見出し画像

林業をもっと自由に。 柔軟な発想で、新たな林業を作る

東京チェンソーズは2006年、島嶼部を除く東京都唯一の村・檜原村で創業しました。
森林率が9割を超える檜原村にある地元・森林組合から独立した4人が、1人15万円を持ち寄ってのスタートでした。

当初は森林組合の下請けで、間伐など森林整備が中心でしたが、その後、仕事の幅を広げ、まずは檜原村、次いで東京都の事業を受注する元請けにシフトしました。
創業から8年経った2014年には檜原村に約10haの山林を購入し、作業道を作設し、伐採・搬出を始めます。
この山林購入を機に、加工や販売部門にも事業を広げていきます。
 
現在は、社員・アルバイト合わせて30名を超えるスタッフが働いています。
 
東京チェンソーズがどのような「林業」を目指し、どのような仕事をしているのか…

林業に縛られず、同時に徹底的に林業にこだわる

東京チェンソーズが一番大事なことと考えているのが、自由で柔軟な発想を持つことです。
 
林業のメインステージである森という空間は、もちろん、木材生産の場。私たちも伐り出した木材を原木市場に出荷する、工房で加工・製品化して販売するなど活用しています。
しかし、同時に森は多様な動植物が生育する場であり、水源の涵養や快適な環境の形成、地球温暖化の防止等、多面的な機能を持って、私たちの暮らしを支える場でもあります。
環境教育の場として、またキャンプやアウトドアレジャーの場としても捉えられています。
 
こうした多彩で素晴らしい森の特性を活かし、その豊かな魅力を最大限引き出していく…。
私たちはそんな林業を目指しています。

そのためには既成概念にとらわれない、やわらかな考え方が必要となります。
 
こうした考えをSpirit、Mission、Visionとして整理しました。

林業をもっと自由に! 〈Spirit〉
東京チェンソーズでは、「林業」を幅広く捉えています。
木材(樹木)を生産・販売するのはもちろんですが、それだけでなく、動植物の棲家であり、人の環境教育の場である森という空間と真摯に向き合い、それを活かすことも「林業」と考えています。
活かすためには森と関わる人がもっと増え、森と人はより豊かな繋がりを持つことができるはずです。


森の価値を最大化する〈Mission〉
森へのアプローチが増えれば、そこには今までになかった価値が生まれます。
物質としての価値、精神的な価値、人と人が繋がるコミュニティとしての価値。本当にさまざま。
私たちは、その多様な価値を生み出し、規模が小さくても自立できる林業を実現したいと考えています。


街との共生を目指す〈Vision〉
林業を幅広く実践し続けた先にあるのが、「森と街が共生」する世界です。新たな価値を持つ森の空間、素材、製品たちが、森と街をつなぎ、人が行き来する。物理的には離れていても、森のことが”自分ごと”となり、森と街が対等な関係性となる世界。
そうした世界が実現した時、森で働く人、森を所有する人、街の人、森や海などの自然、関わる全てが幸せとなり、より良い循環が生まれるのではないでしょうか。

こうした考えの元には「創業当初からの想い」があります。別ページにまとめてありますので、どうぞご覧ください。

創業当初からの想い

この想いを大切にしながら、東京チェンソーズは持続可能な林業の形を日々模索して、さまざまな仕事に取り組んでいます!

東京チェンソーズの仕事

東京チェンソーズの仕事は、「森づくり」「ものづくり」「ことづくり」の3つに大きく分類されています。

森づくり

林業事業部では、東京都や檜原村の公共事業や自社有林での育林・造林・搬出作業を主に行なっています。それに加え、最近は企業等の所有林で、人が集まり、気持ち良く活動できる森づくりも手がけるようになりました。
いま、地域材の供給が強く求められる中、今後は搬出する量を増やしていくことも計画しています。
いずれにしろ、自然と調和の取れた施業を実践しながら、経済と環境という両面をバランスよく保ち、50年、100年と続く森づくりを目指します。

ものづくり

私たちはものづくりを通して、「森や木が、1つの命として大切にされる未来」を創りたいと考えています。
「1本の木」を「1つの命」として向き合いながら、製品を作る。それぞれの木には同じ樹種でも、人と同じように多様性があり、そして長年生きてきた特徴が残っています。その1つの命が生きた時間を、皆様と共有できるようなものづくりができたらと考えています。
私たちのプロダクトを1つの”いきもの”として、長くお付き合いいただけると嬉しいです。

ことづくり

森デリバリー、東京美林倶楽部など、身体的な体験を通して、森が生きた時間に想いを馳せることで、森との関係性を深め、森と人のより良い循環を創りたいと考えています。都市部でも緑地化などが進んではきているものの、まだまだ木に触れる機会は多くありません。
 
だからこそ、実際に手に触れ、音を聞き、匂いなどからも刺激を受ける。そのような五感をフルに使って、木を、森を感じてもらう体験が必要だと感じています。
木や森を身近な存在に感じてもらうため、そのきっかけを作り続けたいと思います。

そして、それぞれの仕事を同じ強度で推進していくことで、お互いが関係し合い、重なり合う部分で東京チェンソーズらしい新たな事業が生まれてきています。

いくつか例を挙げると、これまでこのような事業が生まれました。
 
●森づくりの現場から出た1本の木を、無駄なくまるごと活用する「1本まるごと販売」。
●同じく森から出てきた素材を家具など製品に変える「製品加工」。
●森の恵みを届け、関わるきっかけを作り出す「森デリバリー」。
●伐採と木工の体験が同時にできる「6歳になったら机を作ろう」。
●30年間一緒に木を育てていく「東京美林倶楽部」。


東京チェンソーズは2023年で創業から18年目を迎えます。事業の幅を広げ、スタッフ数も増加しましたが、まだまだ”若造”な会社だと自覚しています。

日々、社会の動静に気を配りながら、考え方をアップデートし、常に新しいアプローチで林業に向き合っていけるように努めてまいります。




この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro