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Story of Kanoso#15「しゃべる画像...?」/毎週ショートショートnote

   ここは彼礎駅前地下街のはずれ、魔法少女たちの拠点。
たまり場の机には、旅先で拾ってきたという広告チラシがあった。

「何ですか…これ?」新人の小松はゆなは、先輩で拾い主の高天たかま理沙に問いかけた。
「これはアタシの発明。魔法をかけた紙や画像にイヤホンを置き、耳に差せば紙や画像がしゃべり、感情を声で引き出せる『しゃべる画像』の実験品」
「へぇ~、すごいんですね、高天さん」
「まぁね。じゃあ実験してみよう!はゆちゃん、差してみてよ」
「はい…ではっ」高天の無茶振りを、小松はすんなり受け入れた。

イヤホンを耳に差すと、男の声がした。
「旅行企画実施 近畿日本鉄道株式会社 詳しくは…」

「どう?どんな感情が聞こえた?」
小松は苦笑いしながら言った。
「紙に書かれているのを"そのまま"喋ってますね、これ」
「なるほど、文字印刷してたら無理かー」

   実験は失敗に終わった。
チラシには向いていなかったらしい。
花の画像で再挑戦したら、うまくいったという。

(了)(419文字)


本作品はフィクションで、実在する人物・地名・各種団体や企業等とは、一切の関係がありません。



参加企画


あとがき

今回からいつもの一文(フィクションって訴えている所)が変わっています。
前回のはゆなちゃんがデビューする回ではあとがきになってましたが、あれはあの時だけ。
フィクションということは最初からわかっているだろうけど、それでもジブンは入れ続けたい。
そういう人なんです、ジブン。
ちなみに参加企画とあとがき欄もリニューアル。

なんの話よこれ




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