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「スピード重視の情報収集 〜短時間で多くの情報を手に入れるためのSNS〜」

人類がスマートフォンを使い始めてから約15年、スマホはどんどん進化し、最初の頃とは比べ物にならないくらい素早く情報を手に入れられるようになりました。

移動通信システムも、最初の頃は3G、2015年には4G、そして今では5Gとかなりの速度で変化しています。
ページを読み込む際に出てくる歯車のマークが、ぐるぐると回る時間も短くなり、以前よりも速く情報を手に入れることが出来るようになったのではないでしょうか。
人々は、スマホの進化に伴って、テレビ・新聞などこれまでのメディアから情報を得るのではなく、スマホの中から得るようになりました。

情報はSNSから手に入れる

2010年頃から現在まで、TwitterFacebookInstagram等、様々なSNSが流行しています。(LINEはメッセンジャーとしての役割が大きい為、本記事ではSNSから省きます。)
SNSが流行してからは、個人だけでなく企業や政治家、気象庁などの国家機関までもが公式アカウントを使い、最新情報を公開するようになりました。
TwitterやInstagramなどのSNSで情報を集めている方も多くいるでしょう。
『』(渡辺洋子)の論文の中でも、「若年層にとってSNSは情報ツールとしての役割が大きい」と述べられています。
さらに16歳〜20代までの若年層では、約7割の人が情報収集の為にSNSを利用しており、特にTwitterはコミュニケーションツールよりも、情報ツールとして使用する方が多いようです。


Z世代には向いていなかったSNS

先程挙げた論文では、若年層に人気のあるSNSはTwitterInstagramTikTokだと述べられています。
この3つの共通点は、情報を得やすいということです。

最初の頃は私的な投稿をするだけだったInstagramやTikTokでも、「おすすめのカフェ」や「おすすめのコスメ」などが投稿されるようになり、簡単に情報を得ることができるようになりました。
それだけでなく、特にInstagramでは「恋人を作る方法」などの恋愛指南アカウントやダイエットアカウント、漫画や性格診断などの占いまで見ることができます。
一つのアプリを開くだけで、自分の知りたい情報を一気に知ることができるよう、Z世代のニーズに合わせて作られてきたと言えるでしょう。

しかし、Facebookやブログの利用者はあまり多くありません。
Facebookは、自分の近況を伝える為・知人の近況を知る為に使用することが多く、Z世代の重視する情報収集にはあまり向いていないことから、若年層の利用者が少ないと考えられます。
同様に、アメブロやmixi等のブログが流行らないのも、短時間でできるだけ多くの情報を集めようとするZ世代には適さないからではないでしょうか。

コロナ禍で爆発的に流行したclubhouseも、Z世代にはあまり受け入れられず衰退してしまいました。
これも、clubhouseが素早く情報収集できるツールではなかったからだと言えます。
ラジオ感覚で楽しみたい人にとっては最高のclubhouseも、Z世代にとっては少し煩わしいSNSになってしまったのでしょうか。

倍速で見る動画

さて、既に流行しているInstagramTikTokでも、出来るだけ速く情報を伝える為の工夫がされています。
特に、カフェ紹介動画やメイク動画、ヘアアレンジ動画などでは、動画を倍速にして編集し、15〜30秒で収まるように作られている動画が多くありました。
この傾向は、ここ2、3年でよく見られるようになったものであり、最近では紹介動画の過半数がこのような形になっています。
このことから、長く収まりの悪い動画よりも、短くまとまった動画が評価されていることがよくわかるでしょう。

最近では、YouTubeの利用者も増加し、情報を得る為の大切なツールのひとつになっています。
みなさんはYouTubeで動画を視聴する際、速度を上げた経験はありませんか?

「動画の倍速視聴に関する調査(2021年)」(株式会社クロス・マーケティング)では、20代男性の半数以上が倍速で動画を視聴した経験があるという結果になりました。
動画を倍速で視聴する意識について、20代女性は「自分の好きな速度で見られるので、自由度が上がると思う」という回答が38.2%と最も多く、60代男性では「テンポが速すぎて内容がよく理解できないと思う」が36.4%と最も多かったそうです。


この結果からも、Z世代が効率的に情報を集めることにどれだけ重きを置いているかよく分かるでしょう。
自分の中で要らない情報が流れている時には倍速で見て、必要な情報が出てきたら動画を止め(もしくは速度を緩め)じっくりと見る、これらはZ世代特有の情報収集方法だと言えます。

SNS上での社会的地位を獲得するには

このような情報社会で、社会的地位を獲得するにはどうすればいいでしょうか。

やはり、出来るだけ早く情報を仕入れるのが鍵になるでしょう。
特にインスタグラマーやティックトッカーなどのインフルエンサーは、人より早く流行を掴み、発信することで、社会的地位を獲得できると考えられます。
なぜなら、他のインフルエンサーと同じタイミングで発信したところで、投稿が埋もれてしまう恐れがあるからです。

そして視聴者は、他の人と少し早く、もしくは同じタイミングで流行を掴むことが大切になります。
早すぎても周囲に理解してもらえず、遅すぎると時代遅れになってしまうため、適切なタイミングで情報を仕入れる必要があると考えられます。
流行に敏感な中高生は、学校生活を送るために、この点を意識せず行っている方も多くいるでしょう。
しかし、そうではない視聴者は、意識して情報を仕入れる必要があると思われます。

情報を仕入れる中で意識しないといけないのは、フェイクニュースの存在です。
強い言葉で書かれていたり、ショッキングな情報が含まれている情報は、一般的な情報に比べ拡散力が高いと言われています。
特にTwitterは、他のSNSと比べて発信の自由度が高く、拡散しやすいため、間違った情報が広く伝わることがあります。
情報が真実なのかしっかりと見極め取り入れる、もしくは拡散する必要があるでしょう。

まとめ

今回は、スマホの普及に伴ってSNSを通じて情報を収集する現代の状況を考察しました。
現代人は、個人の近況よりも情報を仕入れるためにSNSをしていること、そしてスピード感を求めていることがよくわかったかと思います。
特に、Z世代にその傾向が強く、そのスピード感はどんどん速くなっているように感じられます。

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