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ちょっと気になる「気」の話 2


前回までのおさらい

前回の記事では、
気は目にはっきりとは見えないものの、人が健康的に、かつ心穏やかに
生きていく上では必要不可欠なものの一つである
こと、
また気の作用は以下のようにまとめられることを紹介しました。

①体内の陰分(血・津液)や感情などを動かす「推動(すいどう)」作用

②体の適切な体温を保つ「温煦(おんく)」作用

③皮膚表面を保護し「外邪」の体内への侵入を防ぐ、もしくは侵入してきた「外邪」と闘って追い出す「防衛(ぼうえい)」作用

④脈管内の血液や汗、尿といった水分が、あるべき場所から外へ溢れ出さないように調整して留めておいたり、体の各臓器、各組織らが、重力に負けて下りてしまわないように上へ押し上げたりする「固摂(こせつ)」作用

⑤体内で気血津液の新陳代謝とそれらの相互転化を行う「気化(きか)」作用

この記事では、一番目に挙げた推動作用について紹介します。
(専門内容が多くなったため一部有料とさせていただきます。
無料内容だけでも是非ご覧ください。)


気の推動作用

気は目に見えないものですが、体の中で色々なものを移動させています。

気は感情を動かす


人間は生きていく中で、否応がなく色々な感情を抱きます。
時に笑い、怒り、悲しみ、驚き、そして時に悩みます。

毎日色々な感情が生まれる中で、その感情が心の中に留まり続けてしまうと、体になんらかの症状として現れます。

ご存知の通り、心、感情と体は繋がっています。
この繋がりを五行の観点で紐解くことができるのが、中国医学の大きな特徴ですね。


良い感情も悪い感情も、ずっとそれに固執してしまわないように、
うまく流してくれていた正体は気です。
それに、まず「気」持ちが動かないと感情は生まれません。

感情、気持ちを動かすのは気の仕事

これをうまく利用すると、
「気を補うもの」や「気の流れを助けるもの」を自分で食べたり、
そのような施術を受けたりすることで、感情をコントロールしやすくなります。

もちろん体の中の気の流れが止まったり悪くなったりすると、感情の動きも同じように止まったり澱んだりすると考えられます。
同じことについて延々と悩んでしまったり、とある感情が長く続いてしんどかったり、なかなか気分が乗らなかったりする場合は、気の観点から解決策が見出せることもあります。

時薬とはよく言ったもので、ゆっくりでも「気」が感情を動かしてくれる。
涙にくれてもじっとしていてもお腹が空くのはそうして「気」を消費しているから。
:喫茶とまり木(筆者撮影)


そして、気が動かすのは感情面だけではありません。
肉体を構成するものや、私達が口にした食事も動かしています。

気が体内の「陰」のものを動かす

そもそも中国医学では
体の中に五臓六腑と呼ばれる内臓、骨や筋肉や血管、
その他に目に見える臓器の他にも、
気血津液」という存在が一緒になって体を構成していると考えられています。

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