最後の願い
神様「余命いくばくもないお前の最後の願いを一つだけ叶えてやろう。何なりと申すがよい」
男「私はこれまで体に良いものばかり食べてきました。死ぬ前に一度だけ体に良くない食べ物を腹一杯食べて死にたいのです。どうか、この願いをお聞き届け下さい」
神様「何じゃそんな事ならお安い御用じゃ。体に良くない料理ばかり用意してやるから思う存分食べるがよい」
男「ありがとうございます。それでは遠慮なく頂きます」
神様「おーおー、良い食べっぷりじゃ、今までよほど不味いものばかり食べとったようじゃのう」
男「神様ありがとうございました。生まれて初めてこんなに美味しいものを食べました。体に良くない物ってとっても美味しいんですね。これで心おきなく天国へ旅立てます」
神様「そうか、そうか。それではそろそろ旅立つがよい」
男「あっ、ちょっとタンマ」
神様「なんじゃ?」
男「食後の胃薬を飲むの忘れてました」
神様「ガチョーン!」
男「それでは」
神様「うん?ちょっと待て!お前の寿命メーターが少し上がっておるぞ」
男「そう言えば体が軽くなったような気が・・・」
神様「たまには体に良くない物を食べるのも悪くないのかも知れんのう」
男「まだ死なないのなら、これからは体に良くない物ばかり食べる事にします。」
神様「こらこら、お前という奴は本当に極端な奴じゃ。しかし体に良くない食べ物も心には良い事も有るからのう。何事もほどほどにと言う事じゃ。まあ、今回だけ特別サービスと言う事で寿命を50年ほど伸ばしてやるわい」
男「はーい、ありがとうございます!」
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