のらカレー屋にカレー作れる?(6)のらねこ、最高のカレースパイスが作りたい!
一般には、カレースパイスのブレンドは、料理づくりの中でも最高難度のものとされています。
そんなことを趣味でやっている男は、めちゃくちゃこだわりの強いメンドクサイ男だ、なんて話もあるらしく。。。
だとすると、そんなにたくさんの試行錯誤を重ねているわけでも、性格的にそんなにこだわりとかない僕には、カレースパイスのブレンドは不可能なのでしょうか。
いや、そんなことはないはず!
今回は、それなりの料理経験しかない人でもできる、自分に納得しやすいスパイスの作り方を研究してみようと思います。
いつも記事を読んでくださる方、または初めて見つけてくださった方、ありがとうございます。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。
何をすれば人生が好転するのか全く予想もつかない、長年苦しんでいるのに全然報われない。そんな世知辛い人生をずっと送っている方々にとって足りないのは、ただ唯一 “目標管理スキル” です。
目標管理スキルさえあれば人生どうにでも好転するんです。
それが正しいことを証明すべく、この のらねこに何ができる? では僕自身が計画を立てて取り組んできた様々なことを、なるだけ面白く書いて連載形式でお送りする趣旨となっております。
現在は “のらカレー屋にカレー作れる?” と題し、僕が考えた最強カレーを作るべく、レシピ制作を行っています。
さてさて。
そこそこ時間を要したカレー作りですが、まさに正念場 “スパイスブレンド” です。
このカレーシリーズが上手くいくかどうかは、全て今回にかかっているといっても過言ではないでしょう。
んじゃ、やりましょっか!
1. 目標を思い出す
では、スパイスのブレンドを行うために、第1回 で設定した目標を思い出してみます。
題材としては “そもそも美味しいとは何か” という内容でした。
その中で僕は、料理には 甘味・旨味・酸味・塩味・苦味・辛味・コク・のどごし・鼻抜け感 という9つの味覚(=パラメーター)があって、そしてこのパラメーターを全て均一にすることを今回の目標にすると設定しました。
前回以前の研究により、上記の9パラメーターのうち 甘味・旨味・塩味・辛味 の4種類についてはすでに適量が判明しています。
それから コク・のどごし の2つは、それぞれ バター・小麦粉 が担当しますので難しいことはないでしょう。
なので残りは3種類。
カレースパイスとしては 酸味・苦味・鼻抜け感 の3つのパラメーターを調整すればいいことになります。
2. 現時点で使えるスパイスを整理する
第2回 で あてずっぽうでカレー を作ったときは、僕の手元にはいくつかのスパイスがあって、そいつらぜ~んぶ単純に同量ずつ混ぜてカレーを作りました。
実はね、あれからカレースパイス屋さんを新たに発見したんです。
千葉と江戸川区の境目あたりにあるヒラマートって小さなお店なんだけど、経営者も店番もインド人、常連さんもインド人という、なかなか同の言った本格インド屋さんです。
そちらのお店でありったけ物色した結果、手元にあるスパイスは全部で以下となりました。
コリアンダー・クミン・カルダモン・シナモン・クローブ・スターアニス・ジンジャー・ブラックペッパー・マスタードシード・イエローマスタード・アジュワンシード・カレーリーフ・フェヌグリークリーフ・フェヌグリークシード・メイスリーフ・ブラウンカルダモン・キャラウェイシード・フェンネル・アムチュール
えーと、何種類?
いち、にぃ、さん、、、、、、、、いっぱい!
全部で19種類いえい♪
つっても、ぶっちゃけ店にあったヤツ手当たり次第に買ってきただけなんですけどね。
正直初めて見るし、名前も味も分かんないの結構あるんですよねぇ。
本来であれば、これらのスパイスをしっかり使いこなして体で味を覚えないといけないのでしょうけど、僕に残された時間はそんなに長くありません。
そんな悠長なことをしていたら、まず間違いなく、カレーの完成を前にして飽きてしまうでしょう!
