デンジャラスゾーン

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様々な危険が待ち受けている

だが俺は躊躇せず足を踏み出す

次の瞬間

放たれた矢の空気を切り裂く音に

俺は素早く反応し

素手でそれらを掴み取った

矢の数は6本

これくらいの事なら眉一つ動かさずに出来る

俺は何事も無かったように進んでゆく

今度は巨大な丸太が俺を襲う

崖の上から転がり落ちてくるたくさんの丸太を

俺は軽々と飛び越えた

これくらいなら呼吸さえ乱さずに出来る

そして俺はさらにいくつかの危険を

いとも容易く乗り越えた

このゾーンに仕掛けられた危険はこれで終わり

俺は歩く速度を速めた

その時だった

地面に敷かれた大きな網が飛び上がり

俺の体を捉えた

「しまった!」

俺は網の中で叫んだ

これを仕掛けたのを忘れていた

俺の家は目の前なのに

自分の仕掛けた罠に掛かるなんて

谷の向こうの暴れん坊のボー君が

俺の家に遊びに来ては

家の中を無茶苦茶にして帰るから

あいつの為に仕掛けたのに

しばらくして足音が聞こえてきた

ボー君だ!

網に囚われてぶら下がった俺の真下を

ボー君が歩いてゆく

ボー君の頭には矢が二本刺さっているし

半ズボンとランニングシャツから出た手足には

所々血が滲んでいる

ボー君は幸い俺には気付かず

俺の家へと真っ直ぐに歩いていく

怒ってるかなあ

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