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不倫の恋 寂しい恋に慣れた頃

寂しい恋はいつかは終わる
未知さんは、付き合っていた男性の裏切りにあい、関東に出て来た。

姉の所に身を寄せて、仕事を探し、最初の職場で若き専務の二郎さんに出会った。

それから、深い関係に入った。妻子ある二郎さんは、未知さんと、週に一度しか会えない。
以前、男性の裏切りにあっていた未知さんは、結婚をあまり意識しなくなっていた。
一人で賃貸マンションに越して、彼の訪れを待った。職場では知らん顔して通した。

感情の赴くままに、付き合って10年の歳月が流れた。その間に、未知さんは8回妊娠した。
野球チームでも作れそうな哀しい数だ。妊娠した子は、下ろしたり、流れてしまったり、、。
もう、身体はぼろぼろ、だと思う。

二郎さんは一度も、「離婚する」とか「一緒になろう」と言ってくれたことがない。
それでも、未知さんは二郎さんが好きだし、離れたくなかったから我慢した。
「結婚して欲しい」、とか、「奥さんと離婚して欲しい」、とか未知さんから言ったら、「別れよう」と
言われるかも知れない。それが怖い。

正月が来た。二郎さんは家族とハワイに行っている。パソコンにも飽きて、近くの神社にお参りに行く気持になった。
(拝んでも良いことなんかどうせ無い。むしろ、今のままで平穏かも知れない)と思う未知さん
だった。
寂しくないわけないじゃないか!!哀しくないわけないじゃない!!でも、二郎さんを独占する願いは通じない。責めれば別れを言われるかも知れない。それなら、我慢、我慢だ。
そして、今が一番、幸せと思うことだ。

未知さんは参拝する人が賽銭箱の前に、何人かいたので、とりあえず、「神さま。幸せになりたい」
と拝む事にして、100円玉を後から投げた。ポンと、誰かの背中に当たった。

振り返った男性は、
怒りもせず、拾って賽銭箱に入れてくれた。とりあえず、その男性を経て(仲介に)、(神様。幸せになりたい)
という祈りは届いたようだ。

そう、ここまで読んでお解かりですね。その男性は、未知さんのマンションの同じ階の住人だった。
一月から職場のセクションが変わり、東京に戻って来たのです。

彼と未知さんは再び、マンションの廊下で顔を合わせ、恋人はいない、という彼と、お互い一人ぼっちの
正月を慰めあい?なぜか、運命を感じた二人は次第に深い中になって行った。

一ヵ月後には、不倫の二郎さんと別れて、会社も辞めた。

やさしく思いやりのある恋人を得て、未知さんは、やっと結婚にゴールイン。ちょっと身体のこと、
心配したけど、妊娠はだいじょうぶ、出来るようですよ。

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