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Tom Leeが持つ長期的視野に基づくNvidiaへの投資

イントロ

先日紹介したTom Leeへのインタビュー動画の後半では、アメリカ経済におけるAIイノベーションの影響について、重要な指摘をしていましたので、ここで紹介します。

全世界の労働人口は減少

We did a study looking at what happened, what drives innovation cycles in America and believe it or not, the two biggest innovation cycles in the US, which was 1948 to 57 which was a boomer time and 1991 to 1999, were two periods when the world was short structurally of Labor. So, you had a prime age workforce growing slower than the total population, which means there was a lot of pressure on either wages or ways to innovate to produce more output. We've gone into a period of structural deficit of prime force labor, which is going to last till 2045, which means another tech cycle I think is underway. And for viewers it's not just like Nvidia makes chips and you got to buy it. It's just that there may be an 80 million prime age workforce shortage globally that's $3 trillion of wages that won't be spent on labor. Nvidia's revenues are 100 billion. So, to us, this is really early stages for the amount of money that will be spent on generative AI.

Interview on CNBC FA Summit @5/22/2024

和訳(意訳含む)「我々は過去に何が起きたのか、何がアメリカのイノベーションサイクルを推進するのかについて調査したことがあります。信じられないかもしれませんが、アメリカにおける過去の最も大きなイノベーションは1948年から1957年と1991年から1999年の2度の期間で起こりました。これらの期間は、世界的に労働力が構造的に不足していた時期でした。つまり、労働者の中でも主力の年齢層が総人口よりも遅く成長していたため、賃金には上昇圧力がかかり、あるいは生産量を上げるためのイノベーションへの要求が高まったのです。そして現在、我々は同様の労働力不足サイクルに突入しており、今回のサイクルは2045年まで続くと見られています。ということは、新たな技術革新が進行中だろうと推測されます。
これをご覧になっている視聴者に伝えたいのは、ただ単にNvidiaが現在重要なチップを生産しているからNVDA株を買わなければならない、といった短期的なことではありません。もっと重要な点は全世界で8000万人のコア年齢層の労働力が不足し、3兆ドル分の賃金が浮く、という点です。Nvidiaの収益は1000億ドルですから、これはまだ生成AIへ費やされる費用が今後さらに増加する初期段階だと言えます。」

コア年齢層の労働人口という観点は依然にもTom Leeが説明していた視点で、このブログでも紹介させていただきました。(ただし、アメリカ国内の労働人口に限った話でしたが。)

今回のTom Leeの指摘は、全世界におけるコア年齢層の労働力不足であり、毎年3兆ドル分の賃金がどこに向かうのか、という考察です。


今後20年の世界を夢想する

全世界のコア年齢労働人口の将来予想を明確に示したデータは簡単には見つけられませんでしたが、おそらく1990年から2000年半ばまでの出生率の顕著な低下を基にTom Leeは予想しているのだと考えています。

World Births per 1000 and annual %change | United Nations - World Population Prospects

ここからは私個人が夢想するシナリオですが、Tom Leeが言うように”ヒト”の労働力が生成AIに代表されるような半導体チップ=”シリコン”に代替されることが今後の潮流となるのであれば、確かにこれまで”ヒト”に費やされていたコストの割合が減少し、”シリコン”に投入される費用の割合が増加することは論を待たないでしょう。そのとき、NvidiaやFANGに代表されるようなアメリカのテック企業が最も恩恵を受ける、というのは納得感があります。

翻って、一般の人間にとっての収入源は今後サラリーではなくなる可能性が高いので、結局株式などへの投資からの収入に頼ることになるはず。そのとき、我々はどこに投資するのか?→Nvidia!という、思いっきり正帰還回路な様相が継続しそうな。。。。

最後に

我が家には2人のTeenagersがいますが、このようなインタビューを見る機会が増えてきているので、できるだけ株などへの投資をするように勧めています。実際、彼らはすでに株式投資用の口座も持っており、ある意味ゲーム感覚で投資を行っています。サラリーに依存せずに生きていく術を身に付けて欲しいものです。

それでは。

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