消えた夫婦
こんにちはトクです。
本日も訪問くださりありがとうございますm(*_ _)m
今回も拙い文章ですが、創作物語(ショートショート)を書いてみたいと思います。
是非、最後までお付き合いをお願い致します。
その男は急いでいた。
明日の仕事のことを考えると、どうしても今夜中には、隣町まで行っておきたかった。
ホテルのチェックインの時間にもギリギリ間に合うかどうかであった。
村人に近道はないかと尋ねてみると・・・。
「あるにはあるが、あの道は通らんほうがええじゃろう・・・」
とにかく急いでいた男は、村人の忠告も無視して近道である山道に入って行った。
道幅は3mほどで対向車が来ると厄介だな・・・と思った。
運転席側は山で、助手席側は田んぼが続いていた。
気が急いでいたのでアクセルを踏む脚にも自然と力が入った。
時刻は夕暮れ時である。
仄暗い闇の中に突然人影が見えた。
「ヤバイ」と思った瞬間、ドーンという衝突音とともに体に衝撃を受けた。
「やっちまった・・・」
どうやら人を、はねてしまったらしい・・・。
男は慌てて車から出た。
暗がりの中、車の前方を見たが誰もいない・・・。
「おかしいな・・・」
一旦、車の中に戻り、懐中電灯を持って来た。
しかし、やっぱり誰もいない・・・。
自分の車を見たが、どこにも衝突した痕がなかった。
男はホッとした。
その時であった。
後ろから「お願いです。すぐに救急車を呼んでください、夫が急病で倒れたので・・・」
見ると、田んぼのあぜ道に長靴を履いた両足が見えた。
男は、車に戻りスマホを手にした。
「救急車、救急車と、119番だったな・・・」
「こちらは消防署ですか?事故ですか病気ですか?」
「どんな状態ですか?出来るだけ詳しく教えてください」
男は、あぜ道に倒れているらしい農夫の様子を見に行った。
ところがである。
確かにさっきは長靴を履いた両足が見えたのだか・・・。
その場所には、今は何もなかった。
「えっ・・・」
慌てて今度は、奥さんを探したのだが・・・。
こちらもいない・・・。
「一体どうなっているんだ・・・」
男は混乱した。
懐中電灯で辺りを照らしてみると、田んぼのあぜ道に花束が供えられているのが目に入った。
「そうか・・・。もしかしたら・・・」
農作業中に突然倒れた夫の為に、助けを呼ぼうと山道に飛び出た奥さんが車に撥ねられて・・・。
男は呆然と佇むのであった・・・。
「もしもし、どうしました!こちらは消防署です!」
スマホの向こうで救急隊員が声が響いていた。
それでは、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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