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私の旅に必要なのは "台所"でした

仕事を1ヶ月休んで、日本を放浪すると決めて、最初に向かったのは、九州の長崎県でした。

無人島で一晩過ごし、旅に出てまだ数日しか経っていないのに、発見と気づきがたくさんです。

▼日本放浪旅をすることになった話▼

▼無人島で生理的欲求と安全の欲求を渇望した話▼

無人島から有人島に移り、そのままの足で、長崎港に向かいました。

もう少し長崎県にいるつもりです。

次は、独身時代に住んでいたシェアハウスで出会った友人、つばさくんの故郷、五島に行きます。

朝早い時間だったのに、つばさくんが長崎港まで見送りに来てくれました。
優しすぎて感動。ありがとう。

一緒に五島行きたかったな。次は一緒に行こう。

荒れた海さまのいたずら

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しかし、ハプニングは突然訪れます。

「時化」

初めて見る漢字。全く読めませんでした。

海が荒れすぎているので、欠航とのことです。

つばさくん曰く、1ヶ月に1〜2回はあるらしいです。
なかなかの確率。さすが私、何か持っているようです。

直近の高速船は欠航ですが、もう一つ先の高速船はまだ未定とのこと。
しかし、予想できる状況ではない。

どうする。

「1時間後に出発するフェリーなら条件付きですが運航予定です」

条件付き運航とは、これ以上進むことが難しいと判断したら、出航元の港に戻るということらしいです。

他に選択肢はなさそう。
フェリーに乗ることにしました。

高速船で1時間半かかるはずの五島への移動が、4時間になりました。

五島に着くのは午後5時近く。

今日は何もできなさそう。

でも大丈夫。移動も、ハプニングも、全て旅の一部だから。
楽しんでいこう!

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フェリーは雑魚寝スタイルだけど、枕も毛布もあってかなり快適。
思いもよらなかった空白の移動時間ができたので、ゆっくり文章を書いたり、絵を描いたりしました。

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そして、自分を褒めてあげたいことが一つ。

念のためと思って、船に乗る前に酔い止めの薬を飲んでおいたのですが、これがすごい良かった…。

陸から離れて海のど真ん中に行くと、見たことのないレベルの荒れた海がありました。

船は、ものすごく揺れました。
歩くことはほぼ困難で、デッキとお手洗いは船酔いの人たちで、大変なことに…。

これで、一つ、新しいことを学びました。
条件付き運航の船に乗る前は忘れずに酔い止めの薬を飲もう。

五島の端っこへ

フェリーは長崎港に引き返すことなく、無事、福江港に着きました。

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真っ先に向かったのはレンタカー屋さんです。
レンタカーなんて何とかななるでしょうと、数日前までのんびりしていたら、全然空きがなくて焦りました。
片っ端らから電話をかけて何とか予約できたレンタカーです。

福江島は小さな離島です。
車がないと何もできません…。

島内は、車の数も限られるので、早めに早めに準備すると安心です。

※注)長崎からレンタカーを借りてフェリーに乗ってそのまま五島に行くこともできます。私たちは日程的な事情でこの方法は取りませんでした。

レンタカーの次はスーパーです。

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つばさくんに教えてもらった、福江港のすぐ近くにあるとれとれ市場に行きました。
五島で取れた魚や野菜などを激安な価格で買えます。

五島で一番栄えている場所は、福江港周辺なのですが、実は、私たちが泊まる宿は、西の端にある荒川という地区にあります。

予め、オーナーの方から、「周りには飲食店も、スーパーも何もありません」とメールをいただいていました。

だから、食事は、福江港の近くで済ませて行くか、買って行くしかありません。

何で、こんな場所に宿を取ったかって? 

島での生活を一番感じられる場所だと思ったから。
少し不便でも、静かに島時間を楽しめる場所に行きたい。

荒川はそんな私のイメージにぴったりの場所でした。

五島にできた私の台所

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@ ネドコロノラ  / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

今回、五島 福江島で私たちが泊まったのは、ネドコロノラという古民家ゲストハウスです。

横浜から移住された女性オーナーお二人で、築90年の古民家をリノベーションして作られたそうです。

周りには何もないですから…に、実はちょっと心配していました。

しかし、着いた瞬間に、歓声をあげました。

必要なもの全部あるじゃん!

