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エスノグラフィ研修に参加してみた

エクスパークさん主催のエスノグラフィ研修に参加したので、その所感です。

そもそもエスノグラフィとは

エスノグラフィーは、文化人類学や心理学の研究における学術的な調査をルーツにもつ、ユーザーリサーチの手法です。
ユーザーの生活環境に身を置いて行動を観察するだけでなく、ときに生活を共にすることで、ユーザーの行動について深く理解することができます。
エスノグラフィーは、マーケティングにおいては消費者の潜在ニーズの把握に活用されています。

AIによって生成

研修でも同じような話だったと思うので、AIさんは概ねあっているはず!

研修参加前の期待

僕はスクラムマスター(以下、SM)という役割を担っていますが、SMの役割を一言で表現すると「チームの状態を健全に保つ」と言えます。

チームの状態を懸念に保つには、チームの状況をつぶさに観察することが前提になります。

その観察にエスノグラフィが役立てられるのではないかと考えたわけです。

余談ですが、こんな記事を発見して人類学者に少し興味が湧いたりもしました。

研修内容

1日目

午前中は座学。
そもそもエスノグラフィーとはなんぞやということからスタート。
実際、何も知らなかったので基礎的な知識を教えてくれたのは非常にありがたかったです。

アイスブレイクっぽい感じで、お題を提示されて絵で伝言ゲームをしたりなんじゃもんじゃをしたりしました。

デザイナーさんが多かったこともあり、みんな絵がうまかったです。僕は絵心が崩壊しているので、牛を描いたつもりが「傷ついたヤギ」という風に伝わってしまいました。笑

こんな感じの絵

講師曰く、なんじゃもんじゃはエスノグラフィそのものだとおっしゃっていたのは面白い着眼点だなと思いました。

ちなみに、ビデオを活用したエスノグラフィーをビデオエスノグラフィーというらしいです。

コピー機利用の研究(ビデオエスノグラフィーの一例)

研修で簡単に「参与観察」という言葉を教わりました。
参与観察について、軽くネットで調べてみました。

社会調査の方法に観察法という方法があり、観察法とは「視覚ベースで調査対象を直接観察し、記述する方法」ということらしいです。
その観察法の中で、観察対象に参加し観察する方法を「参与観察法」と呼ぶみたいです。
さらに参与観察のタイプには以下があります。

  • 完全なる参加者

  • 観察者としての参加者

  • 参加者としての観察者

  • 完全なる観察者

どの程度、調査対象に入り込むかによって分類されています。
「完全なる参加者」は、その対象(例えば集落)の完全なる一員になりますが、「参加者としての観察者」はあくまで調査という名目の元一定期間だけ入る、というようなイメージです。

1日目の大きなトピックは、フィールドに出て実際にエスノグラフィを体感することでした。

ショッピングセンターの改善という架空のミニプロジェクトを想定して、実際にフィールドワークを実施しました。

フィールドにいる人たちを観察し、気づいたことをノートに筆記していきます。(これがものすごく難しい!)

最初は何を描いたらいいかとまどいました。むしろ書くことないんじゃないかというぐらい。
ただ講師いわく、何事もないように見えていろいろなことが起こっているとのこと。まずは先入観なく、すべての事象を記述するぐらいの勢いでどんどん書き込んでいくことが重要とのことでした。
分析は、事象を持ち帰った後にするので、まずはファクトを集めることが需要です。

自分はスクラムマスターとしてチームを観察していた気になっていましたが、もっとアンテナをはってつぶさに状況を理解する必要がありそうという学びを得ました。

2日目

1日目のフィールドワークで集まったファクトをベースに分析していきます。
ここではどのように分析を行ったかの詳細は割愛します。
正直、言葉で表現することが難しいので。

ただ、一つ言えることは、この分析フェーズも大変難しく歯ごたえがありました。実際の業務でファクトに対してここまで深く考えることはなかったので、大変貴重な経験になりました。

あと言葉として印象に残ったのが「理論的飽和」です。
理論的飽和とは、データ分析をこれ以上実施しても理論に変更がなくなる状態だそうです。
反復的な分析プロセスを経て理論的飽和を目指すのが理想的です。ただ、実際のビジネスにおいてはリソースに限りがあるため、理論的飽和の状態に達するまで行うことは現実的ではなさそうです。

まとめ

このブログを書こうと思った瞬間から、言語化するのは無理だなーと思いながら書いていました。

エスノグラフィーは研修で体験してみるのが一番だと思います。
ぜひ機会が作れる方は、研修を受けてみることをオススメします。

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