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気づかれずノスタルジーの話

 ある春の日のこと。電柱につけられたこんな看板を見ました。

 上の段には『ショベルカーが電話線を切っていて、電話から「モシモシ」と声が出ている絵』と『電電公社』の字。
 1985年に消えたはずの電電公社(→NTT西日本)が、なんと生き残っていました。
 そして下には次のように。

此の道路には…(色褪せにより判読不能)…が埋設してあります。道路を掘る場合は下記に連絡下さい。
連絡先 線路保全統制室 TEL 06-201-xxxx
(取り消し線部分に追い貼り紙)連絡先 線路保全統制室(06)541-xxxx 赤電話からは543-xxxx

(電話番号部分は念のため秘匿)

 大阪市が市内局番3桁だった頃の電話番号が残っていました。1999年辺りに4桁化される前の話です。
 この看板、要は『下に電話線を埋めてるから、掘る時は電話しなさい』という内容なのですが、なによりときめくのは『電電公社』と『市内局番3桁』。
 さらに『激しい遜色』と、今では聞かなくなった『赤電話』というワードも来てます。相当に。

 民営化直後のNTTにも、そして東西分割後のNTT西日本にも気づかれず…あるいは「まだいける」と判断されたのか、よくわからないこの看板。

 気づかれないって、悲しいなと。
 ジブンも、一人でも多くの人に気づかれるような─言い換えれば多くの人が目を留めてくれる。そんな作品を作りたい、と思いました。

 決意を新たにできました。


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