「デート不安」に対処する認知科学的な10の戦略
「デート不安」は、見知らぬ相手と対峙する際に、多くの人が感じるコミュニケーションへの不安の形です。
その原因は、トラウマや過去の体験、相手からの評価や拒絶されることへの恐怖などがあります。
デートを成功させるには、自分自身と向き合い自分を知り、不安の対処法やコミュニケーションスキルなどをレベルアップする必要があるのです。
デートが不安なのは自分だけ?
デートに対する不安そのものは、すべての年齢層、性別、性的指向にわたって存在しているということを忘れないでおきましょう。
つまり、あなたがデート不安を感じているのなら、相手も同じように不安を感じている可能性があるということです。
デート不安の引き金となる要素
人間関係によるPTSD
「良くなかった」人間関係を思い出すことで、過度に自己否定をしたり、人と関わる前に強い不安を感じたり、新しい関係に対して考えすぎてしまうなどの兆候がある場合は、人間関係によるPTSDである可能性があります。
全般性不安障害
デート不安は、一般的かつ当たり前の不安である可能性がありますが、それだけでなく、毎日の生活の中で漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続けている場合は、全般性不安障害である可能性があるので注意が必要です。
社交不安障害
社交不安障害を持つ人は、デートに関するすべての社交的状況で激しい恐怖を感じるだけでなく、友人、知人との交流、集まりなどの社会生活に対しても強い不安を感じてしまうものです。
拒絶の恐怖
あなたが非常に敏感なタイプか、過去にたくさん、もしくはトラウマになるほどの拒絶をされた場合、新しい人間関係を構築したりデートをする時、拒絶の恐怖によって不安を感じる可能性があります。
ボディイメージ
ボディイメージの問題を抱える人は、自分の外見について気分が優れないと、デート不安が高まる可能性があります。また、デート相手が自分に魅力を感じないことを極端に心配するかもしれません。
デート不安の対処法
デート不安の対処は、デートプロセスのどこで不安が起きるかによって異なります。
現在、デート相手がいる人は、デート不安の対処を学ぶことによって、デートやデート相手に対するアプローチ方法が良い意味で変化するかもしれません。
デート相手がいない人は、この記事を読み、将来に備えてみてはいかがでしょうか。
デート不安のための11の戦略
1.自分を知る
自分自身を知ることは、デート不安を改善するためのファーストステップです。そして、これは自分自身の「ダメな部分を思い出す行為」ではありません。
反対に、自分が楽しいと思える趣味などについて、より深い知識をつけたり楽しみながらしっかりと学ぶことです。自分の良いところを挙げて、その部分を強化するのも良いでしょう。
おぼえておくと良いのは、デート相手は「あなたに足りない何かを補うため」に存在するのではなく、その相手自身の「人生に加えるべき人を見つけるためにデートをしている」ということです。
2.自分のニーズを知る
人は拒絶を恐れると、無理をしてでも相手に合わせようとしてしまいます。そのような時は、「デート相手のどこが楽しいのか?」を考えて、「自分のニーズ」を明確にすることです。
ポイントは、「自分が相手にとって合う人間か」を考えるのではなく、「相手が自分に合っているか」を考えることです。
相手のどこが好きなのかよくわからない場合は、自分が心地良くいられる人と、そうでない人との違いを考えてみましょう。
相手を拒否するのが怖い人は、人間関係において、「抵抗を練習する」ことが重要となります。
3.質の高い習慣
自分の習慣を良いものへとリメイクすることは、デート不安を改善するのに効果的な方法です。
改善の例としては、
・清潔感、身だしなみ
・睡眠、健康管理
・コミュニケーション技術の習得
などがあります。
習慣によって全てが解決するわけではありませんが、習慣は「デート不安を解消する基盤」となる場合があります。
4.未来のイメージ
なかなか良いパートナーが現れず、自分の人生が一時停止しているように感じる場合、あなたは「人生の重要な部分を見逃している」可能性があります。
そのような人は、「将来どんな人生を送りたいのか」をイメージしてみましょう。
未来の自分自身が人生を最大限に楽しく生きているイメージができていれば、人間関係にも絶望することなく、デート相手に近づけるはずです。
人は未来に対して絶望感を持つことがありますが、その絶望感に支配されないように注意しましょう。
5.デートスポット
デートスポットについて考えてみましょう。その場所には、あなたが本当に望む環境があるでしょうか?また、そこに興味がある人はどのような人でしょうか?
