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暮らしっ句

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「日々の暮らし」の味わい、ぬくもり、それさえ忘れなければ、成功なんかとは縁遠くても、まっとうに生きていける。逆に言えば、こわいのは「こんな世の中、ぶっ壊してやり直した方がいい」と…
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#俳句

[暮らしっ句]ソーダー水1[俳句鑑賞]

頬杖をして遠く見てソーダ水  松岡隆子 昭和の恋人たち編  こはれさうな恋 と 同席ソーダ…

トマリエ
1日前
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[暮らしっ句]茄子の花2[俳句鑑賞]

つぶやき編  あこがれは晴耕雨読 茄子の花  石山惠子  そんな暮らしをやってみたいけど…

トマリエ
5日前
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[暮らしっ句]風光る[俳句鑑賞]

 窓の字に心がありて 風光る  近藤千雅  作者に心があるから「心」が見えたわけですが、…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]犬ふぐり[俳句鑑賞]

 犬ふぐり およそ似合はぬ名をもらひ  楠木君子  わたしがこの花をはじめて意識したのは…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]しやぼん玉2[俳句鑑賞]

 危ふさを膨らませをり 石鹸玉  金森教子 「バブル」というやつですね。こないだも超富裕…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]春 愁[俳句鑑賞]

 まずは具体的な心配事がある場合。  春愁や 夢の中まで聞き役に  山本潤子  知り人も噂…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]白木蓮2[俳句鑑賞]

 唐突に 白木蓮の始まりぬ  笠井円  白木蓮の千花 一花の遅れなし  小山徳夫  気がつけば満開! 白木蓮の特徴の一つはそれですね。蕾のうちから注目され、チラホラと咲きはじめる梅や桜とは違います。しかし、雑草的かというと、そんなことはなくて白木蓮の絶頂期の品格は梅や桜を圧倒するほど。  おもしろいのは、その特別な存在感も、少し見慣れると逆にものすごく地味に感じられること。不思議です。 .  廃校の正午を告げる 白木蓮  山中志津子  これが桜ですと、人の賑わいが連想さ

[暮らしっ句]春の雨[俳句鑑賞]

景色を朧(おぼろ)にし気持ち湿らせる春の雨 しかし、耳を澄ませば ところどころにコントラ…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]白木蓮[俳句鑑賞]

「死」や「過去(あの世)」が暗示された句を集めましたが、 どんな暮らしにも影があるわけで…

トマリエ
4か月前
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[暮らしっ句]悴む2[俳句鑑賞]

 悴めば もつれもかなし 糸の綾  藤岡紫水  ふだんなら難なく解ける「糸のもつれ」、手が…

トマリエ
4か月前
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[暮らしっ句]春近し2[俳句鑑賞]

「春近し1」は、昨年の記事。早いものでもう一年~ 徴(しるし)編  玄関に縄跳びの縄 春…

トマリエ
4か月前
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[暮らしっ句]悴 む[俳句鑑賞]

※ 悴む(かじかむ) 「あるある」編  悴みて 大阪駅に迷ひけり   樺山翠  一見すると…

トマリエ
5か月前
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[暮らしっ句]寒 雀 2[俳句鑑賞]

 寒雀 群れより一羽 吾が前へ  松崎鉄之介  喪明けとはさみし 餌に寄る寒雀  服部幸  …

トマリエ
5か月前
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[暮らしっ句]寒 雀[俳句鑑賞]

 風を踏み 日ざしを踏みて 寒雀  村山秀雄  寒い時期、誰だって日向がいい。でも、建物のあるところでは日向はごくわずか。それに餌を探すのが第一ですから陰を避けてなどいられません。ともかく必死で餌を探し歩くしかない。わずかな餌をついばみながら歩き回るしかない。  つまり、時々、飛んでるように見えるけれども、それは飛んでるんじゃなくて「風を踏んで歩いている」!  自分の身に重ねれば…… 底辺の人間って、トンビなんかを見上げて、自分には無理だと思考停止しているのかも。参考にす