キッチンはとても充実していて、調理用具と大きな冷蔵庫、調味料も豊富にあって、お米も量り売りで買えます。全く困りませんでした。

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二人でいつも通りの食事を作り、食卓を囲んで乾杯をしました。

夜ご飯も朝ごはんも、自分たちが食べる分だけ、島で取った魚と野菜を食べました。

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素朴なご飯だったけど、とても美味しくて、すごく気持ちが満たされた。

旅先で、こんなに料理をしたのは初めてです。

旅先で自分の台所ができたのも初めてです。

そして、ふと気づきました。

私の旅に必要だったもの、それは"台所"かもしれない。

暮らすように旅するは "日常の延長線"

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@ ネドコロノラ  / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

最近、"暮らすように旅する"という言葉をよく聞くようになりました。

こういうご時世なので、長期滞在型の旅行が人気になり、以前よりも長期滞在プランを出されているホテル・旅館さんも多いようです。

私たち夫婦は二人ともリモートワークが可能な会社で働いているので、そういった長期滞在プランを何度も検討しました。

しかし、一度もホテル・旅館の長期滞在プランを使って泊まることには繋がりませんでした。

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@ ネドコロノラ  / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

短期の旅行と、"暮らすように旅する"はその体験価値が全く異なる。

長く滞在するのであれば、そこは私にとっては、旅先を超えて日常の延長線です。

"違う街にいるけれど、いつもの暮らしがそこにある"という生活感こそが、"暮らすように旅する" の価値かもしれません。

個人的には、リゾートホテル、高級旅館をそのまま長期滞在に切り替えるだけでは、"暮らす"というイメージが持てませんでした。

それは、リゾートホテル、高級旅館で体験できる上質なおもてなしが、夫婦にとっては非日常過ぎる(≠日常の暮らしではない)ためだと思います。

おもてなしではなく、自分たちで身の回りのことを自分たちでやれる環境こそが、普段の暮らしに近いと感じます。

自分たちの食べる分だけの食糧を手に入れて、ご飯を作って、お片付けをして、洗濯をして、洗濯物を干して、畳んで。

こんな日常の当たり前な生活が旅先に存在した時、初めて、"暮らすように旅する"って良いかもと思いました。

美しすぎる島の記憶

今回の旅、五島に行くまで、ガイドブックなどは買わず、ネットで調べることもなく。

ただ一つ、つばさくんに教えてもらったおすすめリストを片手に、いろんな場所に散歩に出かけました。

島に来る時の荒れた海とは無縁の、晴天。
青い空と日差しが本当に気持ちよかった。

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@ 高浜海水浴場 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3
五島の男、つばさくんのおすすめメモを添えて。

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@ 高浜海水浴場 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

夏になったら絶対また来たいと思いました。
エメラルドグリーンの海で泳いでみたい。

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@ 水の浦教会 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3
五島の男、つばさくんのおすすめメモを添えて。

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@ 水の浦教会 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

水の浦教会の美しさに、惚れました。
教会の裏にある坂を登ると、教会と港が見える最高の見晴らしと、色鮮やかなたくさんのお花と出会えます。

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@ 鬼岳 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3
五島の男、つばさくんのおすすめメモを添えて。

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@ 鬼岳 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

風が強くて、ピクニックは無理だったけど、絶景過ぎて、最高だった。
軽い山登り気分で運動不足解消にもグッド。

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@ 堂崎教会 / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3
五島の男、つばさくんのおすすめメモを添えて。

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@ 堂崎教会の近く / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

堂崎教会は本当に良かった。外見のみ撮影可能だったけど、内部の展示が素晴らしく勉強になりました。

そして、近くにある海がすごく綺麗で、島に来てる!と実感させてくれる景色でした。

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@ こふひいや / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3
五島の男、つばさくんのおすすめメモを添えて。

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@ こふひいや / Nikkon Z 5 + NIKKOR Z 24-50mm f4-6.3

もちろん、こふひいやにも行きました。
ケーキおいし過ぎて泣きました。

らっきょうandまなみさん

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滞在中何度も、宿の近くに住んでいるというオーナーのまなみさんが来てくれました。

荒川を盛り上げたいと思い、ネドコロノラを始めたというまなみさん。

「五島は毎年200人以上、移住されている方がいると聞きました」

「そうなんです。同世代の人たちも多くて、今度友達が荒川に来るので、本当に嬉しい。友達が移住するのが一番嬉しいです」

素敵…。

どんな壮大な夢よりも、とても人間的で素敵だと感じました。

人の夢を、喜びを、少しだけ分けていただいた気がしました。

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五島 荒川での最終日の夜は、晩酌の時いただいたご近所さんからのお裾分け、らっきょうと共に。

忘れられない "暮らし体験" を提供してくれた、ネドコロノラさんに感謝します。

ありがとうございました!お世話になりました!

そして、たくさんおすすめの場所を教えてくれた、つばさくん、ありがとう。


【五島で泊まったゲストハウス「ネドコロノラ 」】

Hyun(ひょん) | Tokyo Hyony
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