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半促成ミニトマトの元肥散布

こんにちは。花粉で鼻がムズムズしています。もうちょっとの辛抱です。

先日は、半促成ミニトマトの植え付け準備のため、元肥散布を行いました。
当地域では、半促成ミニトマトと、抑制ミニトマトという栽培体系でミニトマトを栽培しています。まず、そちらを説明します。

半促成ミニトマトとは

ビニールハウスで保温することで、露地栽培よりも定植を早め、早い時期から収穫を開始する方法です。

抑制ミニトマトとは

定植時期を6月下旬ごろに遅らせ、収穫のピークを9月頃にもってくる方法です。9月頃は他の産地の収量が減り、ミニトマトの単価も高くなるため、高単価を目指して行われます。スイカを作付けしたハウスで、スイカを収穫後すぐに植え付けられることがほとんどです。

下の写真が作付けのイメージです。

元肥について

散布はかごを用いて手で行いました。
圃場全面に均一に撒けるよう配分を調整しながら撒きます。

今回はこちらの肥料や土壌改良材を用いました。

もみがらくん炭(もみ殻を炭化したもの)
セルカ2号(カキ殻粉。炭酸カルシウムを主成分)
ユーキフルペレット(腐植を多く含む。土壌改良)
ケイ酸カリ、エコカリコート(緩効性の加里肥料)
エコマグ(緩効性の苦土肥料)
施肥設計の根拠を次に書いています。
(あくまで考察の一例で、数値の読み方・対処方法はこの限りではありません。)

土壌分析結果と施肥設計

要点は、
※①CEC(塩基置換容量)を上げて、塩基飽和度を下げること
※②有効態リン酸の過剰にともなう拮抗作用に対処すること
(リン酸が過剰だと、加里・苦土の吸収が阻害される)

※①について
CECは、どれだけ土壌中に塩基(植物の生育に必要なミネラル分)を保持できるかの指標です。土壌の胃袋の大きさに例えられます。

CECが高いと、多くの養分を土壌中に蓄えることができ、それらを植物は必要に応じて利用することが出来ます。

分析値では19.8mg/100gです。決して悪い数値ではありませんが、維持向上させるため、腐植質を含む土壌改良材(今回はもみがらくん炭、ユーキフルペレット)を投入しました。

塩基飽和度は、土壌が蓄えうる塩基量に対し、土壌中の塩基の量がどれくらいであるかを示す指標です。
塩基飽和度が高いと、植物の養水分の吸収や、根の健全な発育に悪影響を及ぼすため、下げる必要があります。
分析値では、103.0%となっており、土壌から飽和した塩基が土壌水分中に残っている状態です。改善が必要です。CECを上げることにより、土壌の蓄えられる塩基量を増やすことで塩基飽和度を下げ、対処します。

※②について
有効態リン酸が過剰となっています。
しかしながら、過剰なリン酸を減らす主な方法は、植物に吸収させることとなるため、リン酸を減らすことは容易ではありません。
リン酸過剰下では、加里・苦土の吸収が阻害されるため、加里・苦土を多めに用いています。
対処療法的ではありますが、リン酸過剰については長い付き合いとなりそうです。

最後に耕起を行い、終了です。

近所の農家さんではすでに半促成ミニトマトの栽培が始まっているところもありました。


定植時期が早いと、温度管理と霜対策が大変ということですが、低温下でじっくり株を育てることで、根張りを良くし、病気に強い株に育てられるそうです。

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