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メモの魔力

みなさん、普段メモは取りますか?

「そんなの当たり前だろ!」と一蹴されるような質問かもしれません。

ただ、私は基本的にメモは取らない人間です。理由は2つ。

①メモを取っても、基本的にそのメモを読み返さないから。
②多くの人はメモを取ってもそのメモを有効活用していないのではないかという先入観(偏見)を持っているから。

そんな感じで、基本的にメモを取らずにここまで生きてきました。例外的にメモを取るのは、本当に興味関心がある話を聞くときや、上司の話を聞くときに「ポーズ」として取るときなどです。(この場合大抵メモは無駄になります汗)

しかしながら、今年になって改めてアウトプットの重要さを認識するに至り、noteも始めました。なのでメモに対する認識もちょっと自分の中で変えようかな(メモを取る習慣をつけようかな)と思っていたところこの本を読みました。

著者の前田裕二氏は「Showroom」というアイドルやタレントと視聴者をつなぐプラットフォームを作って、一躍有名になった著名なIT起業家です。さわやかイケメンぶりも手伝って石原さとみともお付き合いしていたようです。

その前田氏は自他ともに認めるメモ魔であり、「僕にとってメモは『生きること』である」と言い、「メモによって夢は現実になる」とまで豪語しているので、私もこの本を読んでメモを取り、石原さとみとつきあうという夢を実現しようと思いました。(嘘です。奥さんに怒られます・・・)

本題に入る前に、印象に残った言葉をメモしておきます。

現代において、僕が「本当に強い」と思う人材は、「想いの強い人」です。志が高い。夢がある。熱意がある。ちょっとウェットではありますが、そういう強力な軸を持ったある種人間的な人こそが、力強く前に進んで、社会に大きなひっかき傷を残すのです。

最近改めて自己分析をしたときに、賢いわけでも、要領がいいわけでもないけれど、人よりちょっとだけ優れているとしたらきっと「熱意(パッション)」とそこからくる「行動力」だろうなと思っていたので、この言葉は割と刺さりました。

前田氏いわく、メモは2種類あるとのこと。1つは「ファクトを記録するためのメモ」。我々が一般的に言う「メモ」はこれですね。単なる記録です。上記の通り、記録をしてもそれを活用しなければ意味がないし、多くの人はうまく活用できていないのではないかと勝手に思っています。

そしてもう1つが「知的生産のためのメモ」で、本書ではこちらに力点が置かれて話が進んでいきます。

前田氏はなぜメモを取るのかという問いに対して、「より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため」と言っています。その本質とは、「コピーではなく創造、代替可能物ではなく代替不可能物、ということ。つまりクリエイティブで新たな知的生産につながる嗜好や、自分にしか思いつかないような代替不可能性の高い思考」と定義しています。

こうなるともう我々の持っている「メモ」のイメージを完全に超えて、人生を成功させるための「マスト・ツール」に思えてきました。

では前田式メモとはどのようなものなのかというと、下の写真のとおり左のページに「ファクト」、右のページを2分割して、「抽象化」と「転用」と割り振ります。

左のファクトの部分は我々が普段書いている「メモ」です。前田氏はファクトを抽象化し、さらに自分の行動に転用させるということを若いころからずっと続けてきて、今に至るとのことです。『ファクト⇒抽象化⇒転用』の運用の仕方については長くなるので、興味がある方はぜひ本書を読んでいただければと思います。

前田氏はメモを取るメリットとして、以下の5点を挙げています。

①知的生産性が増す
②情報獲得の伝導率が増す
③傾聴能力が増す
④構造化能力が増す
⑤言語化能力が増す

ここまで言われたら、もうやるしかないですね。私もさらに自分を成長させるために明日からメモを取る習慣を身に着けようと思います。さっそくメモ用のノートも買いました。(文房具屋でいいノートを買おうと思いましたが、思ったよりいい値段で焦り、結局ダイソーで買いました笑)

上記の通り、前田式メモ術のポイントは「ファクト」の記録で終わらず、そこから知的生産⇒行動に変化させていくことです。それは裏を返すと「メモで思考を深める」ということに他なりません。

そのポイントとなるのが「抽象化」なのですが、抽象化にあたって重要なのが、What, How, Whyの自己に対する3つの問いかけであり、中でもWhyが重要です。これを徹底していけば、論理的思考力や批判的思考力のトレーニングにもなると思います。

最後に、この本の一番の肝は前田式メモの伝授ではなく、メモを通じて思考を巡らせることで、「自分は何者か。自分は本当に何をやりたいのか」を各々が知ることです。その証拠に巻末には「自分を知るための【自己分析1000問】」があります。かなり時間がかかりそうですが、私も取り組んでみたいと思います。

というわけで、これからはメモを取ります。ファクトのメモに終わらず、そこからアクションに転用させていきます。

人生いくつになっても成長できるな、と思わせてくれた一冊でした。

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