「ちえ」(46)「しーちゃん」②
服を買いに行って、映画館まで行く途中で高校の同級生のSさんから声をかけられました。
そこで、「ちえ」とSさんを喫茶店において私ひとりで映画を見に行くことに。
映画が終わった後に「ちえ」を迎えに行きました。
「トクちゃん、映画どうだった?」
「うん、面白かったよ。考えてみると、1人で映画見たのって初めてだよ」
「ちょうど今、トクちゃんの話してたんだあ」
「俺の悪口言ってたのか」
「違うよ、トクちゃんって凄い優しいって言ってたの」
「1人で寂しくなかった?」
「全然、かえって清々したよ」
「トクちゃんのバ~カ」
「「ちえ」凄いノロケてたよ~」
「ハハハ、さっき思い出したんだけど、俺、Sさんの隣りの席になったことあったよね。覚えてる?」
「うん、覚えてるよ、結構話したよね」
「Sさんの前がNでさ、俺、Nと仲良かったから自然とSさんとも話したんだよな」
「T君、世界史のテストのこと覚えてる?」
「もしかして、俺がクラスで1番になった時のこと?」
「そう!」
「あの時さあ、テスト前に、どんな対策したか3人で話したんだよね。俺、山かけられなかったから全部暗記したって言ったんだよな」
「そうそう、それで暗記したとこアンダーライン引いてあったの見せてくれたんだよね」
「俺、暗記力だけは自信あったから」
「ちえ」はつまらなさそうに聞いていました。
「男ってさあ、いつまでも子供だけど、女の子ってどんどんキレイになるよね」
「Sさんもキレイになったよ。高校の時は剣道部でどっちかっていうと男っぽかったけど(笑)」
「アハハハ、そうかもね」
「Sさんも彼氏いるの?」
「それが、いないんだ、だから、こんなとこ1人で歩いてたんだよ」
「トクちゃん、誰か紹介してあげれば」
「そうだな、同級生のSとかMなら彼女募集中だけどな」
「今度、そのどっちかとダブルデートしない?」
「うん、良いね。私も「しーちゃん」とどっか行きたいなあ」
「S君とM君ってよく分かんないなあ⋯」
「そうかもね、同じクラスになったことないかもな」
「どっちもさあ、この間の同級会から付き合いが復活したんだよ、やっぱ同級会って良いよな」
「ねえ、T君って高校の時から「ちえ」のこと好きだったんだって?」
「うん、「ちえ」そんなことまで言っちゃったのか?」
「ゴメ~ン、ダメだった?」
「ダメじゃないけど」
「T君、それウソでしょ?」
ドキ!
「確か2年の時には、違う子好きだって言ってたよね?」
「トクちゃん!ホントなの?」
「あ、あの時はさあ、まだ「ちえ」のこと知らなかったから⋯」
「「ちえ」のこと知ったのって3年になってからだからな、それからはずっと「ちえ」に憧れてたよ」
「ホント~?」
「ホント、ホント」
「だから、今まで付き合ってこれたじゃん」
「別れようと思った時もあったけどさ⋯」
「へえー、そんな時もあったんだ」
「それってケンカしたの?」
「ケンカってわけじゃないけどなあ」
「なあ、「ちえ」」
「うん、私が悪いんだよ⋯」
「その話聞きたいなあ」
「もう、その時の話は一生しないって2人で決めたんだ」
「思い出したくもないからな」
「トクちゃん、優しいから全部許してくれたんだ⋯」
「ふ~ん」
「ねえ、Sさんも一緒に俺の車で帰る?」
「「ちえ」が、もっと話したいならアパートに来ても良いけど」
「「しーちゃん」そうしようよ」
「でもなあ、おじゃま虫になりたくないし⋯」
「俺は、そんなの全然気にしないよ。Hする前に帰ってくれれば良いから(笑)」
「もう!トクちゃん!そんな恥ずかしいこと言わないでよね」
「アハハハ、T君って面白いね(笑)」
つづく
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