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もう一つのラブストーリー⑩「高校時代の憧れの人」

「ちえ」と二人でアパートでまったりとテレビを見ている時に「ちえ」が突然。

「ねえ、トクちゃんって高校の時に憧れの人とかいた?」と聞いてきました。

「いたよ」

「誰それ?」
 
「「ちえ」に決まってんじゃん」

「あ~、それはウソだって分かる」

「なんでウソだと思うの?」

「だってホントに私だったら、Y君が私に告白するの手伝ったりしないでしょ?」

「あ~、あれ覚えてたんだ⋯」

「怒らないから正直に言いなさい」

「ちえ」の「正直に言いなさい」が出るとウソがつけない私でした。

「じゃあ「ちえ」は、憧れの人とか好きな人っていたの?」

「私は、トクちゃん」

「あ、それもウソだって分かる」

「「ちえ」は俺なんか男って意識してなかったんだよな」

「そんなこともないけど⋯」

「まあ、良いや」

「ホントはね、勉強するだけで精一杯だったから好きな男の子とかいなかったんだよね⋯」

「ふ~ん」

「トクちゃんは、誰が好きだったの?正直に言いなさい」

「俺はさあ⋯。多分「ちえ」があんまり知らない子」

「俺と同じ中学出身の子」

「トクちゃんと同じ中学の子って誰かいた?」

「一人だけ、いたんだよな」

「誰それ?」

「う~ん。じゃあヒントだけ」

「村下孝蔵の「初恋」って曲知ってる?」

「うん、知ってるよ」

「あの歌詞そのまんま」

「歌詞って?」

「「放課後の校庭を走るキミがいた。遠くで僕はいつでもキミを探してた」って歌詞、知ってる?」

「うん」

「校庭を走ってた子が好きだったってこと?」

「うん」

「ってことは⋯。分かった陸上部の子でしょ?」

「そう」

「と言うことは⋯。あ、分かったHさんでしょ?」

「当たり」

「へえ~、トクちゃん、Hさんが好きだったんだあ」

「私と全然違うタイプだよね?」

「う~ん、そうかなあ⋯。確かに「ちえ」の方がずっと可愛いけどな」

「そんな、お世辞言わなくても良いよ」

「じゃあ、トクちゃんの元カノのことも聞いても良い?」

「それは、絶対ダメ!」

「俺も「ちえ」の元彼のこと聞きたいけど聞かない」

「聞くとヤキモチやきそうだから」

「そうか⋯。私もヤキモチやくかもな⋯」

「だったら、こんな話しやめよ」

「うん、そうだね」

「でも、「ちえ」って人気あったからね」

「え~、ウッソ~」

「これは、ホント」

「だってクラスの男子の人気をTさんと二分してたからな」

「え~、確かにTさんは可愛いから人気があるのは分かるけど⋯」

「ホントだよ。だってクラスの男子みんなで、誰が一番可愛いと思うか話ししたことあるんだもん」

「その時、Tさん派と「ちえ」派に別れたんだよね」

「だから、ブサイクな俺が「ちえ」と付き合えてることが奇跡なんだよ」

「またあ⋯。トクちゃんは、ブサイクじゃないよ。カッコ良いと思うよ」

「俺がカッコ良い?」

「「ちえ」一度視力検査した方が良いぞ」

「残念でしたあ~。私は両眼とも1.2です~」

「トクちゃんは、カッコ良いし、優しいからね」

「だから、好きになったんだよね」

「トクちゃんは、私のどこが好きなの?」

「可愛いとこと優しいとこかな。「ちえ」の全部が好きだけど」

「ここも、ここも、ぜ~んぶ好き」と言いながら胸と股間を触りました。

「もう!トクちゃんのH!」

「こんなことしてたらHしたくなっちゃったよ」

「じゃあ、トクちゃんキスして 」

チュ

「このままHして良い?」

「ダ~メ、こんな明るい時からHはしません~」

「じゃあ暗くなったらHしょ」

「うん、暗くなったらね」

「なあ、今日泊まってくことできる?」

「う~ん。お母さんに電話してみるね」

                                                                       つづく


















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