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【Edge Rank 932】富士塚に登ってみよう【TOMAKI】

「登らない山登り」というのが、私の趣味のひとつ。山登りなのにほぼ登らないのが特徴で、登るとしてもせいぜい軽い坂道や階段程度。どこに登るかというと、都内近郊の「山」が付く地名のエリアであったり、地図上では正式な山にはなっていない低い山だったり、あるいは都内近郊の富士塚など。この活動のために、都会の登山家という意味の「アーバンアルピニスト」という肩書を自分でつくった。名刺もある。まぁ、趣味の遊びなのであるが、遊びだからこそ本気でやる。それが楽しい。

今日は、アーバンアルピニストの私TOMAKIがお勧めする、都内の富士塚を3つご紹介する。

10歩で登れる浅草富士

浅草富士(浅草富士浅間神社)

ここ数年、私が毎年決まって一番最初に登るのがこの浅草富士浅間神社にある浅草富士である。なによりも、登りやすい。境内にある富士塚のふもとから、10歩で登れる。石段を一段抜かしで登ると、5歩である。この小さなミニチュア富士は、平成28年につくられたものなので、比較的新しい。

もともとこの富士山を祀った神社は、神様と仏様が混然一体となっていた神仏習合の江戸時代の頃につくられたものだが、明治維新の神仏分離の政策により浅草寺から切り離された。現在の社殿は平成14年に完成したもの。

私が隅田川沿いをのんびり散歩する際に、浅草寺を通って、富士公園を通り抜け、この浅草富士に登るのが定番のコースである。昨年一番多く登ったのが、この富士塚である。なにせ10歩で登れるから、家を出て近所を散歩する時に、「今日は浅草富士にでも行ってみるか」と思い立ったらここに足を向ける。みんながいつでも登れる富士山なのである。


富士塚としては大きな、高さ約15mの品川富士

品川富士(品川神社)

2年ほど前に品川にあるオフィスに通っていた頃によく登っていたのがこの品川富士。私が「富士塚」というものに初めて興味を持った山でもある。このエリア周辺を子どもたちと一緒に街歩きのイベントに参加した時に、この品川神社の境内にある高さおよそ15メートルの小さな富士山を地図上で発見して、帰り道に立ち寄ってみたのがきっかけ。以来、たびたび登っている。

品川神社の石段を上ると、その途中に左側に抜ける脇道がある。そこが、この品川富士の登山道。ちゃんと、「一合目」「二合目」「三合目」……といった登山のコースと高さを示す合目石も設置されている。登頂までは、普通に歩くと2分もかからない。

てっぺんにはちょっとした空間があって、旗や鯉のぼりが掲揚できるポールが一本立っている。目の前には旧東海道のお宿であった品川の街が広がり、京浜急行の鉄道や第一京浜の道路なども見下ろすことができるので眺めも良い。

「江戸七富士」のひとつであるが、実は作られたのは明治2年(1869)から5年(1872)にかけて。 大正11年に、第一京浜国道の建設にともない現在の場所に移設された。今でも、毎年初夏に山開きの神事が行われている。


小塚原富士

小塚原富士(素盞雄神社)

素盞雄神社にある小塚原富士は、自宅から近くにあるので、私が一番よく訪れる富士塚である。ここは、普段は登ることはできない。唯一、7月1日のお山開きの神事の後に登ることができるのだが、ここ3年ほど通っているのにも関わらず毎年天候不良のためまだ一度も登ることができずにいる。なぜか毎年この時だけ雨なのだ。いつか登ってみたい富士塚である。

訪れる時間によって、あるいは季節の違いで、この富士塚の表情がガラリと変わる。アジサイが咲いたり、イチョウが色づいたり。今年も、初詣は家族で素盞雄神社を訪れ、この富士塚にも参拝した。

品川富士と出会った時、まだ自宅の近所にこんな富士塚があったとは知らなかった。何度もこの神社には訪れていたし、富士塚の前も何度も通っていたのだが、自分の頭の中で認識できていなかったらしい。見えているのに、見ていないという。

富士塚に開眼した私は、自作のGoogleマップに228件の富士山に関連する神社や富士塚を登録して、せっせと訪れている。実際に訪れることができたのは、そのまだほんの一部なので、今後もいろんな富士登山スポットを訪れたい。

富士塚に登ると良いことあるかも

富士塚に登ると、本物の富士山に登ったのと同じご利益があると言われている。一般庶民が自由に旅行することを禁じられていた江戸時代、関所を通るためのいわばパスポートと言える「通行手形」が発行されるのは、出雲大社やお伊勢様、熊野詣で、四国巡礼など、一部の参拝目的の旅に限られていた。富士詣でもそのひとつ。

富士山は、山自体が神様としてあがめられており、そこに登拝することでご利益があると信じられていた。なので、江戸の人たちは「富士講」という富士山を信仰するグループをつくり、それぞれのグループから代表者を決めて富士登山をしていたのだ。江戸時代後期には「江戸八百八講、講中八万人」とも呼ばれるほど、富士講は大人気となった。多くの富士塚が造られたのもこの頃である。

昨年私は、江戸七富士を含む全15か所の富士塚を訪れた。他にも、バーチャルでスマホアプリを使った富士登山や、低山散歩なども行っている様子は以下のnote記事にまとめている。

富士塚に登るようになってから、よく懸賞などに当たるようになった。単純に、自分が「運が良い」と信じて、そういうところに応募するようになっただけかもしれないが。それでも、年末年始もいくつか当選した景品が自宅に送られてきて、「これはきっと富士塚登山のご利益に違いない」とひそかに思っている。

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編集後記

週末に、3331 Arts Chiyodaでとある作品展示の施工作業を手伝ってきました。昨年から「優美堂再生プロジェクト」に参加して培ったスキルを活かすことができてうれしいです。インパクトドライバーとか、丸鋸など、久しぶりに使いました。やっぱり、こうして手を動かしながら何かをつくるというのは楽しいです。優美堂では、「千の窓展」の第三期が始まり、私の富士山をハンコで描いた新作も展示されているので、ぜひ遊びに来てください。

今回も、お読みいただきありがとうございました。
次号は1月20日(木)の配信。「東京散歩ぽ」の中川マナブさんです!

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「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。