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ユーミンとタイムトリップ

八王子のスター、というとなんかダサくなるけど八王子出身の私としてはユーミンのヒップさは都会へ出たい気持ちを少なからず刺激した気がする。
八王子駅から徒歩5分程にある荒井呉服店の娘として生まれるも、十代で当時米軍がまだ駐屯していた立川の基地に出入りしたりとてつもなく早熟していたユーミン。当時は1960sとか?
(最近だとスーパーオーガニズムのオロノは15歳くらいで渡米してるけどなかなかの逸材だわ。)
ユーミンのその高飛車な感じがかっこよ過ぎて、彼女の作る歌ってはのちょっと魔法がかっている。
八王子への帰路である中央高速道路を中央フリーウェイなんておしゃれな音楽に変えちゃう感じ。

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そして、ここからが「タイムマシーンツアー」の感想。
2019年3月13日の武道館公演へ行きました。
まずは、親近感のあった中央フリーウェイはやらなかったけど、
どこか懐かしい80s匂のする音楽たちが胸をくすぐった。
正直大学生くらいになってからはもっぱら荒井由実リスペクトな感じで、
その辺あまり好んで聴かなかったけど、玉手箱を開けたように懐かしい記憶が蘇るような。
それは母親のお腹の中?いや、子供の時親のカーステレオから流れていたカーミュージック?
「夕涼み」とか懐かし過ぎるんだけど!
うちはいたって普通の家庭だけど、古くはド派手な赤のCIVIC、父親は赤いジャンバーとか着ていたっけ。
ヒップなユーミンとバブルの名残りのいけいけドンドン感。
そして、武道館を見渡せば観客は親世代ばかりではないか。

ユーミンの歌詞は別れの歌多いけど、ここに来ている人たちもかつての恋や、パートナーとの淡い思い出なんか回想してるのだろうか。
そんなことを思いながら聴いていると、胸が熱くなってたまらなかったのです。
ここにいるみんなの心の中にあったタイムカプセルがぽかんと開いて、
1万人のお客さんが何かじんじんするもの思い出して今日帰っていくのなら、なんて素晴らしいことでしょう。
勝手にみんなの若かりし頃を想像しちゃったりして、クスクスが止まらなくなったり。
何だか生きることの素晴らしさってのは、そういった感受性なのかなって
思わせてくれる素敵な曲なんだわ、ユーミンの曲は。

そして素晴らしいのはユーミンの楽曲だけでなく、ショーの完成度も外すことはできない。

これは過去のライブに通っている人なら予想していることなのだろうけど、
もはやサーカス的演出を取り入れており、プロダンサーがロープにぶら下がってダンスをしたり、空中でシンクロナイズドスイミングをしているかのような演出。
武道館の全角度から見えるセンターステージの演出に、これぞスターか!
という目からウロコの初めての体験でした。
これは、フジロックでケンドリックラマーが小ネタ入れたりしてたけど、
演出だけでいうとそんなのままごとのようで。はたまたビョークもレディーガガもそこまで出来ていなくない?一度見せた方がいいんじゃない?って少なくとも自分が見えてきたライブと比較したらそう思っちゃう素晴らしい演出なのね。
お金かかるだろうし大変だろうけど、人を使ってここまでやるのは純粋にすごいことだ。観客思いでもある。
そんな若返りエクスペリエンスと劇場型感動に包まれて、
最後は名曲中の名曲で畳み掛けて、アンコールに「ひこうき雲」
「やさしさに包まれて」を弾き語りver.でじっくり聴かせてくれたのもいい。

これは普通のアイドルとか歌がうまいだけの歌い手では到底出来ない
シンガーソングライターの仕事だと私は思いました。
そんな曲を自分も生み出したいです。
そして、ユーミンはいつの間に埋もれてしまった、あるいは錆びついてしまった心にときめきをもたらす魔法使いなのです。

次のツアーも行きたいかって言われたらこりゃ行きたいし、

もっと聴きたかった曲多過ぎ!

卒業写真、リフレインが叫んでいる、14番目の月あたり、いや、数えきれない。

だって38枚のオリジナルアルバムあるんだって!

恐るべし松任谷由実!日本のスーパースター!LOVE!

セットリスト気になる方はこちら

※2019.3.14の東京ゾンビブログ記事を再掲



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