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【新規パートナー募集!】テーマ「多文化・共生・コミュニケーション」についてー分断や孤立が進む社会において、互いを知り、関係性を紡ぐアートプロジェクト

「東京アートポイント計画」では、アートプロジェクトを展開するパートナーとなるNPO(NPO法人のほか、一般社団法人、社会福祉法人など非営利型の組織も含む)を募集中です! 

今回のパートナー募集では、これまでの東京アートポイント計画の経験を踏まえ、現在の社会情勢への応答、そして来るべき社会への準備として、以下のふたつのテーマを設定しました。

多文化・共生・コミュニケーション
分断や孤立が進む社会において、互いを知り、関係性を紡ぐアートプロジェクト。地域社会において、さまざまな文化を有する人々が生きやすいコミュニティづくりを指向するもの。

災間・減災・レジリエンス
近い将来に向き合うことになるであろう、個人では抱えきれない困難に備えるアートプロジェクト。地域社会において、社会や個人が抱える困難に対する対応力を養うもの。

このふたつのテーマから、地域の課題と向き合うNPOのみなさまとともに、アートプロジェクトが得意とする関係性づくり・仕組みづくりを目指します。この記事では「多文化・共生・コミュニケーション」というテーマに込めた背景をご紹介します。

コロナ禍を経て、さらに人々の分断や孤立が進む社会。その中で関係性を紡ぎ合うには?

現代の社会は、多様なルーツや文化的背景、言語や身体性など、異なる文化を持つ人々がともに暮らしています。2020年にはじまったコロナ禍は、異なるコミュニティや文化に属する人々との出会いの機会を減少させ、人々の孤立化や分断に拍車をかけています。

今回の公募テーマに「多文化・共生・コミュニケーション」を掲げたのは、アートプロジェクトによって、さまざまな文化を有する人々が生きやすいコミュニティづくりができるのではないかと考えたからです。

例えば、大文字の知識や情報としてではなく、リアリティを持って身近な「多文化」を発見し、体感し、身体化すること。異なる文化や身体性を持つ人々が「共に生きる」ことについて考え、議論し、試行錯誤すること。出会うとは何をもっていうのか、何のために出会うのか…など、「コミュニケーション」について思考を深めていくこと。そういった実験を重ね、これからの社会に向き合う手法を一緒につくっていくパートナーを募集しています。

今回のパートナー募集にあたっては、「異なる文化的背景を持つ人々が協働する術を探る」プロジェクトや、「コミュニケーション手法の異なる者同士が共創し、共在するあり方をつくる」プロジェクトを例にあげています。あくまで「例」なので、まったく同じ目的の事業とする必要はありません。今回のテーマに関連するものとして、東京アートポイント計画やTokyo Art Research Labで行ってきた取り組みをご紹介します。

国内に在留する海外ルーツの人びとの日常生活に焦点をあてた「イミグレーション・ミュージアム・東京」

撮影:冨田了平

「イミグレーション・ミュージアム・東京」は、『アートアクセスあだち 音まち千住の縁』の一環として実施している、地域に暮らす海外ルーツの人々との交流を通して行うアートプロジェクトです。足立区の空き店舗や教会、古民家などを会場に、作品の制作・展示や、海外ルーツの人々のスタイルに合わせたパーティ形式の企画などを展開してきました。

海外ルーツの人々の生活様式や文化背景をリサーチしたり体験したりしながら紹介するとともに、彼らの「文化」が日常の中で、いかに日本社会に「適応」したり、あるいは「保持」されていたり、はたまた「融合」していたり、という3つの様相から、多文化社会を多角的に探っています。

もやもやを探してーー境界線を問う研究者たちによるアートプロジェクト『東京迂回路研究』

『東京迂回路研究』は、「障害、ケア、労働、住処、ジェンダーやセクシュアリティ、国籍……社会のなかにある多様な生き方と、そのひとつひとつに引かれている境界線を丁寧にみていくこと」をテーマとしたアートプロジェクトです。社会における人々の「多様性」と「境界」に関する諸問題に、3年間をかけ、調査・研究・対話を通じてアプローチしました。

各地の、医療・福祉に関わる施設や団体等をリサーチし、その調査で得られた見解や視点をもとに、参加者とともに話し合う「もやもやフィールドワーク」や、「対話は可能か?」をテーマとしたフォーラムなどを実施しました。

スタディ1|共在する身体と思考を巡って-東京で他者と出会うためにTokyo Art Research Lab 東京プロジェクトスタディ

撮影:加藤甫

「東京プロジェクトスタディ」は、“東京で何かを「つくる」としたら”という投げかけのもと、「ナビゲーター」と、公募で集まった「メンバー」がチームとなり、リサーチや実験を繰り返しながら新たなプロジェクトの核をつくる試みです。

2020年度に実施したスタディ1「共在する身体と思考を巡って」では、写真家、ダンサー、インタープリター(通訳者・解釈者)とともに、身体性の異なる人々の世界に触れながら、“ことば”による表現だけではないコミュニケーションの在り方を探り、その可能性について考えました。「お互いの顔が見えないまま『出会う』『共に在る』」、「既存の『自己紹介』の手前にあるものとは?」などをテーマに、他者と出会うための実験を重ねました。

そのほか、東京アートポイント計画や関連事業のTokyo Art Research LabArt Support Tohoku-Tokyoの事例を知りたい方は、以下、Tokyo Art Research Lab「図書室」のページから、さまざまな記録集のデータがPDFでご覧いただけます(郵送をご希望の方は、着払いで送付可)。ぜひ、こちらもチェックしてみてください! 

ご応募お待ちしています!

以上が今回の公募テーマのひとつ「多文化・共生・コミュニケーション」のご紹介でした。今回の公募の締切は2月25日(金)17時です! 地域の課題へ、文化でともに向き合う、NPOのみなさまからのご応募をお待ちしています!

▼ 公募の詳細は↓からご確認ください。