、和洋中どんなレシピでも常に必ず 1人前につき2つまみ です。
つまり醤油だと 1人前につき 10cc ってことになり、同量の味醂と合わせると合計 6.2g が、僕のいつもの 肉じゃが の糖分量です。

はい、そういうわけで 1人前につき小さじ1強 の砂糖を加えます。
レシピは4人前なので 大さじ1+2/3 です。
ま、だいたいざっくり 大さじ山盛り1 でええやろ。

んで、作り方もいつものカレーの作り方でやります。

【作り方】
1. 鍋に大さじ1の油を入れ、肉を炒める
2. 肉に火が通ったら野菜セット・水・調味料を全て入れる
3. 10分煮込む
4. ほい、できた。

4. 実食

そんで出来上がった謎料理がこちら。

カレー抜きカレー大盛り

味の方はね。。。

。。。うん、まぁ、美味しい。
砂糖の量をちゃんと計算したせいか甘味もちょうどいいし、辛味とのケンカもない。

ただ。。。
なんか、なんか、なんか足りない!!!
ああああああ、無性にカレー粉入れてぇ!!
特徴と呼べる特徴があまりに何もなさ過ぎて、味はちゃんとあるのに印象は “味のない煮物”!
でも決してマズいわけじゃないのよ!
こいつ、すっげぇモヤるわぁ~~😩

まぁ、カレー抜きカレーという謎の食い物を作ろうとしたわけだから、結果的に謎の食い物を作ろうとして謎の食い物が出来たんだったらそれは大成功といえるでしょうっ!!😓

。。。。。。。。。。あ。
いや、小麦粉とバター入れるの忘れてたね。
今回はスパイス抜きカレーってテーマなんだから、スパイスでない材料である小麦粉とバターは入れないといけなかったはず。
フルスイングで忘却してた。。。
まぁ、それくらいはいっか。

ともあれ、とりあえずこれをベースにカレーを作っていこうと思います。
てなわけで来週はいよいよ、僕の考えた最強のカレースパイスの設計に入りますよ!

今回のカレー作りでは、カレースパイスの設計も計算でやります。
そう何度も何度も試作と試食を繰り返すことできない(し、やりたくない)からね。

ほら、日本酒で獺祭ってお酒あるじゃん?
あれって製造ラインを徹底的にコンピューター管理した、理論上最強の日本酒っていう、そういうコンセプトのお酒なのよ。

それと同じイメージで、徹底的に数学的に考えた理論上最強のマイ・スパイスブレンドを作ってみようと思います!

ではでは、また来週っっっ!

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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