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アフターデジタルガバメント(アフターデジタル#3)

このnoteはPodcastから一部抜粋した書き起こしです、全編はPodcastからどうぞ。

前回の続きはこちらから

https://note.com/tolero/n/n1c3d9e49e809


自分の個人データとの関わり方について

堀:今回はデータとの関わり方について話したいと思います。

奥田:はい。

堀:情報データが常時企業に届いているわけやけど、それについてどう思うみたいな、そこの身の置き方とかどう付き合っていくかについて話していければと。

奥田:まあやっぱりこの話はコロナのアプリの話をせざるを得ないような気はする、俺はまだ入れてないけど笑

堀:俺入れてて、スポーツ観戦行く時に入れといてくださいねって言われてるから入れてる。

奥田:そういうシーンがあるなら結構大事。

奥田:俺は結構面倒くささが勝っているねんけど。

森口:いや、俺もそうで、入れる動機が今のところ薄い。

奥田:その上でさ結局OSに入れた方が早くねっていう話があるじゃないですか。でもそうなった時にスマートフォンを使いたくない人が出てくるっていうのはあるよね。

森口:まあそれはそう。

奥田:前の不買運動の話もあったけど、それを使わざるを得ないストラクチャーになってる時にデータをどう考えるかっていう話やんな。


<帝国>の下の世界の中で


森口:まあでも企業がIOSとかに入れ出したりした時に嫌やった時にどうするんかな?

奥田:俺はある意味ナショナリズムの次の枠組みになるかなと思ってて、嫌なら出て行ってくださいのスタンスを取られるんじゃないかなと思ってる。でもそこで結構重要なのが感染予防みたいな公益のために使ってるのは、国家がやってることと一緒やん、つまり国家がガバナンスをきかせてたものがテック企業が担うところに変わってるよねっていうアフターデジタルの話は考えないといけないよねとは思ってる。

森口:まあそうなるよね。今ふと思い出したのが、アントニオ・ネグリとマイケル・ハートっていう哲学者二人が<帝国>っていう概念を出してて、国民国家があるけどそれを超えたどでかい権力みたいなものが出てきてて、それを<帝国>って言い表してるんやけど、<帝国>しか社会にない状態になった時に抵抗する戦略ないし集団をネグリとハートはマルチチュードって言い表していて、国民国家ありきで考えてた政治結社とか政党とかではなくて、<帝国>のシステムを流用してネットワーク上で連帯して抵抗運動をしていくしかないみたいなことを言ってるんやけど。Twitter上での不買運動みたいなものってマルチチュードみたいなことができつつあるんじゃないかなみたいなことを思ったんよね。

森口:ただマルチチュードに対する問題点として言われてるのが、アンチ〇〇でしか存在できてなくて、なんとなくの空気の連帯でしかないから簡単に解体されてしまうっていうのが問題点として言われててそれは確かにそうやなと思った。

奥田:それで思うのは、農村とか藩政とかは地域に偉い人を置いて領土を耕して頑張るみたいなのがあったけど、あれってwin-winの関係性がある程度あると思ってて、いい政策をすれば農民が頑張って収穫量が増えるし、農民も頑張ったらいい政策になるかもしれないみたいな、戦えるアーキテクチャーになってるけど、イヴァン・イリイチっていう哲学者が言ってるコンヴィヴィアリティと言う概念があって、日本語にすると「自立共生」っていう概念やねんけど、近代化で機械が発達した結果人間にとっての生産はボタンを押すことになったと言うのがあって、そうなった時に大きい権力と戦えなくなるというのはあって、生産性が高まった結果サボってもある程度の生産性が出てしまうことになったと。そう言う意味での自分で自分の身体を使役しての生産活動に戻るってのは権力との闘争のためには必要なのかもしれないと今思った。

森口:どう抵抗するかって言う話やんな。

奥田:そうそう

森口:それは、例えば今ストライキを起こしたり、デモをやったところであまり影響がないというか打撃になってないと言うようなところでどう権力に抵抗するかってことやんな

奥田:そうそう、打撃にならない要因としての生産性向上があって、そこからただ時代を戻すだけでなくて、これから再び権力との綱引きの関係に戻さないといけないよねって話。

森口:デモとかは国家に対しては今効いてないけど、企業に対しては比較的効いてるよな。

奥田:それはまさしく需要が細分化した社会で顧客に離れられると企業はしんどいっていう綱引きの関係ができてるからだと思うよ。

堀:データを吸い上げられるだけじゃなくて、吸い上げられる側の立場の人が抵抗する方法とかできるようなアーキテクチャーを作れるといい関係になるんじゃないか、と言うような話ね。

奥田:でもそれは民営の営利企業は難しいと思うから国家とかそれこそ<帝国>的な権力にそれを反映させる方法を考えれると結構インパクトはあるんじゃないかな。


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