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正欲 朝井リョウ ー読む前の自分には戻れない とは一体どういうことか。

#正欲 #朝井リョウ#新潮文庫

読みました、、、
ついに!!
ずーーっと気になっていた本作。
文庫版が出ると聞いて速攻で買ったものの、日々の忙しさによりしばらく積読してました。

先日コロナに罹患したため予定外の休日をいただきまして、、
一気に読みました。。

やっぱり!
噂通りの傑作でした。

内容が、とか、共感した、面白かった、
というより、
シンプルに小説としての完成度というか、
読み応えが秀逸!!!!
素人な私が言うのもなんですけど、
小説を読んだあとの、
心臓がばくばくして震える感じ。
この読後感を味わえる作品に出会えたときの興奮がすごい。
この作品の言葉を借りるなら、
これが、正欲?となるのかな、とか思ったりも、今、しています。
むむむずかしい。

帯に書いてある、

読む前の自分には戻れない


という言葉。
ずっと、どう言う意味なのか気になってました。
ああ、こういうことか、と。

何を書いてもネタバレになる気もするので
わたしのいま、読後の勢いのまま思ったことをつらつら書きます。

物語の前半では分からなかった展開。
少しずつ明らかになっていく、
正欲。

理解し難いけど、
いま、世の中はひたすらに
LGPTQ+、や、多様性、と言う言葉に支配されている。
でも、そもそも、多様性、ってLGPTQ+に当てはまることだけなの?
っていう疑問を誰も訴えず、
世界はLGPTQ+さえ擁護していければ良いという風潮になっている。
LGPTQ+を理解しよう、多様性の社会だから、と容易に言っているけど、
それがそもそも多様性の考えではないかもしれないこと、それ以外の価値観を排除してしまっている可能性があること、
それによって生きづらさを感じてしまう可能性がある人がいること、
そこまでは確かに及んでいないと気づく。

本当の多様性とは?
そこまでいくとちょーーー難しい価値観の話になるし、
そこを切り口として小説を書き納めた朝井リョウ、恐るべし。

伊坂幸太郎の逆ソクラテスという作品を読んで、
敵は先入観!
って思い続けてきたけど、
その考えをして生きていくって
対象が無限すぎてここにもあったか!
先入観を抱いていたことは!
ともういっぱいいっぱいになります。

世間では今、
自分とは違う性対象の人に対しての風当たりがすごい強いな、と思う。

最近起きた事件が2件ほど頭をかすめたけど、
(○ちぇる、猿○助の事件)
どれだけ人間が自分と同じ岸にはいない人に対して、風当たりを大きくしたがるのか、
当事者目線で感じた。
その人たちがどれだけ死と格闘しているのかも。
だから、

「この世界で生きていくために、手を組みませんか」


という帯に書いてある文章、言葉、が出てきたんだと思う。

自分が、良かれと思った一言が傷つけることもある、
もう、何を発して良いのか悩むな〜、、
多様性、って難しい。
理解した気になってはいけない、
容易に使ってはいけない言葉だな〜、、。

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