マタニティマーク・妊婦さんを見るのがつらい時に心がけた2つのこと
こんにちは。5年以上の不妊治療歴のある臨床心理士のちむです。
前回の記事に思った以上の反響をいただきまして、普段30ビューほどしかないのですが200ビュー以上を頂きました。
ありがとうございます!
同じことでお悩みの方にも届けることができたならば、これ以上に嬉しいことはありません!
自己紹介の記事も書き直しましたので、よろしければご覧ください。
今回は、不妊治療中「妊婦を見るのがつらい」「マタニティマークをみるのがつらい」件について取り上げます。
不妊治療中、妊婦さん・マタニティマークを見るのが辛い時はどうしたらいいの?
不妊治療中の方、いかがでしょうか?
筆者は治療が上手く行かない時期や、不運が重なると、街中でマタニティマークをつけていらっしゃる方をみると憂鬱になる時もありました。
妊婦さんは何一つ悪いことをしていないし、彼女たちは体調不良で大変であるということを十分にわかりつつも…
心の中では
「なんで私ではダメなんだろう…」
「こんなに頑張っているのに報われないのはひどくないか。」
と他人と自分を比較して落ち込むことも多々ありました。
なんならそれがトラウマすぎて、
妊娠出産を終えた今でもマタニティマークを見ると少し緊張することがあります。笑
そして、なぜか上手くいかないときこそ妊婦さんと遭遇する率が高かったです。笑
街を歩けば妊婦にあたる、ではないですが、徒歩10分くらいの商店街を抜けるまでに6〜7人のマタニティマークが目に入った時には、まぁまぁ落ち込みました。
「少子化なんて嘘だよね」、「健康な20〜30代はあれが普通なんだろうなぁ」、「私は前世でこうのとりの狩猟でもしていて、鳥に嫌われているのかしら」と卑屈になっては「あぁ、こりゃぁカルテに『抑うつ気分、被害念慮あり』と書けそうだな」と一人落ち込む始末でした。
そこまで何も感じない時もあるのに、弱っているときほどあのマークはボディブロー強めでした。
(同じような体験をしている方、いらっしゃいますかね?)
そんな時に、2つのことを心がけて落ち込みすぎることをしのいでいたのでシェアしたいと思います。
結論からいうと、
1. つらいときは心ではネガティブな感情を出してもヨシとする。
2. 妊婦さん・マタニティマークが目に入らないように工夫する。
ことを心がけていました。
そもそも不妊治療をしている人にとって、マタニティマークは辛いもの?
不妊治療をしている方々にとってマタニティマークについてどのような印象を持たれているでしょうか。
ウェブ検索すると、そこにはさまざまな思いや意見があるようです。
マタニティマークが目に入っても比較的肯定的に捉えられるひとと、そうではない人がいることが見えてきました。
不妊治療中マタニティマークを見ても大丈夫、という人
不妊治療中にマタニティマークを見てもネガティブな気持ちになることはないという方の中には、妊婦さんからご利益が欲しいですとか、あやかりたいといった願掛けとしてみていらっしゃる方もいるようですね。
また純粋に赤ちゃんの誕生を待つお母さんに対して微笑ましく感じる方もいらっしゃるようです。
プライバシーの都合でここには紹介しておりませんが、Twitter (X)には、自衛のためにマタニティマークをつけることは納得できるといったご意見もありました。
不妊治療中マタニティマークを見るのがつらかった、という人
例えば1年半妊活をされたタレントの横澤夏子さんはこのようにお話しされています。
またこのようなお声もあるようです。
不妊治療中にマタニティマークを見ても「平気」という意見と「つらい」という意見の両方を探そうと心がけたのですが、「つらい」の方が圧倒的な多さでした。
わかっていたものの、改めて検索すると皆さん同じような思いをされていらっしゃるんだなぁと改めて感じます。
特に不妊治療専門のクリニックでマタニティマークをみると精神的にこたえるという意見も多く、私もそうだった経験がございます。
私が妊婦さんやマタニティマークを見るのがつらい時に心がけた2つのこと
1. つらいときは心ではネガティブな感情を出してもヨシとする。
え、なんだそんなこと?
と思う方もおられるかもしれません。
私は自分が妊娠しづらい体であるとわかった当初、妊婦さんを見た時に湧き上がる自分自身のドス黒い気持ちに理解を示すことすら難しかったです。
10代の後半にPCOSを指摘されてから20代半ばまでは、婦人科クリニックの待合室で待つ妊婦さんが羨ましすぎて直視ができませんでした。
頭の中では
「もしかしたら目の前の妊婦さんも大変な苦労をされて妊娠されて、いまここにいらっしゃるのかもしれない」とか
「仕事を途中で抜けなければならなくて大変なのかもしれない」
と相手を思いやらなくてはいけないと必死に状況を合理化し、表面的には理解を示すことで自分の羨ましいという気持ちに蓋をしていました。
それでもドロドロした羨ましい気持ちは消えなかったです。
自分と同世代や自分よりも若く見える女子が母子手帳を受付に提出したあとに体重測定をしているのなんかをみると「妊娠して体重測定したい〜」とか「ライフステージが変わっていいなぁ」などと感じておりましたし、ちょっとここでは書けないような卑屈な気持ちも見え隠れしては、そう思う自分自身の心の狭さにさらに落ち込みました。
心を扱う仕事をしているのに、自分の不快感ひとつ取り扱えないなんて…と情けなく思うことも多々ありました。
そのうち同世代の周囲の人たちが妊娠・出産ラッシュになるにつれて、都度頭で合理化をしようものの、だんだんと心の蓋がしまりきらなくなってきます…。
一つ一つのことに反応している時間もないくらいに、今日もどこかで妊娠・出産ラッシュの波にのまれて疲弊していました。
周りの同世代既婚者と会話するのも辛いときもありました。
最終的には、
「妊婦さんをみるのがつらい。マタニティマークをみるのがつらい。つらい、つらい、つらい、あーつらい!つらいものはつらいんじゃ!」
と、1人でキレていました。笑
…心の中は自由ですからね、途中からつらい気持ちをいい子ちゃんぶって合理化することをやめました。
合理化してもしなくても、自分は妊娠していないという現実は変わりませんから、「無理して」相手を慮ろうとしなくても良いのではないかと思った次第です。
「心の中は誰にも侵すことができない。
私が心の中のルールを決めてよいならば、ネガティブな気持ちが湧きあがっても心の中なら愚痴ってもヨシとしよう。」
そうと決めて以降、友達や知り合いの妊娠報告ラッシュで落ち込んでも、ひとしきり心の中でネガティブなことを心の中でぶちまけたあとは、頭の中でぐるぐる回っていた羨ましさや落ち込みが少しだけ小さくなったことに気づけました。
2. 妊婦さん・マタニティマークが目に入らないように工夫する。
ストレッサーがなければ、ストレスを感じる機会は減るのではないか?
