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【アメリカで学ぶ②】クラスで一番の落ちこぼれ学生

34歳の秋、私はもう一度学生になった。

10ヶ月の息子が寝た後、夜な夜な学校に通い英語の勉強をすることにした。

<以前の話はこちら↓>

ドキドキのクラス分けテスト

夜間クラスに通おうと決め、早速学校のコーディネーターにメールをした。

妊娠中に1ヶ月半ほど通ったことがあるので、私は休学学生扱いになっていた。

この時、私が通うことを決めたのは、Adult Schoolという大人学びを支援するアメリカの公共教育機関。費用が完全無料なのに加えて、地域で一番大きい学校なのでとても人気だ。

入学するためには、決まったオリエンテーション日に長い列に並び、応募人数が多い場合は抽選になる(私が入学登録をしていた時は、先着順だった)

休学学生はオリエンテーションを再度受ける必要がないらしく、別のルートで授業再開ができた。

妊娠中に学校に駆け込んでおいて良かったー。

クラス分けのために、CASASテストというパソコンで答える選択式のテストを受ける。

CASASテストのサンプル (https://www.casas.org/)

難しいテストではないが、日本人に馴染みのあるTOEICなどのテストとはちょっと違う。アメリカで暮らす上で必要なもの、処方箋や申込書、マンションや職場からの案内文など、日常生活で使いそうなものがたくさん出てくる。アメリカ生活が短い人は、単語の意味が分からず問題が解きにくいと感じる人もいるかも知れない。

2度目のCASASテスト、出産と育児で間が空いていたので、以前より点数取れないだろうなとドキドキしながら試験を受けた。

しかし、結果は、まさかの前より点数が上がった、笑。

育児の合間、英語日記を書いて勉強したり、夕食の時間を使ってフレンズを見て勉強したり、ネイティブの友達作りに励んだ効果がしっかり出ていた。

やはり、努力は裏切らない。


<私が英語を話せるようになった英語日記の書き方はこちら↓>


無事In-person授業の席を確保したが…

Adult Schoolに入学するためには、CASASテストによるReadingスキルの確認以外にも、面談によるListeningとSpeakingテストがある。

私は以前の結果があったからか、このテストはパスになった。

希望するクラスを言い、空きがあるか、他にはどんなオプションがあるかなどを確認した。

ありがたいことに、希望していた In-personの授業に席があった。

しかも、まさかの、以前よりも更に上級のHigh Advancedクラスという、学校で一番上のレベルのESLクラスに配置となった。

「ほんの少し背伸びした感じになるけど、チャレンジしてみる?」

コーディネーターからの提案に、一瞬迷ったが、やったるか。

少し背伸びするぐらいが、ちょうど良い可能性もある。

とりあえずは、 In-person授業の席が確保できただけ大きな収穫だった。

みんな、何でそんなに英語話せるの?!

クラスの初日、あの高揚感を今でもはっきり覚えている。

夕方6時ちょっと前に息子の寝かしつけを終え、学校に向かった。

担任は私と同じ歳ぐらいの若い女の先生だった。

出席も割と自由だからか、学生数はそれほど多くなく、10人前後の小さいクラスだ。

先生の授業の進め方はとてもインターラクティブで、授業の中で何度も他の生徒たちと話す機会があった。

そして、びっくりするほど、みんな英語が話せる。

先生の質問に対して、黙っていたり、単語で答える人は一人もいない。

みんな、しっかりとした文章で答えていて驚いた。

私はというと「この単語ってどんな意味?」と聞かれても、似た単語を言うので精一杯。

「あなたはどう思う?」

と聞かれても、「うーーん、分からない」とか「さあー」とか、そのピンチから逃げてしまう悪い癖がついていた。

ディスカッションの場面になっても、上手く自分の意見が言えない…。

悔しいけど、頭の中は文法がぐちゃぐちゃ、真っ白になって簡単なことすら英語にできない。

しかも、日本で長く住んでいたこともあって、「察する」や「空気を読む」といった非言語コミュニケーションに慣れてしまった私。

日本では、あえてはっきり言わないといった場面も必要だったけど。

ここは、アメリカ。
世界各国からクラスメイトが集まってきている。

全く違う文化圏のクラスメイトに、日本のコミュニケーション方法は全く通じなかった。

「何も話さないことは、何も思っていないこと」
そう思われていたと思う。

みんな、私をシャイな子だと思っていただろう。

私は完全にクラスで一番の落ちこぼれ学生だった。

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