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"教育機会確保法"と"不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)"

2016年12月に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)」

多様な学びを選べる社会を求める人々にとって、重要な一歩を法の枠として作ることができた、とても意義のあることでした。

そして、2019年10月25日「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」が出され、
『不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。』
という文言が記載されたことも大きなことでした。

TFNの共同代表で、教育機会確保法の成立にも携わった奥地圭子氏が寄せた文章(一部)をご紹介します。

 「教育機会確保法」が成立するまで、教育を受ける権利、学ぶ権利を満たすためには、「学校」に出席する道しか正規に認められないできました。その「学校」も、学校教育法一条に規定している学校を指しており、教育内容は文科省が決めている学習指導要領をふまえて行われてきました。
 日本では80年代から不登校が急増しましたが、上記のことから「学校復帰政策」がとられ、子ども達は気持ちや状況を尊重されない対応に、辛かったり、自責感や不安で苦しい思いをしてきました。
 学びは学校だけではない、人には居場所が大事と、学校以外のフリースクールやオルタナティブスクールや市民達や親の会で自発的にはじまり増えていきましたが、公的な支援はなく、学校と二重籍、正当な学びと認められない等の課題に直面し続けました。
 教育機会確保法は、これらの状況を変えるためには、仕組みを変えないと、と考え、市民側が取り組んだ法律です。
 幸いに、当時、自民党議員だった馳浩さんを中心に超党派の「フリースクール等議員連盟」が結成され、反対があったり、審議がストップしたり、途中で馳さんが文科大臣になられ、座長が丹羽さんに変わったりしましたが、夜間中学の充実も含め義務教育段階での、普通教育機会の確保ということで不登校支援の法律ができました。
 これまでは不登校はあってはならないもので、学校復帰が前提でしたが、不登校の存在を認め、子どもひとりひとりの状況に応じて社会的自立への支援をしていく責務が国や自治体にあるとし、休みの必要性や多様な学びの重要性が明記されました。
 この法律の成立の背景に2016年、文科省は全国に「不登校は問題行動ではない」という通知を出しました。それまで問題行動の筆頭のように語られることも多かったので、大きな変化でしたが、確保法と学校復帰を前提とする旧通知の矛盾から、各地で混乱が起こり、私たちは何度も早い解決を訴え、文科省に働きかけてきました。
 やっと2019年10月25日、全国通知が出され、旧通知4本は廃止となり、名実ともに学校復帰のみを目指す制度ではなくなりました。
 親の会では、従来、学校との付き合いに悩む声が多かったのですが楽になっているのは大きな変化だと思います。また不登校支援であって、オルタナティブ教育まで含むものとはいえないため、真に学校選択ができるまでには、この法律を変えるか、新しい法律を求める必要がありますが、「学校」へ通うしか認めない体制を崩し、教育の在り方に幅が出せたことは、多様を認めさせる一歩になると考えています。

「教育機会確保法」のポイント、そして「義務教育」「教育を受ける権利」とはどういうことか、こちらの記事が分かりやすくまとめてくださり、参考になると思います。

教育を受けさせる義務は保護者に向けたものであり、
子どもは「教育を受ける権利」を有しているのです。

教育機会確保法、そして10.25文科省通知があり、だいぶ周知されているとはいえ、理念浸透にはまだ課題があり、学校復帰を前提とした対応をされて辛い思いをされている方の声も届きます。

法律や情報を活用して、誰もが安心して学べる環境を、共に創っていきたいものです。

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