ワールドクラスの教育「エモーショナルインテリジェンス(EI)」とは
エモーショナルインテリジェンスの概要
近年、需要の高いスキルは、より具体的かつ技術的になっています。
目標を達成するために他者と協力し、他者の個性を活かし、その個性や固有スキルに自分自身が対応する必要性があります。
エモーショナルインテリジェンス(EI)は、自分や他人の感情を認識し、理解し、管理し、人間関係を構築し、維持し、他の人に影響を与える上でとても重要なものです。
これは、人生、キャリア、組織構造のどこにいても役に立つスキルとなります。
これからの時代のスタンダード、成功に不可欠な要素EIの実態とは何なのかをご紹介致しましょう。
EIの構成要素
エモーショナルインテリジェンス(EI)の内訳は、スキルと行動です。EIは自身で学び、開発し、強化することができます。
EIの4つの要素
・自己認識
・自己規制
・社会意識
・ソーシャルスキル
自己認識
自己認識とは、自分の感情と他者に与える影響を特定し、理解する能力です。
自己認識は、エモーショナルインテリジェンス(EI)の基盤であり、EIの他の要素はこの自己認識に依存しています。
すべてはEIの基盤である自己認識から始まり、そこから構築されます。自分の感情が引き起こす行動に気づいていれば、これらの感情や行動を管理し始めることができるのです。
感情は、気分、行動、パフォーマンス、そして他者との相互作用に影響を与えます。
人は常に感情を持っています。
問題は、感情が自分の行動に与える影響、そして他者を認識しているかどうかです。
組織心理学者であるターシャ・ユーリッヒによると、「自己認識をしている人は、自分に自信がありクリエイティブで、判断力やコミュニケーション能力も高くなる」と述べています。
自己規制
自己認識をする事によって、感情や行動を管理する能力である自己規制が芽生えます。
自分の感情に気付く事ができると、それを管理し始め、破壊的な感情や衝動をコントロールすることができるようになっていきます。
自己規制ができる人は、ストレスの多い状況でも、一時停止して深呼吸をする事ができます。つまり、落ち着いた冷静な思考ができるという事です。
自己規制ができる人は、ポジティブな方へ向かう傾向があり、さまざまな状況にも適応ができます。
反対に、ネガティブな感情や衝動を封じる事ができない人は、他人を巻き込んでネガティブの連鎖反応を引き起こす事が多いのです。
離職率が高い企業や、人の入れ替わりの激しいコミュニティは、一度鏡を見る必要があるでしょう。
社会意識
社会意識は、他人の感情を理解する能力であり、その重要な要素はエンパシー(共感)です。
スタンフォード大学教授のJamil Zakiは、「共感には、他者の感じている事柄の理解、他者の感情共有、他人を向上させたいと思う気持ち、これら3つの要素がある」と述べています。
社会的意識を持つ人は、心優しいという性質があります。しかしこれは、他者を指摘できないという意味ではありません。
社会的意識を持つ人は、他者を理解し、「問題解決や改善の手助けをしたい」と考えるので、指摘や教育をする事が得意かもしれません。
ソーシャルスキル(社会技能)
ソーシャルスキルは、ただの人材と優れた人材とを選り分けます。
影響力、危機管理、チームワーク、他人を鼓舞する能力を含むこれらのスキルは、人生のあらゆる部分で健全な関係を構築し、維持することを可能にします。
強力なソーシャルスキルを持つ人は、他者を理解し、知識に基づいて行動をして人々を共通の目標に導くため、コミュニケーション対象者や
チームに大きな成果をもたらすことができます。
エモーショナルインテリジェンス(EI)を向上させるには、自己認識から最初から始める必要があります。
しかし、人間はそれぞれが固有の視点を持っており、心理的盲点(スコトーマ)によって「知らない事を知らない」場合があります。
自分で「自己認識をどれだけできているか?」これを測定する事はとても難しいのです。
━━━━━━━━━━次回につづく…
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