そう仮説を立てて実践していたことなのですが、不妊治療がうまく行かない時は、妊婦さんやマタニティマークに遭遇しないような場所に身を置くなどの防衛策をとっていました。
妊婦さんやマタニティマークをみるのがつらい時に行った場所3選
例えば次の場所に積極的に出かけていきました。
① ジムやスパ・サウナ
妊娠したり子どもが小さなうちは行けないような場所はオススメです。
ジムのスタジオプログラムでヨガにトライする時間は、自分の体に集中して向き合うことができましたし、体を動かしているだけで体にいいことをしている達成感もありました。
得られるものも多かったです。
② ナイトスポットの開拓
美味しいお酒が飲める場所、コーヒー一本で夜まで勝負している喫茶店、本格的に中国茶を振舞ってくれる茶寮など、味覚・嗅覚・視覚を心地よく刺激してくれる場所をよく開拓していました。
最近はシーシャという水タバコ(ノンニコチンもあるようです)が流行しているようですので、元々愛煙家の方はシーシャバーの開拓もいいかもしれません。
妊娠するとアルコールやカフェイン摂取に制限がかかるせいか、ほとんど妊婦さんに遭遇しなかったように思います。
③ 習い事
筆者は台湾の中国語を学ぶことが好きで、集団授業をしてくれるスクールにも行っていたのですが、そこで勉強に没頭している時間はとても充実していました。
頑張れば頑張るだけスコアも伸び、上達も実感できるので、不妊治療中に抱きがちな「頑張っても報われない虚しさ」をひどく感じずに過ごすことができました。
妊婦さんやマタニティマークを見るのがつらい時に避けた場所3選
一方で、積極的にはいかなかった場所もあります。
① 優先席の近く
言わずもがなですが、治療がうまく行かない時に電車を乗る場合優先席を避けて座っていました。
つらい時は、それでいいと思います。
② 休日の大型ショッピングモール
休日はファミリー層で賑わうので、ショッピングモールに行く際は平日が休みの時あるいは有給を取った時に出かけていました。
つらい時は、それでいいと思います。
③ 平日日中のデパ地下
学生の頃都内のデパ地下でアルバイトをしていたときに妊婦さんを見かけることが多く、何人かにお話を伺うと、運動と気分転換を兼ねていらっしゃったとお話しされていました。
駅から歩いてすぐで空調もきいており歩きやすく、夜ご飯の一品と出産内祝いを探されているとのことでした。
実際に多いかどうかはわからないのですが、自分は平日日中に妊婦さんをお見かけすることが多かったので積極的には行かなかったです。
なぜならば、お見かけしたら「やっぱり見かけてしまった」と不必要な落ち込みがありそうだからです。
つらい時は、それでいいと思います。
④ 安産祈願の神社・お寺
子授けの願掛けに行く際は、子授けに特化した神社仏閣を探してお祈りしに行きました。
戌の日参りに力を入れている場所は避けます。
願掛けをしたいときは大体弱っている時なので、そこは無理をせず心穏やかに過ごせるところが良いと思ったからです。
安産祈願はいつか妊娠したらその時に行こうとというちょっとした目標にもなったかもしれません。
つらい時は無理をしない。
心の中はいつも自由でいよう!
外世界は見える景色を変えよう。
以上、妊婦さんやマタニティマークをみるのがつらい時に私が実践していた妊活ライフハックです。
一つは、つらいと思う気持ちを肯定してもよいと自信をもつこと。
もう一つは、弱っている時は無理をせずに見える景色を変えること。
それでもやっぱりつらい…ということであれば、もしかしたらゆううつ感が一過性のものではなく、心身の健康に影響が出ている状態かもしれません。
心の専門家に体調や心の相談されてもいいと思います。
最後に
・今後取り上げて欲しいテーマがあればお知らせください。
不妊治療当事者の方(男女問わず)でも、ご家族や職場の方でも結構です。
参考にさせていただきます。
・心理学に関するメディア取材や記事監修も承ります。
(2023年7月・8月 ウェブメディア『オトナンサー』に心理学に関する記事が掲載中!)
までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
思い立った時にいつでも・どこでもカウンセリングを受けられます。
臨床心理士によるオンライン不妊カウンセリング
カウンセリングオフィス東京anone
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?