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【MLBトレンド解説】何で最近Nickelbackが流行ってるの?

注:本記事にはヤンキースはおろか、野球そのものの話も殆ど出てきません。限りなくネタ記事に近いです。
注2:本記事に貼り付けている各MVは肌の露出が多いので、閲覧は自己責任でお願い致します

Nickelbackとは?

Nickelback(ニッケルバック)は1995年に結成されたカナダ出身のバンド。
リードはChad Kroeger(チャド・クローガー、本記事で多く登場する金髪ロン毛の男性)で、ジャンルはロック、2000年代に数々のヒット曲を生み出して大流行しました。
一番有名な曲は2002年にリリースされた "How You Remind Me":

このNickelbackが最近何故かMLB関連のSNSや、実際に球場でも曲や関連ビジュアルが多く見られますが、使用例を紹介した上でその由来や理由について解説したいと思います。

一連の出来事

ナショナルズ・メッツ編

全ての事の発端は日本時間5/31に投稿された、ワシントン・ナショナルズ公式ツイッターの以下ツイート:

直訳:メッツに沢山ヒットが出たが、それはNickelbackにも言えること

ここ数年多くの公式ツイッターで流行っている、「大差で負けた時に最終スコアをネタで誤魔化す」系のジョークですね。(スコアは13-5)
メッツがヒットを16つも叩き出したことと、Nickelbackがヒット(曲)を沢山出していることを比較して、
「確かに沢山ヒットを出せたのは良いが、それは別にNickelbackでさえ出来ること」
というニュアンスで小馬鹿にしています。

次の日、その日の試合も制したメッツは公式ツイッターにて反撃をします:

直訳:今夜Nickelbackより多くヒットを出しました #メッツ勝ち #LGM

更に、ナショナルズも前日のNickelbackジョークを謝罪する(ネタ)ツイートを投稿しました:

解説:「Nickelback謝罪フォーム」という体で、宛先は「Chad Kroeger及びNickelback」としており、
「このような言動を起こしてしまった理由」として
・メディアの影響でオワコンだと信じてた
・実際ライブへ行ったことない
・ネットミームしか見ていなかった
・Nickelbackに嫉妬をしていた
・水星逆行中だった
・音楽センスがない(ここだけチェックされておらず)
を挙げ、最後に
「これよりNickelbackに最大の敬意を払、今後は史上最強のロックバンドを見下すことはしません」
と締めています。

これに対して、メッツが更に直接リプを送ります:

解説:"Look at this photograph"はNickelbackのヒット曲「Photograph」の冒頭の歌詞で、球場ビジョンにコラされている画像は当該曲MVの最初のシーン。
歌詞の直訳は「この写真を見て」で、画像の中の写真フレームには「Mets Win」という文字が更にコラされているので、要にはあてつけです。
(曲及びMVは下記ご参照)

この次の日も両チーム間の試合はありましたが、Nickelback関連の煽り合いはこれで終わり、一度きりのネタで終わったと思ったところで・・・

エンゼルス編

その1週間後、突然Nickelback波に全力で乗ってきたのがロサンゼルス・エンゼルスでした。

当時13連敗中だったエンゼルスが、日本時間6/9の試合で連敗阻止策としてなんと全打者の登場曲をNickelbackのヒット曲に変えました

※大谷翔平選手は前述の"Photograph"が割り当てられた模様

しかし渾身のプランは実らず、結局1-0の惜敗で14連敗を喫してしまったエンゼルスは多くの著名記者にジョークの対象となります

訳:エンゼルスは連敗阻止の為に登場曲を全てNickelbackの曲に変えた。
それを聞いた野球の神様らは耳から出血し始め、罰を下した
レッドソックスに1-0で負け、連敗は14になり、Mike Troutはまだ股関節の怪我で様子見中の為出場できず。
訳:エンゼルスは1-0でレッドソックスに敗北。
これで球団新記録の14連敗。
Nickelbackの曲Rockstarから歌詞を借りると、「9回裏にいて、絶対に勝てない感じ」
エンゼルスはまたいつかは勝てるかもしれない。
これで27勝31敗。

※RockstarのMVはこちら:

そしてエンゼルス公式ツイッターも諦めのネタツイを投稿:

これを見て野球の神様が流石に可哀想と思い始めたのか、次の日にはエンゼルスが15試合ぶりの勝利を収め、漸く連敗を阻止しました

歴史的な連敗脱出を記念して、著名記者Passan氏が自作(と思われる)の"Photograph"替え歌歌詞を投稿しました:

訳:この写真を見て、いつも見ると笑える
エンゼルスが漸く試合に勝てた、もう2度と同じ様には戻れない
14連敗をし、途中にはジョー(マドン監督)をクビにした
必要だったのはイカちゃん(ベラスケス選手)のホームランと翔平の好投
あとはキッド(トラウト選手)が帰ってきてくれ

しかも深夜テンション(?)で歌ってもくれました(笑)

何故Nickelbackはここまでネタにされるのか?

