見出し画像

#6 IT業務改善と新規システムの企画推進

1.はじめに

情シスのお仕事紹介シリーズも今回が最終回になります。今まで紹介した情シスの主な業務の振り返りから入ります。

  1. 社内システムの運用・保守

  2. パソコンやネットワークの維持管理

  3. 問い合わせ対応(ヘルプデスク)

  4. セキュリティ対策

どれも重要な仕事ですが、最初に触れた通り、これらの業務は「動いて当たり前」「動かない時は全力でトラブル解消」と言うなかなか厳しい世界なのであります。そのため情シスのメンバーの中には、「一生懸命やっても評価されない」と嘆く人もいます。
この「情シスのお仕事紹介シリーズ」は、世の中の人に情シスの仕事の魅力を知ってもらう目的で始めました。一方で同じ情シスの方に対しては、この素晴らしい仕事に対して、もっと自信とプライドを持って欲しいと言う想いが込められています。

さて、最終回は、情シス業務の真骨頂である「部門の業務改善と新規システムの企画推進」について紹介したいと思います。


2.ITによる部門の業務改善
〜ノーコードツールの場合

いきなり「ITによる」ってつけちゃうから、「システム導入ありきか!」とか「システム導入が目的じゃないぞ」とお叱りを受けてしまいそうですね。はい、理解しています。部門から業務改善の相談を受けた際には、以下の手順で進めることで、業務の見直しから入るようにしています。

※前提として、部門レベルの業務改善をkintoneやMS365などのノーコードツールを利用した場合とさせていただきます。

①現状調査
②要求と要件の整理(1ヶ月以内)

まず現状をヒアリング調査してユーザーがやりたい事、実現したいゴール、あるべき姿を一緒に描きます。この時点で「やる/やらない」がある程度明確になります。ゴール設定がなかったり、システム以前に解決しなければいけない場合はここで部門にボールを預けるようにします。もちろん、踏み込んで一緒に絵を描くケースもありますが。

③工数見積、体制確認
④プロト開発、確認(2ヶ月以内)

ユーザーの要求とそれに対する要件が合意出来たら、次のステップに進みます。ここで情シス内での議論が始まるのです。「誰が担当?」「実現性は?」「会社の方向性とずれてない?」「10年前にも同じ話あったぞ」…
業務改善の話を持ってきて実現したい担当者とその他の人のせめぎ合いが始まります。更に、やりたくても時間がない、やらなければいけないけどスキルが足りないなど、「出来ない理由」がワンサカ出てきます。
この時点で折れてしまっては、変革は起こりません。担当者が頭をフル回転させて、企画を練り直し、関係者を納得させるかが勝負です。最終的には、部門長の意向の確認までやり、プロトタイプやデモを作るとなると相当な熱意とパワーが必要になりますね。

⑤修正、運用準備
⑥運用開始(3ヶ月以内)

無事、部門長と情シス内の体制や予算が確保出来たとして、いよいよ実現に向けた開発が始まります。開発と言っても、KintoneやPower Automateなどのノーコードなので、デモやプロトタイプ作る時点で30%位は出来てます。
ここで重要なのは「多少上手くいかないところがあっても完璧に作らないで運用を始める」事です。
部門との最終レビューで、「ここは自動的にリマインダーをメール飛ばしてほしい」や「承認フローを一つ入れたい」なーんて要求が来る事ありませんか?担当者の気持ちは分かりますが、このような「あったらいいな」機能は運用開始後に実装の可否を検討すれば良いと思います。

事例 (ワタシ自身はこちらの会社とは関係ありません、悪しからず)


3.新規システムの企画推進

さてさて、かなりボリュームで書いてしまいましたが、最後にもうひとつだけ。新規システムの企画を情シス発信で行う事があります。ウチの会社の例ですと、MS365の全社導入や無線ネットワークの全拠点設置などがこれにあたります。この仕事の特長は、「情シスが100%予算と責任を持って企画推進する案件」と言う事です。(広く捉えると、DXもこの中に入る)

実は、情シス部門の多くがこの企画案件を苦手としているのではないか、と個人的に思ってます。私の経験とヒアリングによると以下のような事情があるようです。

  1. 普段の業務が忙しくて時間がない

  2. そもそも企画した経験がない

  3. IT部門に新規投資の為の予算などない

  4. 上司や会社が求めてない

  5. 過去にやったがことごとく潰されてもうやりたくない

    あらら…ないないのオンパレードですね。特に最後の過去に潰されたトラウマは、もう二度とやるもんか!!みたいな怨念にも似た心理が働いてしまいます。

    しかし、特に近年は、企業のトップから最も力を入れて取り組んで欲しい業務になっているという事も事実です。
    企業のトップの方には、こういった取り組みに対して、失敗しても何度もチャレンジ出来る、そう言った企業文化や土壌を作り上げて頂きたいものです。


4.守りの情シスから攻めの情シスへ

情シスのみなさん「ウチの会社はトップがITやDXに後ろ向きで…」なんて言ってませんか?本当にそうか、確かめてみて下さい。世の中の情シスには、小さな変革から大きなうねりを生み出していった事例がいくつもあります。
ウチのようなJTCのような会社でも、数年前では考えられなかったように、徐々にではありますが「攻めの情シス」に変わろうとしています。

情シス部門がコストセンターとして、会社の事業を裏で支えるのは大切な機能です。但し、これからは、ITを通じて様々な付加価値を提案・提供したり、社内に変革を起こすして働き易い環境を作り上げることにチャレンジしていく事が求められています。

今までの成功体験や社内中心のものの考え方では、個人や組織の成長は望めない世の中になりました。今こそ情シスがアップデートして組織変革の主役になるべきだと思いませんか?

一緒に考え、行動して頂ける仲間を募集しています(あれ?最後は人材募集みたいになってるし…)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?