ついにネームが完成しました!|プロデビューへの道vol.2【MANGA-SO】
WEBTOONクリエイターが住むWEBTOONクリエイターのためだけのシェアアパート「MANGA-SO」は、TOKYO<β>が若者のリアルな夢を応援するため2023年3月からスタート。現在は8名の方が暮らしながらプロデビューを目指しています。
▼現在、2期生募集中!
今年の7月に国内最大手のWEBTOONスタジオ「Studio No.9」主催の勉強会に参加したMANGA-SO入居者のみなさん。LINEマンガランキングでも度々1位を獲得している人気マンガ『神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』の原作・ネーム担当の江藤俊司さんから、WEBTOONの土台となるネームのつくり方について学びました。
オリジナル作品の制作をスタート
入居期間は1年。そろそろ折り返しということで、集大成となる作品の制作を開始しました。完成後こちらのnoteで作品を公開予定です。
現在は、「Studio No.9」の編集者によるサポートのもと、キャラデザインやネームを制作中。今回はそれぞれ冒頭部分を抜粋してご紹介します。
A・Sさん:テーマ「他者への依存」
現代の推しに熱中する女の子を描いた作品。
【編集者からのコメント】
ストーリーからキャラの特性まで綺麗に描いており非常に読みやすいネームでした。カナメくんへの愛情が飽和しているコマはではセリフと背景色で上手く恐ろしい演出をできていたかなと感じます。題材についても「推し活」という読者にとっても身近なもので世界観に入りやすいものでした。ただモノローグが構成上多く、特に冒頭の説明部分などは少し読者にとっては冗長的に感じるのでセリフに変更する、エピソードベースに変更するなどで調整するのもいいかと思います。
E・Sさん:テーマ「メンヘラちゃんとオタクくんの出会い」
主人公はコンカフェで働く大学生。コンカフェで働いている時にオタクくんと出会うが……
【編集者からのコメント】
ページ数を気にしなくていいWEBTOONならではの大胆なコマ割りとセリフ配置で勢いがあります。また連載を想定したオチは今後二人の関係性がどう変わるのか気になるいい終わり方でした。ただ、内容に対してネームの描画が浅いため、実際の作画になった際にどう描かれるか不明な点が多く、チーム制作が多いWEBTOONではもう少し書き込みを増やすべきかと感じました。また吹き出しだけのコマではどのキャラクターの心情か判別しにくい点もあったのでコマ内に作画を増やせるとより読み良くなると感じます。
M・Tさん:テーマ「異世界転生・転移したい願望の女の子が毎回惜しいところまで行くけど連れ戻されて現実を見させられるお話」
※境遇なるべく可哀想にして本人のリアクションはギャグ調で明るく
19世紀(ヴィクトリア朝)イギリスの似てるようで別世界……ガス・石炭・電気ではなく魔法・魔力のある石(石炭みたいなもの)を使って産業革命が起き始めている。貴族の若者たちと庶民の間で異世界ファンタジーもの小説や劇が流行していて、庶民たちは上流や中流階級のゴシップ(現代のエンタメニュースジャンル)を楽しんでいる。
【編集者からのコメント】
全体的にエピソードと心情パートの配分がちょうどよく内容が頭に入ってきやすいネームでした。内容もよくある異世界転生ではなく、異世界から現代へと転生するのは目新しく続きが気になります。細かい点ですが、フキダシ内のセリフ量が多いことと配置がまばらで視線誘導が意識されていないと感じました。全体的に説明帳なセリフを削り、イラストと吹き出しの位置を改めて配置してもいいかともいます。
W・Lさん:テーマ「人と人のつながりを取り戻そうとする心と懐かしさ」
100年後、日本、研究用個人原子力発電機の許可で時代は新たな局面を迎える。人々は新しい動力に依存して様々な電子機器を開発し、機関研究者たちは世界を変える新しい文明を開発するために努める時代。四国高知県の姫路明菜という研究者は、動力を手に入れた後、自分の持つ能力をすべて使って秘密裏に新しい試作品を開発する。その中の一つが過去の人を連れて来られるタイムスリップであり、愛媛の平凡な小学校少年だったユキはこれによって変な事件に巻き込まれることになる。
【編集者からのコメント】
今回提出されたネームの中で最も余白が意識されていると感じました。実際スマホで確認した際に指の動き似合わせてきちんと情報が出てくるいいコマ割りです。コマの中の情報も。状況説明から心情の表現など役割を意識して人物の描画サイズを調整している印象がありました。ただ世界観が難しく前提説明がないと読者を置いてけぼりにする可能性のある内容だったので冒頭にこの世界の説明を追加していただきたいです。
H・Tさん:テーマ「ファンタジー世界で勇者たちが魔王を倒して10年後の世界 」
魔王討伐という大義の目的の戦いの影で、理不尽に死んでいった者たちの復讐モノ。現代で例えるなら、イラク戦争においてもアメリカがフセインを捕える過程で多くの罪なき無関係の一般市民が犠牲になったし、いつの時代の戦争も大義はあるが、常に軍人以外の犠牲も多く発生する。そして勇者たちや一般人が魔物だと思っている者たちにも、それぞれ生活があり本当は危険ではない者も含まれる。現実の歴史でいうと人種差別や魔女狩りや異教徒弾圧や原住民迫害など。(イメージする文化としては勇者側を西欧キリスト系とするならば、死霊使い側は先祖崇拝や死者を敬う文化があるメキシコ系?。実際歴史上キリスト系国スペインによって古代メキシコ(マヤ文明)は滅ぼされている)
【編集者からのコメント】
内容がきちんとまとまっており面白いネームでした。勇者御一行が悪の組織であることがお話の中でいいフックになっており続きが読みたくなる物語でした。WEBTOONとしてはまだ余白の使い方が甘く、スクロールしたときの情報量がゴチャついている印象なので思い切って今の3倍ほど開けてみるのがいいかと思います。
M・Sさん:テーマ「共感性羞恥」
現代の日本の高校を舞台にした作品。
【編集者からのコメント】
好感度の高いキャラ描写とネームとは思えない書き込みで非常に読みやすかったです。内容も一見なんてことない少女たちの日常ですが、エピソードの中で主人公の心情が変化しておりマンガとしてとても綺麗です。コマ割りや吹き出し位置も問題なく、基本的にはこのまま作画に入っていただければと思います。
Y・Nさん:テーマ「未定」
作品の内容は未定。今回はキャラクターデザインをご紹介します。
【編集者からのコメント】
デッサン力が入居時よりも大幅にアップした印象です。特に関節周りの描画とがなめらかになっています。ただ各パーツ(腕や脚など)の形についてはまだ理解が浅い印象があるのでポーズ集や実際の人間の写真を参考に調整していただきたいです。表情については活き活きと描けていてマンガにした際に映えるキャラクターになりそうです。あとは実際の服飾のデザインで全体のシルエットが決まるのでトップスとアウターともに他のキャラに埋もれない印象的なものに仕上げていただきたいです。
今回は冒頭のみのご紹介なので続きが気になりますね! 編集者の方からのフィードバックを読むと、これまでとは違った視点で漫画を楽しむこともできそうです。全編公開をお楽しみに!