自分の趣味や情熱に投資をすることは、プレッシャーやハードルを下げてデート相手と会うための素晴らしい方法となります。
6.デートプラン
デートプランを担当する場合は、必ず「自分と相手が楽しめるプラン」を選びましょう。
それにより、たとえ日程が合わず延期になったとしても、「自分と相手との幸せのために何かをしている」という感覚が、そのプランニングの保証となり、デート不安が軽減されます。
7.会話は相手の記憶を使う
デート中、会話が弾まない場合は、「相手の記憶」を使ったトークが役に立ちます。
デート相手の「この間○○だった」や「高校時代は○○をした」というような話を覚えておき、その話を拡げていきましょう。
例としては、「この間○○だった」なら「その時どう思ったの?」とか、「高校時代は○○をした」なら「その頃はどんな学生だった?」というような感じです。
あまり深追いしすぎると詮索的な印象になってしまいますが、この会話を練習していくと、会話に対しての自信がついてデート不安が軽減されます。
8.自己評価を確立する
不安や恐怖全般に言えることですが、人はデート不安を感じているとき、「周りの人よりも自分の価値が低い」と思う時があります。
常に忘れてはいけないのは、「自分には、他者の役に立つような強みがある」ということです。それは、どんなことでも構いません。
実際に「強みを持っている」と感じられればそれで問題ありませんが、「そんなものない」「思い浮かばない」という人がいるかもしれませんが、心構えと現実が違っていても、まったく問題はありません。
良くないのは、心構えも現実も「できない」「無理だ」と思ってしまうことです。
人は常に自分の強みを感じるようにしていると、自己評価が高まります。万が一、失敗をしたとしても、気に病むべきではありません。
デート不安を感じたら、すぐに「自分の強み」を感じましょう。
9. コンフォートゾーン(心地良いと感じる空間)
デート相手に対して、「良い意味で合わせる」のは当然です。
しかし、相手に合わせている自分が、あまりにも「なりたい自分」と掛け離れていたり、違和感を覚える場合は、相手のコンフォートゾーン(心地良いと感じる空間)と、自分のコンフォートゾーンを照らし合わせてみる必要があります。
相手のコンフォートゾーンとは、物理的な相手の仕草や、好きな匂い、趣味、一緒に行きたいと思っている場所だけではなく、相手が普段、心地良いと思って使用している言葉や、考え方なども含まれます。
デート相手に合わせるように自分自身をリメイクすることは、現在の自分とは違う自分になるということです。
「相手に合わせることが、自分や相手にとって良い変化である」と思えるのなら構いませんが、自分に悪い変化を強いるようであれば、まずは、前向きにお互いで話し合い、解決策を見出すことです。
10.人間に興味を持つ
人間に対する好奇心は、デート不安の対処法として役立ちます。相手への興味は、質問や会話につながり、それがやがてデートスケジュールになります。
女性・男性などの性別を問わず、人間関係についてや人間について学べば学ぶほど、人間に対しての知識が人を惹きつけます。
好奇心や探究心によって人生が豊かになれば、自然にデート不安など感じなくなっているはずです。
サポートを求めるタイミング
対人不安やデート不安などが、自分の望む夢や未来を妨げていることがわかったら、専門家の助けを求める必要があるかもしれません。
その兆候は、デートやデート相手に関連する心配、先入観、自己嫌悪、不眠症などもあります。
専門的な知識を持つ人と話をすると、自分とは異なる視点や手法を認識することができ、デート不安の克服やデート相手へのアプローチなどを学ぶのに役立つはずです。
認知行動療法も効果的です。自分自身のネガティブなセルフトークを、よりポジティブで建設的な考え方にシフトするのに役立ちます。また、弁証法的行動療法は、不安に対しての耐性スキルを身につけるのに役立ちます。
おわりに
広い意味では人間関係ということになりますが、デートやデート相手と不安は密接に関連しています。
人は「他者に心を開く」という行為に不安を感じることがありますが、その不安は人間関係を通じて自分や相手が成長をするチャンスでもあります。
私がクライアントとデートの話しをする時、そのクライアントの「成長のチャンス」を意識します。人が良い人間関係を築いていくことは、人生においてとても価値のあることです。
以前、ある人が人間関係の不安で私のところに訪れたことがありましたが、私はその人に、あなたには価値があり、あなたに会うことができる人は幸運で、また、その人に会えたあなたも幸運であることを伝えました。
それは、この記事を読んでいるあなたにも当てはまる言葉だと思っています。
サポートは、さらに良い記事を執筆できるように研究費として活用いたします☺️✨️ いつもありがとうございます💖