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突然ショートショート「放課後ランプ」/毎週ショートショートnote
放課後はいつも、最終下校の時間まで図書室にいる。
大好きな本に囲まれて過ごす時間は、何者にも代えがたい程の楽しい時間だ。
さて、うちの図書室にはショーケースが何個かあって、その中に様々なアイテムが入っている。
私はよく本を探しているうちに、ついついそれに目が行ってしまうことがある。
そして今日も、私はショーケースを眺めていた。定期的に入れ替わるので、何度見ても飽きない。
この日は、古いランプが入っていた。
まるで中から魔人でも出てきそうな雰囲気をしていた。
そんなことを思いながらランプを眺めていると、蓋がカタカタと動き出すのがわかった。
怖いことはなかった。何が出るのかドキドキしながら見ていると、蓋が開いて煙がぼわっとショーケースの中に立ち込めた。
「う…煙たいじゃないか!?」
ショーケースの中から声がした。見ると、中には小さな魔人の姿があった。
「…本当に出たんだ、魔人」
それでも私は驚くことなく、あっさりその事実を受け入れたのだった。
(完)(413文字)
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