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不妊治療を「頑張りすぎない」ために心がけた一つの考え方。

こんにちは。不妊治療経験歴のある臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタントのあやです。

この度、ありがたいことにwebメディア『オトナンサー』に臨床心理士・公認心理師として取材いただきました。

安心・安全な環境で感情を解放することも時には大切ですよ♫

さて、今回は

「頑張りすぎない(不妊治療)」

を取り上げてみたいと思います。
不妊治療や精神疾患に限らず、一般的なアドバイスで「頑張りすぎないでね」「無理しすぎないでね」ということを聞いたり、あるいはご自身もそう相手に伝えることはありませんか?
言われてほっとしたり、体に力が入りすぎている自分に気づくこともありますよね。
しかし、「頑張りすぎない」「無理しすぎない」というのは具体的にはどういったことを言うのだろうか、そう考えることはありませんか?
(私は幼いころからしつこい性格、いや、素直でない面倒くさい性格だからか…度々考えてしまいます。)

考えたきっかけ:私は基本的に体にイイことが苦手です。

そのものずばりなのですが…例えば不妊治療中のことでいうと、私の場合は特に運動が苦手で、頭ではその大切さをわかりつつもなかなかやる気が起きませんでした。
元々運動神経が悪く、幼少期から運動やスポーツができなかったので運動の「う」の字を想像するだけで憂鬱な気分になります。
けれども健康的な体づくりは不妊治療で体を整えるにあたり基本中の基本として推奨されていますよね。
再度申し上げますが「適度な運動」この字面だけで喉の奥がキュッとつままれるような苦しい感じがいたします。

苦手な運動にひとまず取り組んでみたら

こうみえて真面目な性格ですので、近所のジムにいき嫌々ながら軽めの筋トレ、ウォーキング、初心者向けのヨガから始めることにしました。
仕事終わりに行くのですが、仕事に行く前からアフターのジムが憂鬱で仕方がない。家に帰って漫画を読みたい、習い事の予習をしたい、お菓子を食べたい…そんな煩悩しかございません。
キャンペーンにつられてジムの月極会員になってしまったので、会費の元もとりたいという貪欲な煩悩も脳内でせめぎ合い、ひとまず週3日通うことにしました。

通い始めて1ヶ月…2ヶ月…続けました。
筋トレの効果は比較的出やすいようで、わかりやすく筋肉量が増えていました。体を動かしたあとは気分もいいし、運動後のお風呂タイムも気持ちよかったです。
…が、それでも「ジムに行くのが毎回憂鬱でたまらない」んです。
徐々に慣れるかと思いきや自分の場合はそう簡単にいきませんでした。
ジムに行く時間で、他にあるやりたいことができない状態ことがストレスでした。気が進まないことに時間を割かなければならないことが自分にとってはかなりの負担だったようです。

週3通っていたペースは週1〜2に落ち、コンスタントにジムに行けないことで罪悪感も出てきて、さらにジムから足が遠のく…。よくある3日坊主に毛が生えたような状況となりました。

そしてある日ふと感じました。
体に良くても心に良くないことであれば、それば心身のバランスが整った適切なアプローチではないかもしれないということに(都合よく)気づきました。

そして、特別な運動をしなくても妊娠できる人もいるのだから、それは必須条件ではなくない?とも思いました。
運動が嫌いなのは自分のせいなのに「なんで自分ばかり運動しなくちゃいけないのだ」というひねくれた思いもよぎりました。

そこで自分にとって適度な運動、つまり頑張りすぎない運動は何かを探ってみることにしました。

「頑張りすぎない運動」を模索

ふと学生時代のこんなことを思い出しました。
当時世界史で大学受験に臨もうと思っていたのですが、日本史も必修のクラスで困ったことがありました。そんなに暗記している時間も頭のキャパもない、と。第一日本史が苦手でやりたくない、と。
悩んだ末「日本史は受験科目ではないので極力勉強したくないが、赤点&留年は免れたいからほぼ教科書丸写しの最低限レベルのノートを作ってしのいだ」という思い出です。
もちろんベストではないのですが、自分なりにベネフィットとリスクを妥協させた行動だったと思います。(日本史の先生ごめんなさい)

運動も、心の負担にならない程度かつ体を動かす状態、つまり「納得のいく妥協点」を探すことにしました。

結果

心の負担にならない程度の運動を模索したところ、
「①夜寝る前にYouTubeでストレッチやヨガをする。」
「②週末30分程度のジョギングに連れて行ってもらう。
に落ち着きました。ジムはビジター利用に切り替えました。

①はリラックスできる範囲、もうちょっとやりたいなと思う範囲で取り組みます。②は自分としてはガッツリ運動なので、何かしらの強制力があった方がよいと思い、家族に半ば無理やりひきずり出してもらうことにしました。(そして終わった後はご褒美のジュースを飲みます。)
人を巻き込むと相手に申し訳なさを感じるのでおすすめです。

ジムに行っていた頃よりも体質改善はなされていないかもしれませんが、「運動をした達成感」と「やりたいことに時間を使える満足感」があり、運動に取り組む心理的ハードルが下がったので、これでヨシといたしました。

ヨシ!

結局「頑張りすぎない」とは(仮)

心理職として「頑張りすぎない」の状態を検討した結果、次のことが推察されました。(本当は運動をしたくなかっただけ)

  1. リスク(危険性)とベネフィット(利益)の均衡が取れている

  2. 心が病まない程度の行いである

  3. 自分が妥協案に納得できている

まだ他にあるかもしれませんが、こんなところでしょうかどうでしょうか。

完璧でない状態を自分自身「ヨシ」とできるかどうかがポイントと思います。また、そこは主導権を握って「ヨシ」としても良いのではないでしょうか。

他のことでまた検討してみたいと思います。
ちなみに不妊治療に運動の効果が出たのかと聞かれたら、運動を始めてからホルモン基礎値のデータが若干改善・安定したので、それなりに出たと思っています。

最後に

みなさん!
運動は体に良いので、苦手でなければ是非取り入れて下さい!

今回は以上です。

・今後取り上げて欲しいテーマがあればお知らせください。
不妊治療当事者の方(男女問わず)でも、ご家族や職場の方でも結構です。
参考にさせていただきます。
・心理学に関するメディア取材や記事監修も承ります。
ご連絡はtwitterDMもしくはtokyo.anone★gmail.com(スパム対策のため、★を@にかえてください)までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

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