既にお気づきかと思いますが、この一連の流れでNickelbackはひたすらネタとして取り上げられ、全方向から馬鹿にされるかなり可哀想な存在となっています。
本記事でも途中で何個か紹介をしてきましたが、彼らの曲をお聞きになった方であれば「少なくともここまで酷評される程悪いバンドではない」と思われるはずです。普通にキャッチーな曲が多いですよね。
では何故ここまでネタとなってしまっているのか、簡単に説明をさせて頂きます:

Nickelbackを馬鹿にすること自体がネタとして確立されている

まず最大の理由がこれです。
日本でのわかりやすい例を言うと、某銀行のシステム障害回数と某国のミサイル発射回数を「ホームラン競争」と揶揄するネタが一番近しいかもしれません。

でもそれ以前にそもそも何故馬鹿にされることになってしまったのか?

曲がワンパターンの量産型ヒットが多く、浅はかとされる

突然真面目な話になりますが、根本はここにあります。
これは彼らのカタログ全体を聞くと、まあそうかもねと思ってしまいます(別に音楽評論家でも何でもないですが)。
しかも同2000年代に流行った同ジャンルの曲の中でも一番特徴がないというか、万人受けする無難な感じはありますよね。
勿論好みの問題もありますが、この点については完全に的外れではないとは思ってしまいます。

カナダ出身のバンドで、アメリカ人とカナダ人は常に小馬鹿にし合っている

本記事の話の舞台MLBもアメリカが中心となるスポーツなので、どうしてもアメリカ視点からの話にはなってしまいますが、このNickelbackネタも元はアメリカ発祥で、「カナダを馬鹿にする」という側面もあります。

というのも、アメリカとカナダは小馬鹿にし合うという文化が存在し、アメリカ人はカナダ人を「英語が変で全体的に時代遅れ」とし、カナダ人はアメリカ人を「デブでバカ」としています。
(完全なる偏見ですね笑 尚イギリスではアメリカ人を結構本気で見下している印象を受けます笑)

なので、その一環として「Nickelbackはカナダが産んだ最悪のバンド」「Nickelbackをカナダへ帰国させろ」等の調子でひたすらディスります。
ちなみに同じくカナダ出身のポップシンガーJustin Bieberも同じ扱いを受けていました。

Nickelbackを馬鹿にしていた世代がミーム創作/消費人口の大部分をしめている

Nickelbackの全盛期が2000年代でしたが、ネタバンドとして確立されたのは2000年代後半でした(KZilla経験談)。
この時期に中学生〜大学生だった世代(勝手にNickelback世代と称します)が今や20代半ば〜30代初旬となっており、ネットの発展と共に育ってきたこともあり一番ネットで活動的な層かと思っています。
特にミームやネタを献身的(?)に作り上げてきたのはこの世代なので、リアルで最大級のネタであったNickelback叩きがネットにも浸透するのは不可避だったと思います。

まとめ:特に伝えたいメッセージはありません

このネタ記事のために1時間以上かけてしまったのを若干後悔しているので、面白かったらいいね!やコメント/リプを頂けると少しは報われる気がします。

最後に思い出しましたが、そういえばNickelback本人らがエンゼルスを引RTし、アイスホッケーのアドバイスをするという渾身のカナダネタを披露しています。
(「カナダ人はアイスホッケーしか興味がない」というのもよく使われるネタです)

そしてエンゼルスが連敗を止めた際には「どういたしまして」と手柄を勝手に持っていきました。

おまけ:KZilla的3+1選

前述のHow You Remind Me, Photograph, 及びRockstarの3曲は勿論ですが、それ以外でおすすめの3曲を載せておきます:

楽しくパリピしたい時:This Afternoon

運動前等に気合を入れたい時:Burn it to the Ground

好きな女の子に告白/求婚をする前にテンションを上げたい時:Gotta Be Somebody

追記:Into The Night (Santana feat. Chad Kroeger)が神曲

引用: New York Mets, Washington Nationals, Los Angeles Angels, Nickelback公式SNS他

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