共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(3)
中国共産党の共産党員が受験エリートで固められるようになったのは、鄧小平時代以後のことです。
加えて受験エリートなら、虐殺、凌辱、陰謀、裏切りがないというご主張であればそれは違います。そのことについては科挙で選ばれた官僚が支配していた時代と同じく、受験エリートも山賊も同じことなのです。その事は中国の歴史が証明して
いるのです。
そのことは科挙のあった(とはいえ、形骸化していたという評価がありますが)韓
国においても同じことです。韓国においては官僚同士の足の引っ張り合いの歴史で
す。
共産党が異形なほど偏った優秀な頭脳集団だという事実にこれほどの反発があるとは思いませんでした。
共産党員と昔の応援団とを比較するのは面白いアイデアですが、共産党はそんな甘ちゃんの組織と一緒にはできません。徹底的に冷酷で非情なまでに合理的な組織なのです。中国全土の超優秀な人材を14億人の中から選抜して共産党に吸収して党官僚ないし国家官僚のポストにつけているのですから。中国共産党との戦端が開かれようとしている現在、そんな牧歌的な「敵」認識では危ういのです。
「敵」は習近平個人ではなく、彼を皇帝として支えている中国共産党政権なのです。そして中国共産党の組織は、現代の「科挙」による選抜によって歴史上かつてないほどの優秀な人材を総ざらいした頭脳集団なのです。中国人が日本人に負けず劣らず優秀な民族であることはアメリカでも証明されています。
中国共産党が中国に君臨できるのは、まさしくそのためです。権力の正当性が公平な(とされている)受験戦争の上に成り立っているのです。そのことは「科挙」という中国の歴史的伝統に立脚しているのです。そのうえAIまで動員して効率的な国家管理を進めようとしているのです。
中国共産党を舐めたらあかん、と僕は言っているのです。大学の応援団なんかとはわけが違うのです。
(MLでのやりとりから)
●共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会
●共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(2)
●共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(3)
●共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(4)
●共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(5)