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21話:SWAN SONG/Le.Chocolat meets FlyingShine 極限状態で絶望する人しない人

 いつからか鬱ゲーや泣きゲーを好むようになったのだけれど、心理学的に中毒性はありそうですね、SHIRANKEDO。

 ただ、鬱ゲーで調べているとグロゲーも出てくるんだけど、惨殺系はちょっときついのでやらない派です。結構ひどいのがたくさん出ていて、そういうのばかりやっていると病みそうじゃん……。私は精神衛生的に良い鬱ゲーをしたいと思います! と、書いていて矛盾に首を傾げるやつ。

 鬱ゲーの名作として有名なのが「SWAN SONG」。2005年のゲームで、気になっていたけど後回しにしていましたが、これこないだクリアしたけど、本当にやってよかった〜〜〜。

 いろいろといい意味での裏切りがたくさんあったので誰かと分かち合いたいんですけど、話す相手がいないのでここで話させてください。ということで未プレイの方は薄目を開けるかいよいよお戻りください。

世界観とあらすじからの「なんでやねん」

 クリスマスイブに大地震が起こり、日常は一変した。街の半数以上は亡くなってしまうほどの悲惨な状況で、年齢の近い男女6人が教会で出会う。お互いに励まし合って救助を待ちながら避難所に向かうことにしたが、情報も遮断されさらに連日の大雪の中、外から助けも来ない。水害により沈んだ街を横断するために、いかだを組んで脱出することにするが……。

 パッケージ裏に書いていたコピーは「そうして、雪の降る教会で、彼らは出会った。その時、人は絶望に試される」

「は? こんなの完全に乱交じゃん、かわいそうに……」と思っていましたが、全然違いました。なんなら教会には最初にしかいなくて、すぐに脱出したので「なんでやねん!」って思いました。

パッケージの印象からの良い「なんでやねん」

 裸の女の子が無防備に寝転んでいるパッケージなので、第一印象から嫌な予感しかありませんでした。「鬱ゲーの名作」とも言われるものだしかわいそうなやつかなと思って、なかなか恐ろしくてプレイできなかったんです……。で、結果だけ言いますと、パッケージで裸にひんむかれている女の子には誰も指一本触れることがなかったので、つい「なんでやねん!」が出ました。

 まあでも、パッケージの女の子がかわいそうなことをされなくてよかったよ……。それだけで私は、このゲームはハッピーエンドでは?と錯覚を起こすほどでした

じゃあどこが鬱ゲーなのか

 印象とは全然違ったのでいろいろと肩透かしだったのですが、閉鎖された空間で食料や燃料が少なくなっていくにつれて、人の精神的に不安定になっていく様が丁寧にねっちょりと描かれているのが良かったです。

 選択肢はまあまあ出てきて、間違えるとバッドエンドに直行です。それで余計に、ピリついた世界を思い知らされることになります。

 ルートは1本道。エンディングはノーマルエンドとトゥルーエンドがあり、先にノーマルエンド。それからトゥルーエンドが見られるというシステム。

 ノーマルエンドは絶望的で、痛いしつらいし最悪で、トゥルーエンドはその救いという感じでしょうか。おそらくノーマルエンドだけだったら、一揆が起こっていたと思います。

追記:勢いで書いちゃった。すませんノーマルエンドのラストは救いのない美しさが描かれていてとてもよかったでした。これいちばん大事なところだった。次に書くアンジャッシュコントと、タイトルのスワンソングの象徴を見てくれよなです。
ノーマルエンドとトゥルーエンドどっちがいいのかと言ったらトゥルーの方が幸せなんですけど、完成されているのはノーマルかなと思います。ただあれだけだと鬱になるので、だからこそのトゥルーエンドがついてるのかなと。
ごめんなさい、ちゃんと見直してから投稿します。。

 グロについては微グロ程度はあります。人はどっさり死に、メインのメンバーたちも痛そうですが、グロ絵はなくもないけど、思ったほど出てこなかった……と思うので……。ピュアな人以外は大丈夫かなぁと。そもそも、読者の想像力に任せるために立ち絵がない仕様なので、その辺も読者の想像に任せているのかもしれません。ヤバすぎることはないので、悩んでいるくらいだったら絶対プレイしたほうがいいです。グロの懸念がちっぽけに感じるほど内容が素晴らしかったため、読んだほうが絶対にいい経験になると思うので。

アンジャッシュコントのような噛み合わなさ

 鬱を引き立たせているのが登場人物たちの性格だったかなと思います。主要メンバーは6人。1人が障害をもつ女の子、あとの5人が「絶望をする組」と「絶望をしない組」となり、みんなの性質が違うからこその噛み合わなさが一番読んでいて美味しいところでした。

 これについては他の考察を読んでもらったほうがいいと思うのでURL貼っておきます。いつもの丸投げ商法。

【ネタバレ】SWAN SONG 絶望する人・絶望しない人-(テーマ考察)/物語の島々で
http://takobonreview.jugem.jp/?eid=2

 見出しに「アンジャッシュのコントのような」と書きました。笑いとは全く対極にあるんですけど、その違和感が恐ろしくて笑うしかないという感じなのかな……。

 例えば創作に「ご都合主義」なんて言葉が生まれたのも、筆者がひとりだからどうしてもその人の性格が登場人物の全員に割り振られてしまうのかなというところだけれど、「SWAN SONG」は全然その部分こそが最悪。5人が5人とも自分の性質を持っていてブレない。いい方にも悪い方にも。だからこそ恐ろしくて美しい。カップルの会話が成り立っていないのがリアルで鳥肌が立つほどだったので、そちらに注目してほしいです。

さてアホ視点に戻りますね

 真面目な考察を書くサイトはたくさんあるので私らしい感想を言いますと、主人公の声がめちゃくちゃえっちで最高なんだけどどうしてくれるのか!!!!

 なかなかこういうゲームには主人公の声をあてられないことが9割なのでびっくりしたのですが、主人公の声がえかったのよ……。声部分はフルボイスでした。

 キャラクターでいえば、もうひとりお兄さん役みたいなメンズ田能村さん。サブキャラだけど主人公感強くてカッコよかったです♡♡♡ 真の主人公・尼子くんは無口系でピアノの才のある男の子で、周りを俯瞰してやるときはやるぱーぺきな男子だったけど、最初の唐突に訪れたえっちシーンに私は「??????????」となりました。

SWAN SONGで学べたこと

「名作と言われるものは、自分の得意ジャンルが違ってもやっといたほうがええな」ってところかな! 違ったらごめんなさい!

 女の子がかわいそうな目に合う話は本当にダメなので、ぐだぐだとプレイを悩んでいたのですが、やってみるとストーリーは思っていたのと全然違ったし、絶賛される意味がわかったのでほんとよかった。それで言うとnoteを始めるきっかけとなった「ファタモルガーナの館」もそうだったな。

 あと、文字読むのが苦手な人はちょっと入るのに抵抗あるのかなと思いました。

 いや〜〜〜〜〜〜あははは〜〜〜〜〜〜私も結構、目を滑らせながら読んでしまいました。でもさ、読書方法は人それぞれ。きちんと読めないから読まないって決めちゃうのももったいないじゃん。ツールは自分のやりやすい方法で、使われるんじゃなくて使っていきましょう。

 なんかそれっぽいこと言ったな。いつでも登壇準備はばっちりです。


自己肯定力に長けている東京ニート的評価「SWAN SONG」A+


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