そこで今回は、スパイスの味を1つ1つ点数化し、表計算ソフトで設計してみようと思います。
これは、AIが自動でレシピを作成するときと同じ方法です。
AIの中には最高のレシピを自動で作ってくれるものもありますが、当然ながらコンピューターには舌も脳も食欲もないわけで、試作や試食はできません。
だったどうやってるのかというと、全ての材料について味覚パラメーターを調べて、みんなが美味しいと思う組み合わせを統計的に探しているのです。
ゆえに味覚AIは、文章作成やお絵描きなどの高度AIと比べると、ややシンプルな構造です。
持っているスパイスそれぞれの味覚パラメーターが分かれば、それを組み合わせたときの味も足し算で計算することができるってワケ。
今回の目標はあくまで味覚パラメーターを均一にすることだから、数値の調整も難しくないでしょう。
スパイスを実際に食べて、酸味・苦味・鼻抜け感 の3種類について5点満点で強さを入力していきます。
ただし各スパイスはこの3種類以外の味も強いことがあるので、それもメモしていきます。
1. コリアンダー
酸味: 0 苦味: 1 鼻抜け感: 0 甘味: 1
割とどこのスーパーに行っても売り切れてるイメージのあるコリアンダーですが、これはパクチーの実を粉末にしたものです。
味自体はほとんどなく、ほんのりした甘味を感じる程度ですが、あとからわずかに苦味も感じます。
2. クミン
酸味: 2 苦味: 4 鼻抜け感: 2 甘味: 1 香り: 3
カレーの味のほぼ中心となるスパイスで、それ自体はオッサンのような匂いがします。
匂いというか、臭いというか。どっちかな。微妙。
ただしほのかに甘味もあり、そのまま食べてもさほど不快感はありませんでした。
3. カルダモン
酸味: 3 苦味: 2 鼻抜け感: 5 香り: 5
袋を開けた瞬間に強い鼻抜け感を感じるスパイス。
食べると、最初のうちは酸味を感じるのですが、噛んでいるうちに徐々に苦味に変わってきます。
4. シナモン
酸味: 2 苦味: 1 鼻抜け感: 5 甘味: 5 辛味: 4 香り: 4
毎度おなじみ、お菓子とかに使われるヤツ。
香りも強く、食べた瞬間に強い甘みを感じます。
また、直後にわずかに遅れて辛味も来ます。
木の幹なので硬くて食べにくいですが、味自体は美味しい植物です。
5. クローブ
酸味: 3 苦味: 5 鼻抜け感: 4 香り: 5
永谷園の梅茶漬けの匂いのするスパイス。
てか梅茶漬けに入ってますよね、これ。
ただし味自体は強い苦味があり、あんましそのまま食うもんじゃねぇ感じはします。
6. スターアニス
酸味: 1 苦味: 2 鼻抜け感: 3 香り: 2
独特の “中華料理っぽい” 匂いのするスパイス。
ちょっと高級な角煮なんかに使われている、香りの素です。
なお、実自体は単体では食べられません。
(シナモン以上に硬くて噛めません)
7. ジンジャー
酸味: 1 苦味: 3 鼻抜け感: 5 香り: 3
生姜。ただの生姜。
僕は生ではなく、パウダーをよく使います。(便利だから)
袋を開けた瞬間にむせるような匂いがするので、あんましそのまま口には入れたくなかったんだけど、頑張って食べました。
和食では臭み取りによく使われる調味料ですが、味自体はそこそこ苦いです。
8. ブラックペッパー
酸味:2 苦味: 1 鼻抜け感: 4 辛味: 3
まぁ、ようするに胡椒。
おなじみなので写真はありません。
メチャクチャ辛いイメージありますが、単体での辛味は思ったほどではありませんでした。
あとからくる感じ。
それよりは、鼻抜け感の方がより強く感じます。
マスタードシード
酸味: 1 苦味: 4 鼻抜け感: 5 辛味: 1
多分だけど、粒マスタードの材料なのかな? これ。
食べた瞬間はほぼ無味無臭なんだけど、徐々に強い苦味と、それからわずかながら酸味を感じます。
で、しばらくすると鼻抜けを感じて、それが割と長く続く感じです。
辛味も少しあるけど、多少。
9. イエローマスタード
酸味: 1 苦味: 1 鼻抜け感: 2 甘味: 2 辛味: 1
単純に普通のマスタードの色違いかと思ったけど、全然味が違う。
苦味はほとんどなく、食べてると多少ではあるけど甘味を感じる。
ただし鼻抜け感の長さは普通のマスタードと同じで、口の中が徐々に苦くなっていく感じ。
10. アジュワンシード
酸味: 2 苦味: 5 鼻抜け感: 5 辛味: 1
ぐわ!
すさまじく強い鼻抜けと苦味!!!
こりゃ生でそのまま食うもんじゃねぇわ!
なんかね、メントスの甘味のないヤツを一気にガッと食った感じ。
最強カレーのためとはいえ、こんなん食わなあかんのケッコーツラい。
11. カレーリーフ
酸味: 1 苦味: 4 鼻抜け感: 2
このカレーリーフってヤツは、名前だけは以前から聞いたことがあって、存在は知っていたんです。
名前からしてカレーの匂いがするんだろうなと思ってたんですが、食べてみたら全然そんなことはありませんでした。
なんかね、、、、臭い!😩
埼玉県民が日常的に食っているともっぱら噂の、そこらへんの草!
