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今度は自分が森を通じて誰かを幸せにしたい【チェンソーズ people #3】

この春(2024年4月)、東京チェンソーズに2名のフレッシュな仲間が加わりました。どちらも林業未経験からの挑戦です!

今回はその中の1名、井出健太(静岡出身、24歳)を紹介します。

なぜ林業を、東京チェンソーズを選んだのか、そして目指す未来は? 

同期入社の矢吹(左)と井出。現場出発前、真新しい空調服に包まれて

「森は僕を幸せにしてくれる場所だった」

井出は2022年3月に大学を卒業後、某アウトドアメーカーの店舗に勤務しました。
その職場は趣味のサーフィンを始め、自然を相手に時間を過ごすことが好きだった井出にとって「心地の良い職場だった」と言います。

井出:前職はすごく楽しかったです。ギアの販売が主でしたが、それ以外にも焚き火のイベントを企画して実施するなど充実していました。
ただ、その会社には自分よりもっと本気にアウトドアに向き合ってる人たちが大勢いたんです。そのことに気付いたとき、果たして5年後も自分はここにいるのか、何か他にやりたいことがあるのではないかと考えるようになりました。

同僚や先輩社員のアウトドアへの”本気度”を知って、自分の将来を改めて考えた井出。
考えるうちに浮かんできたのは幼少期から身近にあった森や木の存在でした。

井出の父親は林業系のNPOを運営していたので、森、木は身近だったと言います。

井出:父に連れられて森には小さい頃から行ってました。
そこでの遊びを通じて自然の素晴らしさ、自然に影響を与える森の凄さと大切さを学びました。

脱サラしてNPOを立ち上げた父親には若干反発するところがあったそうですが、総じて森の中で遊ぶこと、木のぬくもりがこれまでの人生を豊かにしていたと感じていたそうです。

井出:将来を考える中で、森のことを改めて調べてみたんです。そうすると担い手がなく荒れている森が多いこと、経済性が低いので山主さんにとって負担になっていることなどを知りました。
森は楽しいところと思っていたのですが、そのイメージが崩れ落ちました。
そこで初めて父がやっていることの意味が分かり、ちょっとだけ(笑)尊敬しました。

そんな想いを秘めて入社から1年経った2023年3月、アウトドアメーカーを退職。
父親が運営するNPOの手伝いをするため、井出は静岡の実家へ戻ります。

大学時代、父と

「 林業/儲かる」で検索。そこでチェンソーズを見つけた

NPOでは放置された人工林で間伐をしたり、その過程で発生した木材を簡易製材機でフローリングに加工するなど行なっていました。
こうした活動には一般から多数の参加者があり、運営スタッフとして活動に携わっていた井出は、森と人をつなげることの大切さを学びました。

しかし同時に、その活動が抱える“弱点”のようなものにも気が付きます。
NPOでは「500年先の森を考える」ことを理念としていましたが、そのためにはもっと経済性を高め、持続可能な形にする必要があると感じていました。

井出:もちろん、NPOでも経済性をまったく無視しているわけではなく、商品開発と営業で活動の輪を広げて、ある程度の経済性を伴って生業にしていこうという方向性を示していました。
しかしそこに自分の力不足を感じ、よりビジネスも考えられる林業があるのではと模索していたんです。

ーーそんな想いを抱き、井出は情報収集を開始。その中で、東京チェンソーズのホームページを見つけます。

井出:「林業 / 儲かる」のようなワードで検索していたんです。そうしたら東京チェンソーズが出てきて、求人中であることを知りました。

儲かる? ??? は、とりあえず置いておいて、、

井出:東京チェンソーズのホームページを見て、森と人がつながる森づくりと自立した林業を両立し、自分たちで木の価値を作っている会社であることを知り、興味を持ちました。

ちょうど就職希望者を対象にしたインターン募集があったのでさっそく書類を揃えて応募しました。
8月上旬の3日間のインターン期間中、現場作業として下刈りを体験するほか、工房、天然乾燥施設の見学、また、事業についての説明も一通り受けました。


井出:チェンソーズでは自立した林業を目指し、商品の製造・販売をするなど自分たちで市場を作っています。また、素材生産だけでなく、森をフィールドに森と人をつなぐこともしています。そこに自分がしたい森づくりがあると感じました。

その後、採用面接を経て、9月に次年度からの採用決定の通知を受けた井出は、NPOの活動で知った三重県の林業会社へ”修行”に出ます。
そこでは木材加工を中心に、地域の森に入っての活動などを行いました。

森を通じて誰かを幸せにしたい

現場で昼食中。左から2番目が井出

入社から3か月たった6月のある日、現場で井出に話を聞きました。

ーーみんなにはどう呼ばれてるんですか? イデケン??

井出:いえ(笑)、大学時代はそう呼ばれることもありましたけど、ここでは呼ばれてないです。そのまま井出とか。

ーーところで「林業/儲かる」というワードで検索してチェンソーズを見つけたと聞きましたが。

井出:そうです。僕の場合、やはりそこが気になるところだったので、マジで金になる林業とかで検索したんです。本当にあるのかと。そうしたら出てきました。

試しに「儲かる/林業」と検索してみたところ、、
上から何番目かに出てきたwebマガジンの記事で、代表・青木が「稼げる林業を目指したい」と話していました。
確かに東京チェンソーズでは、林業が自立した産業であるよう、また持続可能であるよう、経済的に成り立つ林業を目指して事業を進めてきました。

井出:入口はそこだったんですが、調べていくうちに山を整備するだけでなく、木材を加工して売っていくこともしていることを知り、何かすごくいいなと思いました。林業をビジネスとして捉えて取り組んでいるところに共感しました。

ーー実際やってみてどうですか?

井出:めっちゃ楽しいです!
入社後の研修で、工房で木材加工したのは面白かったです。現場では補植(※)ですね。

※ 植栽したものの早期に苗木が枯れてしまったとき、再び植えること。前年、あるいは前々年に植栽した現場で実施することが多い

ーー1年後、どんなふうになっていたいですか?

井出:林業はスケールが大きいので想像が付いてないことも多い気がしていますが、まずは普段の作業をする中で、少しでも一人前に近づけるようになりたいです。

ーーもっと先の将来はどうでしょう?

井出:小さい頃から父に連れられて森に入っていました。おそらく普通の人より多かったと思うんですけど、大人になって、その頃のことを思うにつれ、しみじみ森は自分を幸せにしてくれた場所だったと感じています。

今度は自分がそれを守る番になったので、森を通じて誰かを幸せにしたいですね。

印象深かった補植作業。今度は自分が森を守り、誰かを幸せにする

「森を通じて誰かを幸せにしたい」という言葉、井出がいつも繰り返し話していた言葉です。

誰かを幸せにするためには、林業が盛り上がることが大事。そのためにも、多くの人に林業に関わってほしいと思います。

「林業を仕事にする」こともその方法のひとつかもしれませんね。

こちらは井出が応募した際の募集要項に書かれていた「求める人物像」。何かの参考になるでしょうか(現在は新規の採用募集はしてないです)

  • 既成概念にとらわれない柔軟な発想と行動力のある人

  • 現場で技術と知識を磨き、その経験を会社事業に活かせる人

  • 常に地域社会に貢献する意欲を持って活動できる人

  • 森の整備をするだけではなく、森の未来を考えられる人

  • 自然が好きで、”根性”のある人

我こそはと思う方、次回の採用情報をお待ちください!!

仕事の相棒・刈払い機を整備中


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