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【エピソードZERO】支配者たちの会話を盗み聞く

「支配をするためには奪う必要がある。与えるのではない。奪うのである。罪の意識、責任の意識、帰属意識などすべては税金を徴収することで隷従する意識が生産される。奪えば奪うほど支配というシステムは強固に作動する。だから何も与えるな。それが鉄則だ」

「そうさ、奪い続けたって誰も反抗なんてしやしないさ。どれだけ奪われ続けても隷従しかしないから。それが支配される者の与えられた役目だ」

「それがシステムの本質だ。システムが出来上がると支配が誕生する。システムと支配は同義なんだ。そして実は支配に上下関係はない。支配とは上下関係だと思うだろ。でも実際はそうではない。支配するものと支配される者のどちらもシステムと同義の存在なんだ」

「フランス革命は?」

「ありゃ、失策だ。支配の調整に失敗したら、そんな支配者はもう用無しだ。調整を怠れば革命が起きるってことだな。まぁ、支配政策は経済政策と同じさ。経済政策ならどうする。ハイパーインフレにならない程度に物価上昇を抑えればいいんだ。革命が起きない程度にガス抜きしつつ、税金を奪い続ければいいだけのことさ」

「じゃあ、民衆に与えるときは、どういうときですか?」

「黒人の奴隷だって、女性の権利だって虐げられてた者たちが勝ち取ったんじゃない。誰もが愚かなことだとわかっていたし、理不尽な制度だと気づいていたさ。虐げられていた者たちの権利は既得権を得ていた者によって与えられたんだよ」

「与えるのはガス抜きか、もっと大きな何かを奪おうと思う時だ。奥の手だよ。支配するのに新しい道具を見つけたときもそうだ。支配する道具はたくさんは要らないからな。古いものは用無しさ。金だけのことじゃないぞ。新しい発見、新しい理論、新しいテクノロジー、インターネットもそうだ。与えるってことは当然、ゴソッと大きく奪いたいときだ。与えること自体が大きなリスクだからな。極端に大きな何かを奪いたい時に目くらましとして与えるのだ」

「与えるのはそんなにむずかしいことなの?」

「そうだな。与えると反抗しだす者も出てくるからな。これが面白いところだが、人は奪われると従い、与えれば反抗する。何を奪い、何を与えるかが支配者の腕の見せ所だ。うまくやらないと支配構造の存在に目をつけられる。システムと支配はセットだからな。そもそもここがシステムという概念に支配されたシステムの無限地獄ってことを忘れるな」

◇◇東京ハバナの理屈の想定外のコーナー◇◇
東京ハバナです。私は制作会社でコピーライターをしていますが、大学の時に哲学科の友人と出会ったため、いまだにその影響を受けているらしい。当時の私のような若者にとって哲学は劇薬だったらしい。
三文もの書きをやりながらずっとこんなことばかり考えています。いま生きている人間が誰も到達していない領域があるとするならば、誰も行き方を知らないのだから、誰かが辿り着くのを全人類が待っていることになる。全ての人が自分のやり方で探せば、きっといつか誰かが見つけるだろう。
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