そんで食べてるとちょっとスーッとする。
そんで月賦も臭くなる。
こいつをカレーに入れたら美味しくなるって最初に気づいたヤツ、絶対そういう種類のヘンタイなんじゃないかな。
12. フェヌグリークリーフ
酸味: 0 苦味: 1 鼻抜け感: 3 甘味: 1 香り: 4
このフェヌグリークは、袋を開けた瞬間に「あっ」ってなった。
キンモクセイとお茶を足して2で割ったような匂い。
味もほぼ匂い通りで、わりと爽やかな感じ。
ごくわずかながら甘味も感じて、スパイス単体としてはそこそこ美味しい方。
ただしそのままお茶として飲もうと思えるほどではなく、わずかに苦味もある。
(なお、鼻がバカになってきたのでここいらで一時執筆中断)
13. フェヌグリークシード
酸味: 0 苦味: 2 鼻抜け感: 2
執筆再開。
フェヌグリークリーフが結構いい匂いだったので、その種も期待してたんだけど、全然違う。
特有の匂いはするものの、その方向性が全然違う。
なにより、、、硬い! 石食ってるみてぇ! これ、煮込んだらちゃんと柔らかくなるんかいな。
食べた瞬間は無味無臭で、あとから苦味がくる感じ。
14. メイスリーフ
酸味: 2 苦味: 1 鼻抜け感: 3 香り: 5
メイ・スリーフじゃなくてメイス・リーフね。
袋を開けた瞬間、チューインガムみたいないい匂いがフワッとくる感じ。
味はね。。。
食用石鹸というかなんというか、もし食べられる石鹸なんてものがあればこんな味なのかなーって印象。
決して悪くはないし、匂いは凄くいい。
15. ブラウンカルダモン
酸味: 2 苦味: 1 鼻抜け感: 1 香り: 3
色違いのカルダモンって感じで、匂いも少し弱いけどほぼカルダモンと同じ。
でも味は割と違う感じ。
本家カルダモンを改めて食べなおしてみたけど、ブラウンカルダモンは色んな意味で本家の下位互換って感じ。
16. キャラウェイシード
酸味: 1 苦味: 3 鼻抜け感: 3 甘味: 1 香り: 2
キャラウェ~~~イ♪
西城秀樹の歌のタイトルに出てきそうな名前だけど、味はそんなに甘くなかった。
あとからくる苦味が結構強め。
ただ、香り自体はフローラルで落ち着く感じ。
17. フェンネル
酸味: 2 苦味: 1 鼻抜け感: 2 甘味: 2
フェンネルはね。実はけっこう食べ慣れてる。
強い香りと噛んでると出てくる甘味が特徴。
苦味もあるけどわずか。
インドカレー屋によく行く人なら分かると思うんだけど、レジ横に口直し用の砂糖菓子が置いてあるじゃん?
あれはフェンネルに砂糖を入れたものです。(店によっては砂糖なしのものもあります)
一時期あれのマイブームが来てさ、自室の机の上に置いてめっちゃバクバク食いまくってたのね。
そしたら腹下しました。。。。
18. アムチュール
酸味: 5 苦味: 0 鼻抜け感: 2 甘味: 2
ちゅ~る ちゅ~る アムちゅ~る~♪
ちゃおチュールじゃないよ、アムチュールだよ~♪
最後はアムチュールっちゅースパイス。
日本でいうマンゴーパウダーのことです。
ただし、フレッシュなマンゴーをそのまま食べるような甘さはなく、割と酸っぱい感じ。
もちろん甘味もそれなりには強いけど、シゲキックスのような酸味の方が先立ちます。
あと歯にめっちゃくっつく。
3. スパイスの設計
はい。
長かったけど、これで全てのスパイスの味が分かりました。
てなわけでこいつらを組み合わせます。
つってもね、色んな組み合わせを色々試す時間も気力もないので、表計算ソフトで最適な数値をちゃっちゃと割り出しましょう。
まず、全てのスパイスを全部5gずつ均等に調合すると、各味覚のポイントは以下の表のようになります。
で、今回のカレーはパラメーターを全て均一にすることを目標にしていますから、それぞれのスパイスのグラム数を調整することで “ポイント計” が全部同じになるように調整してみます。
とりあえず 酸味・苦味・鼻抜け感・香り の4種類は全部100ポイントとしてみましょう。
ただし 甘味・辛味 の3つは他の調味料からも出る味なので、少なめにそれぞれ 60・30 を目標にします。
で、10分くらい試行錯誤して、調整してみた結果がこちら ↓
鼻抜け感の強いスパイスが多いため、数値を完全に均等にするのはさすがにかなり難しい。
でもま、がんばった結果だし、まぁええんちゃうかな。
。。。はい!
これで完成です!
今回は試食もなし! 終わり!
てなわけで、来週はいよいよこいつをリアルなカレーにしていきますよ!!
美味しくできるかなー?
できるといーなー。
てなわけで、また来週でっす!!
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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TOMCAT HEART / 目標管理アプリ Project Sylphius
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