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「八月革命」を唱える憲法解釈の虚妄

日本国憲法は、曲がりなりにも、日本人により、衆議院、貴族院を通過し、枢密院の諮問を経て昭和天皇が裁可したものです。案分をGHQが作成したのは事実ですが、日本人によって改正されたという事実を忘れないでください。 

極東委員会は、天皇を象徴として存続させる憲法に不満を持つメンバーもありましたが、日本がポツダム宣言12項にのっとって改正したという既成事実によって、天皇を極東会議に被告人として立たせるということを断念しました。

当時、ハーグ陸戦規約違反があるから無効だという議論はありませんでした。それはポツダム宣言12項に明記されていたからです。ポツダム宣言によってなされた憲法改正が、ハーグ陸戦規約に違反するから無効だという議論は国際法の理解を余りにも欠いているものです。また、国体の護持を黙示的に承認するバーンズ回答もありました。天皇陛下は、そうであると判断して「耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び」つつも、「国体の護持」を得て、「太平を開かんと欲して」戦争を終結させ、「これ良く陳の意を呈せよ」と結んだのでした。GHQに無視されたのではなく、天皇機関説事件から226、大政翼賛会体制を阻止できずに敗戦の道をたどった歴史に対する反省をもって大日本帝国憲法を改正したのです。8月革命説は、ポツダム宣言の受諾によって国体が変更して革命が起こったというものです。階級闘争史観をもたない英文の「Japanese People」を日本国民(天皇と対立する人民)と訳すから、天皇主権から国民主権に変更になったという戦後の戯言になるわけです。それは天皇を含む日本人と訳さなければなりません。日本の究極的な体制(国体)のことは連合国ではなく「日本人」が決めることであるというのが、バーンズ回答の真意です。そして日本人は天皇中心の国体を護持した日本国憲法を制定したというのが正しい歴史解釈であり、憲法解釈です。

無効論には、①脅迫説、②ハーグ陸戦規約違反説、③帝国憲法違反説がありますが、いずれも完全に論破されています。はやく8月革命説の迷妄を抜けて、自主憲法を進めるには保守派に根強い無効論の洗脳を説くことからはじめなくてはならないと考えております。

(R2/12/7) 

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