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のらカレー屋にカレー作れる?(2)のらねこ、カレースパイスの基本が分からない

カレースパイスを自分でブレンドしてみたい――。
料理を作る人であれば、だいたい1度は考えるんじゃないでしょうか。
でも実際に作ろうとすると、何十種類ものブレンドが必要だと分かり、作る前からゲンナリしてしまいがちですよね。

でもあきらめるの、ちょっと待ってください!
ホントにカレーのブレンドってそんなに手間がかかるモン?
家庭料理レベルでよければ、もっと簡単になったりしないの?

今回はカレーと呼べるギリギリラインの、いちっばん簡単なスパイスブレンドはどこなのか。
本当にそんなに大変なのか。
それを探っていきます。

いつも読んでくださる皆さん、こんにちは。
または初めて見つけてくださった方、ありがとうございます。
僕は目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営をしております、TOMCAT HEART の中島といいます。

この のらねこに何ができる? では、生きる意味があるようでない、がんばればがんばるほど人生が空回りしていく。そんな人達に、目標管理を覚えればいろんなことが好転するよってことを知っていただくため、僕自身が目標をたてて叶えてきた様々なことを、なるだけ面白く紹介していく主旨となっております。

現在は “のらカレー屋にカレー作れる?” を連載中です。
一般に、料理の中では最高難度の1つと思われがちなカレーのスパイスブレンドについて、正しい手順を探り、本当の意味で最高に自分好みを見つける方法を考察していく内容です。

全体の執筆計画:
1. 美味しいカレーってどんなカレー?
2. カレーにはどんなスパイスを使うの?(今回)
3. あてずっぽうで作ってみる
4. 味覚において“辛さ”って大事なの?
5. スパイス以外で大事なものは?
6. 理論上で理想のカレーを設計する
7. 理論だけでは足りない部分を探す

なお過去のバックナンバーはこちらからどうぞ。

一般に、カレールーは数十種類のスパイスブレンドが必要で、非常に難易度が高いといわれています。
商品によっては、ブレンドしたスパイス数の多さを売りにすることもあるくらいで、お金も時間もかかると思われてます。

ですが、だったとしても “人がカレーっぽいと認識できる及第点ライン” は、もっと低いはずなのです。
なぜなら、インドではカレーのブレンドが各家庭で行われている事実があるからです。

インド人がみんな当たり前にやっていることが、日本人にはできないとか、そんなのありえるわけありません。

1. 複数の基本ブレンドを比較する

カレーとして成立するギリギリラインを探るために、世の中のスパイスブレンドの共通点を見てみます。

1. Oneスパイスからはじめる超本格スパイスカレー

(技術評論社 / 井上岳久 著)

まずはこちらの本。
使っているレシピは(当然ながら)ページによって様々で、使われているスパイスもバラバラです。
ですが、よく見ると全てのページに共通して登場するスパイスというのがあるようです。

  • ターメリック

  • チリペッパー

  • クミン

  • コリアンダー

僕が読んだかぎりだと、この4つが大部分のレシピに登場します。
つまり著者の井上さんは、これらを基本スパイスと捉えてるってことです。

2. スパイスカレーを作る


(パイ インターナショナル / 水野仁輔 著)

こちらの本は、親切にも 最低限のブレンド を最初のページの方に載せてくれています。
“ミニマルチキンカレー” というレシピがあるんです。
ミニマルというからには、おそらくこれが最低限のブレンドということなんでしょう。

著作物なのでページ全部をここに載せることはできませんが、そのレシピに登場するスパイスは以下です。

  • ターメリック

  • クミン

  • パプリカパウダー

  • コリアンダー

  • ローズマリー


3. 大津屋カレーパウダーの原材料名欄

それからこちらは、楽天市場などでカレースパイスを販売しているお店の商品。

原材料名欄の表記はこんな感じ。

  • コリアンダー

  • ターメリック

  • チリペッパー

  • フェネグリーク

  • その他(詳細は不明)

4. 標準的な(?)ガラムマサラ

ガラムマサラは、ヒンディー語で 加熱調理用のプリブレンド粉 といった意味合いの言葉です。
メーカーや作り手によって様々なブレンドがあって、標準規格というのはありません。
ですが手持ちの本などの情報を比較したところ、以下が割とメジャーな感じでした。

  • チリペッパー

  • クミン

  • コリアンダー

  • ブラックペッパー

  • フェンネル

  • シナモン

  • ローリエ

  1. 共通点を抜き出す

これら4つのブレンドレシピから共通点を抜き出すと、常に必ず入っているスパイスは以下だと分かります。

  • チリペッパー
    言わずと知れた、辛いヤツ。

  • クミン
    カレー屋のおっちゃんの臭いがします。
    火を通すとカレー屋のプロ職人の臭いに変わる不思議なスパイスです。

  • コリアンダー
    爽やかというか、軽やかというか、ふんわりとした典型的なハーブっぽい香りのするスパイスです。
    味はほんのり甘い感じで、それ自体に強烈さはありませんが、スパイスの角を消して高級感を出す役目を果たします。
    通常、クミンの3~4倍を基準に入れるのが一般的な様子です。

僕の予想が正しければ、この3つのスパイスのみでカレーを作ると、いかにも素人なギリギリカレーになるはずなんです。

2. 試す

では、本当にそういう味になるのか、実際に試してみましょう。
今回は上記のギリギリブレンドを使い、チャーハンを作ってみることにします。

初心者ブレンドのギリギリカレーチャーハン

材料(4人前):
- 米 2合(あらかじめ炊いておく)
- 卵 3個
- サラダ油 大さじ2
- 晩酌の残りのブロックベーコン 200g
- たまたまあった冷凍ほうれん草 ひとつかみ

【調味料】
- 鶏がらスープの素 小さじ2
- 塩 8つまみ

【カレースパイス】
- チリパウダー 小さじ1/2
- クミン 小さじ1
- コリアンダー 大さじ1

チャーハンとしては、他にも花椒か五香粉でも入れた方が美味しいのでしょう。
でも今回はあくまで実験ですので、スパイス以外の調味料はあえてスープの素と塩だけとします。

それから塩の量ですが、料理の種類に関わらず1人前あたり2つまみがいつもの僕のやり方です。
僕は和洋中でも汁物・炒め物、どんな料理でも塩はこの分量です。

濃い味好みの人は、1人あたり4つまみくらいまでなら増やしてもいいと思います。
(でもそれ以上増やすとWHOの推奨塩分量を超えちゃうから注意してくださいね)

作り方は、僕のいつものやり方をベースにしています。
(リンクはいつだったか僕が Cookpad に載せたもの)

【作り方】
1. 卵の白身が見えなくなるまで、丁寧に丁寧に丁寧に混ぜておく。
2. 調味料とスパイスを、層を作るようにキチンと合わせ、こぼさないよう台所の隅にそっとそぉっと置いておく。
3. フライパンに全部ぶちこんで炒めろ。
4. いじょ。

はい、おわり。

3. 実食

出来上がったものがこちらになります。

結論をいうと、カレーっぽくはちゃんとなったんですが、かなりギリギリな味でした。
一緒に食べた妻も「カレーとしては中途半端じゃない?」という評価でしたね。
でも作ってる最中に子供達から「なんかカレーの匂いがする」という声は上がったので、カレーとしての体裁は保てていたみたいです。

つまり完全に思った通りってことです!(やっほーい)

これで、チリパウダー・クミン・コリアンダーの3つがカレーの最低限ブレンドだと確認できました。
てなわけで次回は、これをベースにもっと美味しいカレーのブレンドを研究していこうとオモイマスるるるるる。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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