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第12話「明日の君は、今日の僕の分裂体」

「脳内シミュレーションは、もはやデジャブの域である。」

東京の大学に通う学生ならではのブルースに、正面から向き合って行くこの連載。第12話は、明日のお話。僕は心配性故に、よく明日の支度をする時に、よく脳内でシミュレーションをする。その日、その瞬間、その時に浮かび上がる感情までも考える度に、まるで明日を過ごし切ったかのような感情に見舞われる。そして基本憂鬱になる。なぜならこれと言った楽しみもその予定には含まれてなんていないからだ。当然モチベーションなんて立てられる脳の構造に放ってなどいない。だから尚更イレギュラーバウンドなど起こり得るはずのない日常はまるで銀世界のように真っ白な景色が体感の日常風景に溶け込む。さて明日の話でもしようか。

午前9時、僕は学校へ向かう為、活動を再開した。「あと1時間だけ寝よう。」と粘る自分と、「今起きなきゃ2時間は起きられない。」と言う、焦りの自分との葛藤は、「起きる」に軍杯が上がる。その葛藤時間おおよそ30分、もはや痛み分けである。重い身体を起こし、暖かさ残る布団を背に、数日前に脱ぎ捨てた冷酷な上下黒のスウェットを着込み準備をする。因みに僕は一年中半袖バスパンで寝ている。そのせいか定かでは無いが、よく夢の中で寒さのあまり鳥になる夢を見る。そんなことはさておいて、30分で準備を終え、いよいよ1月の寒波へと戦いを挑む大学4年生であったが、そんな思いなど見ず知らず、その寒さは一瞬にして僕の心を、氷付かせた。このくらい今朝の起きる起きない論争も決着がついて欲しかった。

そんな事を考えながら自宅の最寄り駅と向かうため、自転車を漕ぐ。因みに今日の予定は、就職の為の勉強に必要な資料をわざわざ往復3時間かけてプリントする、ことである。自分でもなぜこんな事をしなければならないのか、とても効率的で無いように感じている。しかも別にプリントしてくれなど頼まれてもいない、にも関わらずプリントをしているのには納得がいかないが、これは後の勉強の効率を上げる為である、そう信じたい。しかも300枚以上ある資料をコンビニで、しかも色ありで印刷した場合、合計15000円もflexしなければならない。そんなことはメンタル的に不可能である。だから今日は、無料で印刷ができる大学へと向かうのであった。

自転車を走らせる事20分、電車に乗り換えた。満員電車のピークを計算していたおかげで少しは人の密度が軽減されているが、それでもまだスーツの人のあのもうすでに疲れ切ったような顔を見ると、少しだけ背徳感が湧いてしまう。しかし待てよ、よくよく考えると、あの人たちが疲れている原因は、同じ脳内シミュレーションによって、この先の予定が見えてしまっているからでは無いのかと、勘ぐってしまい、少しの怖さと共感性羞恥を感じた。この場面でで、見聞色の覇気を思い浮かべてしまった人は、僕と同じワンピースの見過ぎか厨二病である。確かに最近のワンピースは、終わりが近付いている上、アニメではルフィの覚醒のシーンが極めて細かな描写とコマ数、ギミックによって構成されていて、極端にクオリティが上がっていて興奮した。そして、それに起因するように、呪術廻戦や進撃の巨人などの名作もとにかく制作に力を入れていて、本当にこの絵を描いている人たちの健康状態保たれているのかと、心配させてしまう。そのくらい素晴らしい描写(シーン)だった。

と言うところでこの話は終わりにする。本当は学校からの帰宅後バイトへ行きその帰りまでを書く予定だったのだが、分量が多くなってしまうのと、新しい話を閃いてしまったので、今作はここまでとします。
ちなみに、往復代1000円と大学4年生の時間を3時間、22歳の精神力を6割、その差額14000円分。使い道は、新大久保でチャミスル片手に公園で昼間から飲んだっくれて、夕陽を見れた頃に、そこら辺のお店に入って、スンドゥブと海鮮チヂミと生きたタコ、それとチーズタッカルビとチキンを食べながら、仲間と一緒に普段は一切話題に上がらない恋愛の話でもして、店に注意されるくらいの大騒ぎがしたいな。

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