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東京23区の屋上の総面積が気になった話……

こんばんは、東京アルプスの和氣です。
自粛下でちょっと楽しくなる発想ってないかな…
なんかどーんと、心が広くなるような。
とか思いまして、半眼白目を剥いていたのですが、
ふと、東京の屋上の総面積ってどのくらいあんの?
という疑問をもった。

論文見つけた

とはいえ、図書館とかは行ける状況にないので、とりあえず広大なネットの海にダイブして検索してみた。
すると、

「東京都23区における屋根面積の実態把握と屋上緑化可能面積の推計」
 泉. 岳樹* 松山 洋* *
日本建築学会計画系論文集 第581 号S3 −S8.2004 年7 月

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/69/581/69_KJ00004229303/_article/-char/ja/

といふ論文を発見!!
なんやなんや、と読んでみると、す、すごい。東京23区の屋上(陸屋根)の用途別、階層別の総面積を算出したものでした。

「傾斜のない陸屋根を緑化する際の面積の最大値」
「躯体構造が堅固な耐火構造建築物」
「建物ポリゴンデータやデジタル空中写真が整備され、ヒートアイランド対策でも先進的な取り組みを行っている東京都のうちの特別区(23 区)」

と条件を大前提に、統計的な手法?(すみませんこう言うのなんて言うのかよくわかりません)で「東京都都市計画地図情報システムの建物ポリゴンデータ(東京都GIS データ)」と言うものと、「デジタル空中写真の新宿区部分」を分析することで、割り出しているらしい。

「建物ポリゴンデータ」と言うのは

東京都GIS データは、都市計画基礎調査の結果に基づき作成されたデジタルデータで、建物の形状、階数、建物構造(耐火造、簡易耐火造、防火造、木造〉、土地建物分類(建物用途を大分類9種、小分類28種に分ifttO )等が東京都の全ての建物を対象に保存されている。
とのこと。こんなデータが、東京全ての建物にあるのねん…すごい。



東京23区の屋上の総面積は4,917ヘクタール!

4,917 ヘクタール!
これはどのくらいの広さかと言うと
江戸川区の4,990 ヘクタールに匹敵するという。。


ゴクリ。
なんかすごいことになってきたぞ。
屋上で一つの自治体形成できちゃうという。
東京都屋上区…。こりゃ屋上好きの皆さん、人ごとじゃないですよ。

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上図:同論文より引用

東京都、屋上区

そこで気になるのは、我々東京アルプスでプロジェクト展開できそうな総面積がどのくらいあるのかと言うこと。
上記の総面積には、1~2階建の低層のものや、住居用途のものなども入っているため、流石にこれは交渉の余地がなさそうだ。(いや、それ以外も簡単に交渉などできないけれど、夢を見させてください)
そんなわけで、アルプス開拓可能性屋上の面積を計算しみた。
総面積-低層合計-住宅系合計+重複する低層・住宅系
=アルプスの余地のある23区の屋上の総面積
になるに違いない。
数字を当てはめると…

4917-812.7-2332.3+197.8
=1969.8 ha
これは東京ドーム約420個分。
港区と新宿区の間くらいの広さ。


これを仮に「東京都屋上区」としてみたら何ができるだろうか。
屋上でただのんびり集う、仕事場として使う、食事する、ワークショップする、ギャラリーを作る、BBQとかパリピなアクティビティもまあ、ありだろうな。個人的には灼熱の太陽を利用した砂風呂をやりたい。
子どもなんかも、ここで親とも学校とも異なる、コミュニティを持てるかもしれない。大人もそうだ。
屋上というフロンティアが目の前に広がる……

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ちなみにこちらの論文は陸屋根全体を調査したものらしいので、当然柵がないような、我々呼ぶところの「野良屋上」なんかも含まれていると思います。が、逆にそういう屋上こそ企画をしたい。萌える。


まとめ


にしてもこのように屋上の総面積を調べようと思った上記の研究者の方たち、素晴らしいですね。きっと屋上緑化を推進する上でも有用なデータになったのだろうし、何より遊び心すら感じます。
論文は16年前のもので、昨今の大型開発で、数自体はかなり変動しているかもしれません。ですがいずれにせよ、
広大な場所が、街と空の間にあるということ、この事実にはワクワクするのは私だけでしょうか。

写真/文 和氣明子
アートディレクター・グラフィックデザイナー。フューチャーズというデザイン事務所をやってます。3歳児を抱え、コロナにガッチリ影響受けてます。やれやれ。

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